45e5e30b.jpg  私はこの演奏のLPで「大地の歌」を知った。

 ライナー指揮シカゴ-響楽団、フォレスターのアルト、ルイスのテノールによる、マーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)の「大地の歌(Das Lied von der Erde)」である。1300円の廉価盤だった。

 先日、ほぼ同じ顔ぶれによる(アルト独唱が異なる)1958年ライヴ盤を紹介したが、そちらが前年ながらモノラル録音なのに対し、1年後にスタジオ録音されたこちらはうれしいステレオ録音である。

 このLP、何度も聴いた。同じ年の録音で、その後購入したクレツキ指揮の「大地の歌」(こちらのLPは1200円だった)よりも私はこちらを好んだ。そして、LPを処分してしまったあとは、ずっとこの演奏を聴けずにいた(※ 関係ない話だが、いま“daitinouta”と入力したつもりなのに、変換したら“大珍宝”になったのはなぜだろう?そんなに指が滑ったか?)。

 このたびタワレコのオンライン・ショップでCD(SACD)を購入。店頭では過去見かけたことがなかったので(見つけたら即、購入したに違いない)、見つけたときは小躍りした。いや、あくまで感情のイメージ表現。
 にしても、検索で容易にいろんなCDの存在の有無がわかるオンライン・ショップで便利だわぁ。

 ところで、昔あれだけ聴いていたのに、正直言ってまったく気づかなかったことがある。
 このディスクについて、タワレコ・オンラインショップに次のようなコメントが記されていた。

 当盤のマスタリング作業について
 「1959年11月7日と9日の録音された、ライナー指揮シカゴ響による「大地の歌」をSACDハイブリッド用にリマスターする過程で、われわれはコントラルトのフォレスターが歌う楽章と、テノールのルイスが歌う楽章とで、オーケストラのサウンドが異なることに気がついた。オリジナル・マスターを綿密に視聴した結果、録音時に、3チャンネルのうちの一つのチャンネルが、誤って逆の位相で録音されていたことが判明した。このミスは11月7日の初日のセッション後に発見されたようで、2日後に行われた2回目のセッションでは正しく修正された。
 ソリストの歌は、ソロ用のマイクでセンター・チャンネルに収録されたため、このような問題はなかったが、その背後に広がるオーケストラのサウンド・イメージが初日のテイクと2日目のテイクとは異なることとなったわけである。これは、問題のチャンネルの位相を再度逆にすれば簡単に解決する。しかしこの録音で大きな問題だったのは、一つの楽章間で両日のテイクが繋ぎあわされている箇所があったことで、結果として全曲を通じて間歇的にオーケストラの音が変化することになってしまった。
 そのため、オリジナル・マスターの編集点を一つ一つ確認し、各テイクがどちらの日に収録されたのかを見極めて、初日のテイクが使われた箇所のみ位相を正常に戻す必要があった。そうやって新たに再構成した3チャンネルのマスターから新たに2チャンネル・ステレオ用にミックスダウンを行い、CD層とSACDステレオの音声を完成させたのである。」
 マーク・ドナヒュー(マスタリング・エンジニア)


 ドナヒューさん、すっご~い!ひゅーひゅー!

 と幼稚なことを書いている場合ではない。
 私は、なにそれのCDの録音は音場が不自然だの、かれこれのCDの録音は定位が悪いだの不満を漏らしてきたし、そのあたりは敏感だったと思っていたのだが、LPでこの録音を聴いていたときに違和感を感じたことはなかった。
 あっ、あのコロムビアのレコードプレーヤーで聴いていたころだったからか?
 それにしてもなぁ……
 けど、エンジニアだって今回初めて気づいたわけで、青少年時代の私の耳でわかるものではなかったのかもしれない。

 さて、ものすごく久しぶりに聴いた感想。

 「懐かしい!」

 ↑ すっごく芸がない表現だが、まさに当時のいろいろな思い出がよみがえる。

 LPジャケット裏の解説面には日本語訳の歌詞が載っていたが、それが古語的なもので私はけっこう気に入っていた。
 例えば、最後の歌詞“ewig”。
 多くの場合「永遠に」と訳されるが、このLPジャケットに載っていたの訳は「とこしえに」となっていたと記憶している。それが、またこの曲にピッタリと合うのだ。訳者は誰だったのだろう。ここに限らず、あの古語的な歌詞は名訳だった。

 演奏は感情に溺れないタイプのもの。だからこそ若き私の心をとらえたのかもしれない。
 もっと評価されて良い演奏だと思うが、それは個人的に思い入れがあるせいか?

 録音はこの時代のものとしては悪くないが、そしていろいろと御苦労して手を入れてくれたとのことだが、かなり派手に音が歪む箇所もある。それは仕方ないんだけど。
 RCA。

 ところで、皆さんにとって昨日からの最大の関心事であり、また私にとっては死活問題だった、私の昨日の昼食について報告申し上げる。

920fbab6.jpg  列車に乗り込む前に札幌駅のキオスクで300円のおにぎり弁当を買った。どうなるかわからないので、高価な駅弁を買うことはしなかったのだ。
 弁当の内容は、梅のおにぎりと鮭のおにぎり各1。卵焼き1切。鶏の唐揚げ1個。肉しゅうまい1個。ウインナー1本。

 おにぎり1個と3cm角くらいのハムサンドとエッグサンドが各2、鶏の唐揚げ1個という、ボブさんにも武蔵さんにも喜ばれるような究極の和洋折衷弁当、その名も“お出かけランチBOX”295円というのもあったが、私は5円を惜しむことをせず、おにぎり弁当を選択した。
 列車に乗り込んだが、出発しても私の隣は空席のまま。
 喜ばしい展開だ。

 途中、最大の注意箇所、南千歳駅でも隣に客は来ず、私は安心して弁当を食べることができた。小心者の私にとって、強心臓の人には当たり前なのであろうこのような行為は、想像を絶するほどの歓びを私に与えてくれた。
 気が大きくなって、ワゴン・サービスのコーヒーをそのあと買ってしまったほどだ。

 ということで、皆さん、空腹で倒れることなく、私は昨日の午後を過ごしましたとさ。
 めでたしめでたし。