私は新聞の読者投稿欄っていうのをあまり読むことはないが、連休の狭間の1日付の北海道新聞でたまたま目にした札幌市中央区の80歳の男性の怒り、恥ずかしさ、願いがひしひしと伝わってくる文にはちょっぴり感心した。
いかにも80歳って年頃にふさわしい言い回し。幾分もの迷いもない断定形。皮肉がこもった逆説的問いかけ。
見事だ。
もちろん考え方に偏りはあるが、私はけっこう共感してしまった。
どうか、この国の首相としてふさわしい人物が現れるときまで達者でいてほしいと願いたい。
マショー(Guillaume de Machaut 1300頃-77 フランス)の「恥ずかしさ、恐れ、疑い(Hont,paour,doubtance)」。
三省堂の“クラシック音楽作品名辞典”によると、マショーはボヘミア王となったルクセンブルク伯爵の秘書官を務めた人物。1346年に伯爵が亡くなったあとは、伯爵の娘ボンヌ(フランス国王ジャン2世の妃)や、のちにフランス国王シャルル5世となる王子などに仕えた。
僧職ながら、詩人そして音楽家として、トルヴェールの伝統に立った初期対位法的な世俗曲、および教会音楽を残し、フランスにおけるアルス・ノヴァを代表する、という。 トルヴェールというのは、トルバドゥールの影響を受けて12世紀末から13世紀末にかけて北フランスで活躍した吟遊詩人のこと。
また、アルス・ノヴァというのは、1320年頃にフランスの音楽家フィリップ・ド・ヴィトリが著わした記譜上に関する理論書の標題で、“新しい技法”の意。現在では14世紀の詩に密着して声部の動きの自由を獲得した新しい傾向をもつ音楽を総称する概念として用いられている。アルス・ノヴァの実践的完成者がマショーで、特に世俗音楽をより高度なものに発展させた。
器楽曲「恥ずかしさ、恐れ、怒り」はファエンツァの写本(Codex Faenza)に楽譜が収められているという。
ファエンツァの写本というのは、ボローニャ近郊のファエンツァという町に保存されている、14世紀以降の器楽曲をまとめた楽譜。まとめられたのは15世紀初頭である。
ポッシュ指揮アンサンブル・ユニコーンの演奏による「ファエンツァの写本」というアルバムに収められている。
1995録音。ナクソス。
ところで、4月末に妻の実家に行ったときのこと。
義父-投稿人とほぼ同年代-がTVのコマーシャルを観て言った。「北海道に吉野家ってあるの?」
息子が答える。「あちこちにあるよ」
「いままで吉野家の牛丼っていうのを食べたことがない。どんなもんか一度食べてみたい」
確かに、大量に流れている相武紗季などが出演しているCMは実に美味そうに見える。
とはいえ、実は私も偉そうなことは言えない。
吉野家の牛丼は3回しか食べたことがないのだ。
最初は今から20年ぐらい前。
東京に出張に行って、上司と飲んだ帰り。その上司が腹減ったと言うので神田のホテルの近くにあった吉野家に入ったのだ。私なんて注文の仕方もよくわからなかった。で、食べたがそのときは私は特に空腹でもなかったこともあり、無感動かつ無感想。
2回目は今から10年くらい前。
ヨーロッパに出張したときに現地でアテンドしてくれた日本人-彼は取引先の人で、あちらに駐在していた-が、しきりに「吉野家の牛丼が食べたい」と言っていた。それは私の頭に刷り込まれ、帰国し帰宅すると近くの吉野家に行き、そこで食べるのではなく、持ち帰りを買って食べた。感想は、「う~ん、こんなもんか」。なぜ持ち帰りにしたかというと、家でビールを飲みながらゆっくりしたかったし、何より大阪だからってわけでもないけど、店内の殺伐とした雰囲気がね……
で、3回目は今から5年くらい前。
埼玉の、とある市に出張したとき。
朝コンビニに行くと、たいした弁当がなく、駅に隣接した吉野家で、これまた持ち帰りを買って部屋で食べた。はっきりいって、早朝だというのに中にいた客たちはひどくガラが悪かった。朝帰りのヤンキーみたい、もしくは非行少年みたい(両者は一緒か?)のやら、浮浪者みたいなおっさんやら(日本酒を飲んでいた)。牛丼を手にぶらさげ、逃げるようにしてホテルに戻った。
味?
