57416b1a.jpg  そういえば、むかし駅なんかにあった伝言板っていうのはまだあるのだろうか?

 宮部みゆきの小説「ドルシネアにようこそ」は、駅の伝言板が利用される話だった。

 携帯電話がこれだけ普及して伝言板なんて利用する人、ほとんどいなくなったんだろうな。そもそも、私のように、たとえばいまでも札幌駅に伝言板があったとしても、その場所がわからなきゃ意味がないわけだし。

 でも、ネット、というかスパムメールの世界では伝言板(というか相手が不特定多数だから掲示板だが)が活用されているようだ。
 やっぱり伝言板っていいシステムだということか?

 歩美[20歳]
 駅前のマックにいます。誰かカラオケか飲みに連れてって下さい♪
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 亜樹[21歳]
 おなか減ったんでご飯ご馳走してください(笑)
 紳士な方連絡待ってまーす。
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 舞子[23歳]
 今日凄い服です。
 誰かどっか連れてってよ!!連絡待ってますよ♪
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 愛[19歳]
 彼氏と別れたばっかで寂しいです。
 今日だけでいいから一緒にいてくれない?
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 歩美へ~1人でずっとマック食ってろ!
 亜樹へ~紳士的って要求するお前は淑女的なのか?ざけんなよ!
 舞子へ~凄い服のやつと一緒に連れ立ちたくない。
 愛へ~「ばっか」はおまえだ。

 男に金出させて遊ぼうなんて夢をみてたらロクな目にあわないぞ!
 私だって飲みたいし腹も減るが、そんなこと広く世間に訴えないぞ。

 ベルリーニ(Vincenzo Bellini 1801-35 イタリア)の歌劇「夢遊病の女(La sonnambula)」(1831初演)。ロマーニの台本による2幕4場のオペラで、ベルリーニ(またはベッリーニ)が30歳のときに発表し大人気を博したものだそうだ。

 ベルリーニはイタリア・ロマン派歌劇の開拓者となった人物。

 オペラの筋は、土地の領主が泊まっていた旅館の部屋に、夜、夢遊病の女が現われそのままベッドで眠り込んでしまう。それを知った女の婚約者は浮気を疑い婚約を破棄する。しかし後日、夜に眠ったまま歩き回る女を見て、彼女が実は夢遊病だったと知り、再び婚約指輪をはめ2人は結ばれるというもの。まあなんていうか、そういうものである。

 夢遊病というのは眠ったまま起き上がって歩き回るものだが、その原因は心に何か問題を抱えているためと言われている。
 大学時代に友人のK君のアパートに泊まらせてもらったことがある。
 そのK君、夜中に寝言で「この異教徒め!」と叫んだ。
 あのときはは怖かったが、立ち上がらないで寝言だけで済んでホントよかった。

 “ウルトラQ”で「悪魔っ子」っていうのがあったが、あれは怖かった。再放送で見たのが小学生のころだったと思うが、なんだか知らんが怖かった。あの女の子は夢遊病の一種なんだろう(さっきネットで調べたら、肉体と精神が分離するってことで、夢遊病ではないことが判明してしまったが)。子ども心にはよくわからないものがあったが、やったら不気味だった。

 私が持っているCDは、ボニング指揮ナショナル・フィル、ロンドン・オペラ合唱団による演奏のもの。独唱はサザーランド(S)、パヴァロッティ(T)、ギャウロフ(Bs)ほか。
 1980録音。Amadeus。

 このCDジャケットに描かれている夢遊病の女、眼が怖い……