9ba41ff4.jpg  貴志祐介の「悪の教典」の主人公の英語教師、愛称“ハスミン”こと蓮見は、しょっちゅう「モリタート」のメロディを口笛で吹いている。

 「じゃあ」とばかり、自宅に帰った私はおととい(つまり木曜)の朝「モリタート」を口ずさみながら締まって硬くなった雪相手に雪かきを開始した。
 なぜ口笛ではなく口ずさんだかというと、私は口笛を吹くのが下手だからである。誰かがそばにいたらすきま風と間違えられる可能性が高いほどだ。

 「モリタート」(詳しくは「メッキー・メッサーのモリタート」)は英語名「マック・ザ・ナイフ」といい、ヴァイルの「三文オペラ」の第2曲。そして、「三文オペラ」のなかでは最も有名な曲だ。日本語のタイトルは「七首マッキーの殺し歌」。

 しかし、除雪にはどうもこの曲は合わない。2回雪をすくっただけでそう判明した(なお、「三文オペラ」については、気が向けばこちらをご覧いただきたく思う所存である)。

6b42d3b6.jpg  こういう作業には、やはり明るくてリズミカルな音楽が合う。

 そこでアンダーソンの「タイプライター」を口ずさんでみた。

 が、この曲のテンポで雪かき(の道具)を操るのは絶望的に困難だ。あらかじめ予想はついたが、予想通り無理だった。仮にこのテンポでチャカチャカと雪下ろしをしても(きっと通行人から見たら早送りのように見えるだろう)、すぐに極度の疲労に達し、足がよろけ、屋根のへりで足を踏み外し、地面に落下し、「チンッ!ジャン!」と音楽の終わり方と同様の結末を迎えるだろう。

 で、あまり一般的ではないかもしれないが、私にとっては重要かつ大好きな作曲家の1人、C.P.E.バッハ(Carl Philipp Emanuel Bach 1714-88 ドイツ)の「シンフォニア集」Wq.182,H.657-662(1773)を口ずさむ。これは案外いけた!

 Wq.182は6曲のシンフォニア(交響曲の前身)から成る曲集で、オケの編成は弦楽。

 この中では第2番が最も有名だが、私としては第6番が異様に好きである。
 にしても、最近の私、CPEづいててすまん。世の中はAKBだっていうのに……
 
 今日はピノック指揮(兼チェンバロ)/イングリッシュ・コンサートの、これまたシャープな演奏を(私の知る限り、C.P.E.バッハのシンフォニアの録音のほとんどがシャープで過激。これは実に喜ばしいことだ)。
 1979録音。アルヒーフ。

 さて、雪かきであるが、固く凍りかけた雪のせいで、結局1時間でギブアップしてしまった。
 根性無しで申し訳ない……