CDというのは物によってはかなり過剰包装だ。
なかには透明のフィルム3枚にくるまれているのがある。外袋、中袋。中袋には帯があって、内袋はぴったりとCDケースを覆っている(輸入盤の場合)。
そうでなくても、このフィルムを開けるときの開封口がわかりにくい。わかっても、何回も爪で引っかけても開封テープというのか、あのひも状の部分がうまくはがれない。キャラメルのように開けやすくできないものだろうか。
先日もあるCDのケースの背の部分を、一生懸命爪で引っかけようとしたが、全然ダメ。まったく猫の手も借りたい気分だったが、ネズミが出たわけじゃないので、自分一人でがんばった。
が、結局そのCDの外装フィルムには開封口がないことがわかった。
やれやれである。
そのCDは、ジンマンが指揮したマーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)の交響曲第9番ニ長調(1909-10)であった。
この演奏、終楽章がとにかくすばらしい!
第1楽章の冒頭から切ないが温もりがある。しかし、スケール感は抑制されており起伏も乏しく、例えばバーンスタインなどの“劇的表現”の反対をいくもの。
第2楽章、第3楽章となると、その姿勢がとても物足りなく感じてくる。
ところが、第4楽章になると、哀しみと諦めと無力さの混合剤を欠陥注射されたかのようになる。ジンマンのアプローチは-それは前3楽章同様、温かみをもった優しげ美しいものだが-ここで、みごとにハマる。
1つ1つのフレーズを大切に、でもしなやかに歌い上げるが、それはこの世に対する諦めの微笑みのようだ。
心静かにしてそのときを待つ……「大地の歌」のコンセプトを続けて引き継いでいるレクイエムである。
この曲の決定的なお薦め盤とは言えないが、ちょっと異色の名演奏。終楽章だけでも聴く価値多大!
深い深い感動にしばらく身動きできなくなること間違いなし!(←あくまで個人的体験談です。聴き終えた後の状態には個人差があります)
新館入口(2014.6.22~)
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© 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
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実はこのCDも、最後の包装フィルムをギュッとやってしまい、ケースにひびが……。悲しい思いをしました。