会社内で何気なく歩いていたら、その途中に意に反してとてつもなく大きな音のおならをしてしまい、周囲のあらゆる人、あらゆる機器、あらゆる文具が一斉に私に注目し、そのうちの1人が、「MUUSAN、こんなところでひっどく下品!」と言い、それに呼応するように皆が「下品、ゲヒン、げひん!」とシュプレヒコールを上げた。
私はいたたまれない気持ちになり、そして「もっともだ」と納得もした。
そこで目が覚めた。
汗をかいていた。
夏の朝の夢ってわけだ。
マーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)の交響曲第3番ニ短調(1893-96/改訂1902)には当初、標題が付けられていた。
最初に付けられた標題は「幸福な生活-夏の夜の夢」。
次に付けられたのは「楽しい学問-夏の朝の夢」。「大きなおなら-夏の朝の夢」の悲惨さとはえらい違いだ。
さらにマーラーは「夏の真昼の夢」と標題を変えたが、夜なのかい?朝なのかい?それとも昼なの?なんでも良いってこと?と言いたくなる。
長木誠司著「マーラー全作品解説事典」(立風書房)には、その全曲の標題の変遷が詳しく書かれているが、その一部を転載させていただく。
1895.初夏 : 幸福な生活 夏の夜の夢
1895.夏 : わたしの楽しい学問
1895.8.17/29 : 楽しい学問 夏の朝の夢
1896.6.20/28 : 夏の真昼の夢 あるいは 牧神の目覚め(交響詩)
1896.8.6 : 夏の朝の夢
そして、最終的にはすべての標題は削除されて「交響曲第3番」という標題をもたない交響曲となった。 さて、この曲の初期の録音では名演とされるバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの演奏。
冒頭のホルンの挑戦的なファンファーレの音からして、全曲の演奏を期待させるものだ。
その期待は裏切られない。
とても豊かな表情である一方で緻密。当初各楽章につけられていたが今では削除されてしまった標題を思い出ださせるような、交響詩を思わせる演奏だ。
きょうびのこの曲の種々のCDの演奏と比較すると、どこか一昔前という香りはする。しかし1962年の録音とは思えないみずみずしさを今も放っており、古いからといって決して忘れ去られてはならない感動的な演奏である。
レーベルはソニー・クラシカル(コロムビア)だが、この会社の録音にしばしば見られる音場の不自然さはある。
このCDでは特に、第5楽章の少年合唱と鐘が近すぎ。すぐ前で歌い、カンカンされているかのよう。相撲の砂かぶりにいるわけじゃないんだから……
それと演奏面でよくわからないのが第1楽章のトランペット。
スコアを掲載したが(2ページにわたるので写真も2枚に分かれている。このスコアは音楽之友社のもの)、トランペットが吹くメロディーは最後に下がるはずなのに、その最後の音(写真2枚目の最初の音。矢印箇所)が、なぜか上がっているのだ(4'09"あたり)。
なんでなんでしょう?
このCD、メゾ・ソプラノ独唱はリプトン、合唱はスコラ・カントルム女声合唱団とトランスフィギュレーション教会少年合唱団。
それにしても、私はなぜあんな題材の夢を見てしまったのでしょう?
本日はこのように2つの問題を提起して閉じさせていただきます。ぶーっ!
新館入口(2014.6.22~)
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