ロベフという名の指揮者は、本当に全然知らなかった。そこが昨日のセレブリエールと若干異なるところだ。私にとっては。
前回立ち寄ったときも、前々回立ち寄ったときもタワレコのピヴォ店の棚に置かれていたCD。それも、ジャケットが見えるようこちらに顔を向けてディスプレーされていた。
根負けだ。
その「ねぇ、買ってぇぇぇぇ~ん」というような態度に負けて買った。安かったし。
曲はオルフ(Carl Orff 1895-1982 ドイツ)の「カルミナ・ブラーナ(Carmina Burana)」(1936)。
オーケストラはソフィア・フィル。独唱はバレヴァ(S)、カメノフ(T)、ヤヌコフ(Br)。合唱はブルガリア国立オブレテノフ合唱団にブルガリア国立放送児童合唱団。
1986年のライヴ録音である。
はっきり言って「おやおや」って演奏だ。でも「やれやれ」って断じることもできない。
それは「カルミナ・ブラーナ」という曲が、粗野っていうかウマヘタっぽくても面白い曲だから。もちろん程度問題だが、整然とした演奏は向いていない。
でも、そうは言ってもこれ、十分に粗い演奏だ。お世辞にも上手いとは言えない。あか抜けない。
が、「うわっ、なんかやっちゃいそうだな」っていうスリル感は楽しめる(CDだから、それも最初のうちに限るわけだけど)。
ロベフは、追い越し禁止車線ではきっちり制限速度で走るくせに追い越し可の道になるとなぜか急加速する意向不明のドライバーのように、ときにアクセルをぐっと踏んで音楽を進めたりする。速度制限を守っているときはまだ少しはいいが、アクセルを踏まれたらオケも合唱も「えっ、マジ?」って感じで、混乱しているのが伝わってくる。
独唱陣もふつうなのか下手なのかビミョー(多分ふつう以下)。バリトンは表現過多で、浮き足立っている。ソプラノにはヴィックスドロップを舐めさせたくなる。まだテナーはふつうか?
そして、ついぞ第23曲「私のいとしい人」でソプラノのバレヴァが崩壊!声が出なくなってしまう(最初っからここ歌えなかったんじゃないのかな?)。こんな歌声で「私のすべてをあげましょう!」って言われても……
いや、指揮者のせいだけじゃなく、オケ、歌い手のいずれも本人たちの技術の問題だな。 児童合唱団の衣装にブルガリアを感じる。
むかしブルガリア・ジャムってのがあって、イチゴの粒の形が残っているジャムなんてそれまで見たことなかったから、ブルガリアってすごいところなんだなって思った記憶があるが、だからってこの子らの衣装になぜブルガリアを感じるんだろう?私は。
とにかく、魚肉入りハンバーグのような味わい。いや、ジャムじゃなくて演奏が。
つまり美味いとは決して言えないが、独特の味があって食えないってものでもない。好んで食べたくないけど……
録音はあまり良くない。ちょっと変わったトーンだ。
FORLATE。
ところで連日の暑さで、清涼飲料水をがぶ飲みしている人もいるのではないかと推察される。
そしてこんなメールが。
森田彩香といいます。
27歳、清涼飲料水関係の仕事をしています。
あのう、えっち友達を
募集しているそうですね?
いえ、何かの間違いです。募集していません。
で、「カルミナ・ブラーナ」は高関/札響のライヴ盤がすっごく良い。
コメント一覧 (4)
-
- July 22, 2012 16:26
- やっぱりみちさんでしたね(笑)
-
- July 22, 2012 16:25
- > みちさん(ですよね?)
保護者が聴けなかったなんて、なんという仕打ち!残念でしたね!惜しいことをしました。ロ別府は日常鑑賞用にはまったくお薦めしません。が、こんなんあるんかい、という教訓的記録ではあります。
-
- July 22, 2012 15:30
- 名無しのコメントごめんなさい 犯人?は私ですー。失礼しました!
-
- July 22, 2012 10:13
- 「カルミナ・ブラーナ」うちの子供の合唱団が数年前に某音大のオケと一緒に演奏しました。270名の合唱団(内こども60人くらい)で大迫力だった らしい です。満席なので当日の保護者の観覧はご遠慮下さいと言われていたのでした。
今回のロ別府でなくロベフ指揮のは今一つらしいのでMUUSANさんの前記事を研究してかっちょいい演奏のCD入手を考慮中です。
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