やっぱこんなもんか、って感想。
まぁ、あの価格で食べられるんだからたいしたもんではあるけれど。
で、義父の住む町はもちろん、周辺の街にも吉野家はない。
今度行くときに、札幌から持ち帰り用を買って行くという手もあるが、あれって冷めるとねぇ。
ということで、冷凍のを送ることにした。
レビューによると、店と同じ味だっていうし。
まあ、あれだけコマーシャルが流れていれば、食べてみたくなるよな。
果たしてどういう感想を持つだろう?
私も食べたくなってきた。
店に行くのは嫌だから、冷凍を頼んでみることを検討しよう。
新館入口(2014.6.22~)
このところの記事
ここ1カ月の人気記事
最新とは言い難いコメント
アクセスカウンター
- 今日:
- 昨日:
- 累計:
このブログの浮き沈み状況
サイト内検索
楽天市場(広告)
月別アーカイブ
タグクラウド
- 12音音楽
- J.S.バッハ
- JR・鉄道
- お出かけ・旅行
- オルガン曲
- オーディオ
- ガーデニング
- コンビニ弁当・実用系弁当
- サボテン・多肉植物・観葉植物
- シュニトケ
- ショスタコーヴィチ
- スパムメール
- セミ・クラシック
- タウンウォッチ
- チェンバロ曲
- チャイコフスキー
- ノスタルジー
- バラ
- バルトーク
- バレエ音楽・劇付随音楽・舞台音楽
- バロック
- パソコン・インターネット
- ピアノ協奏作品
- ピアノ曲
- ブラームス
- プロコフィエフ
- ベルリオーズ
- マスコミ・メディア
- マーラー
- モーツァルト
- ラーメン
- ルネサンス音楽
- ロマン派・ロマン主義
- ヴァイオリン作品
- ヴァイオリン協奏作品
- 三浦綾子
- 世の中の出来事
- 交友関係
- 交響詩
- 伊福部昭
- 健康・医療・病気
- 公共交通
- 出張・旅行・お出かけ
- 北海道
- 北海道新聞
- 印象主義
- 原始主義
- 古典派・古典主義
- 合唱曲
- 吉松隆
- 名古屋・東海・中部
- 吹奏楽
- 国民楽派・民族主義
- 声楽曲
- 変奏曲
- 多様式主義
- 大阪・関西
- 宗教音楽
- 宣伝・広告
- 室内楽曲
- 害虫・害獣
- 家電製品
- 広告・宣伝
- 弦楽合奏曲
- 手料理
- 料理・飲食・食材・惣菜
- 映画音楽
- 暮しの情景(日常)
- 本・雑誌
- 札幌
- 札幌交響楽団
- 村上春樹
- 歌劇・楽劇
- 歌曲
- 民謡・伝承曲
- 江別
- 浅田次郎
- 演奏会用序曲
- 特撮映画音楽
- 現代音楽・前衛音楽
- 空虚記事(実質休載)
- 組曲
- 編曲作品
- 美しくない日本
- 舞踏音楽(ワルツ他)
- 行進曲
- 西欧派・折衷派
- 邦人作品
- 音楽作品整理番号
- 音楽史
- 駅弁・空弁
BOOKMARK
読者登録
QRコード
ささやかなお願い
当ブログの記事へのリンクはフリーです。 なお、当ブログの記事の一部を別のブログで引用する場合には出典元を記していただくようお願いいたします。 また、MUUSANの許可なく記事内のコンテンツ(写真・本文)を転載・複製することはかたくお断り申し上げます。
© 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
© 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
そちらの方も吉野家をけっこう利用するんでしょうか?それとも日本人向け?
松屋は一度も入ったことないです。