変装趣味があるちょっと変わったカエルと遭遇した日の翌日、11日のこと(それにしても、あれは本当にカエルだったんだろうか?外に追い出したあと、すぐに気になって見に行ったらどこにも姿がなかったし……。もしかしてツウだったのかも。あるいはカエルではなくカワズだったのでは……あっ、一緒か……)。
帰宅して夕食を作ろうと思いIHヒーターの主電源スイッチを押すと……パイロットランプがつかない。
いや、これだけならランプが切れたということもあり得る。
で、向かって左側のヒーターのスイッチを入れる。
うんともすんとも言わない。
いや、主電源スイッチのところからジリジリともチリチリともつかない音が出ている。昔、じいちゃんが観ていた真空管の白黒テレビの画面が横縞スクロールしか映さなくなったときに、ブラウン管の裏側で火花が散っていたときの音に似ている。
IHヒーターは機能しない。
次に魚焼きのグリルのスイッチを押してみる。死んだ魚のようにびくともしない。
最後に右側のヒーターのスイッチを入れてみる。なぜかここだけ機能している。
が、ほどなくしてヒュイ~ンとダウンしてしまった。
アリだカエルだとちん入者があったかと思ったら、今度はついに寿命が尽きてしまうという犠牲者が出た。
まずい。
私は夕食をどうしたものか悩んだ。故障の原因究明より-どうせ考えたってわからないし、総括すれば十中八九老衰だ-も、まずは腹ごしらえだ。
あっ、そうか!卓上IHヒーターがある。ホットプレートもある。
そのことで一安心すると、今度は新たに購入するとなるといくらかかるのかと不安になる。ウチのはビルトイン・タイプで、確か安いものでも20万円は下らない。カーポートの建て替えを考えている場合じゃないかもしれない。
ホットプレートの上に死んだ魚-今回は干物-を置きながら、片手でIHヒーターの主電源スイッチを入れたり切ったりしていた。7回に1回くらいはパイロットランプが点灯する。そうなると、左側のヒーターもグリルも電源が入る。が、すぐにヒュゥ[E:down]ンとダウンする。
相変わらず主電源スイッチの奥、つまり機械の内部からは、ジリジリ、チリチリという異音が発せられている。火を吹くかもしれない。そう思った。
が、どうしたことだろう。
急に音は消え、すべての機能が元に戻った。
左側もグリルも、もちろん右側も、すべてが何事もなかったかのように復活した。
私はホットプレートの上でジワジワと焼けつつある干物を取り上げ、すぐにグリルへと移した。
いったいどういう原因でおかしくなり-確かに家を建てたときに買ったもので15年も経つので故障してもおかしくないが-、それ以上に、どういうことから復活という奇跡が起こったのだろう?
糸巻きカエルだの奇跡だの、変なことばかり起こる……
そして12日、金曜日の話。
お知らせした通り、私はお休みをいただいた。 朝。
目覚めて外を見ると、モヤがかかっている。
早朝にバラたちに薬-殺虫剤と殺菌剤-をかけようと前夜から企画していたが、湿ったなかでかけても効果が薄れるので断念する。
セイコーマートに行って朝刊を買い、家にあった1週間前で期限切れになったどん兵衛・天ぷらそばを食べる。お湯を沸かすと、うん、IHクッキングヒーターは何事もなかったかのように正常に作動した。
そのあと、ボトボトと落ちてくる夏ツバキの花柄を拾ったり、雑草を抜いたりした。モヤから一転、晴れてきたのでやっぱり農薬をかけようと思ったが、アルフォンス・ドーデの花のなかにカエルくんがいるのを発見。昨日の“糸巻きガエル”かと思ったりもしたが、見たところ体には糸くず一本ついてないし、大きさも一回り大きいので、多分別人だろう。いずれにしろ顔がそっくりなので見分けがつかない。
例年だとニュー・アヴェマリアというバラの花にカエルが潜んでるのだが、今年は冬に地際から折れてしまい、花をつけるに至っていない。きっとカエルくんは-去年とは同一人物ではないだろうけど-同じように大きな花をつけるアルフォンス・ドーデに、今年は基地を替えたのだろう。私自身がカエルじゃないため、なんで花にいるのか、この子の考えていることはわからない。が、花に寄って来る虫を捕らえようとしてるんじゃないかと思う。
いずれにしろ、トゲのある枝を登って来るのはご苦労なことだ。 昼。
午前中の庭いじりでけっこうヘトヘトになりながらも、期限がもう10日過ぎた卵を茹でる。卵の消費期限というのは生食する-要するに生卵-場合の期限であって、完全に火を通せばいつまでも-異臭を発するまでは-大丈夫である。
そこで私は完熟玉子にした。つまり堅ゆでであるが、どうして半熟玉子という言葉があるのに、完熟玉子とは言わないのだろう?
で、冷凍してあったカレーを温め直し、そのゆで玉子をトッピングして、玉子カレーにした。
そのあと、カーポート建て替えの打ち合わせで、ハウスメーカーの人がやって来た。
「もう少し値引きなりませんか?」
「これが精一杯なんです」
「そ、そうですか……。じゃ、これでお願いします」
「ありがとうございます」
ということで、値引き交渉は成立せず、契約締結。
情けないやつだという声に、一言だけ反論させてほしい。見積もりが出た時点で、けっこうお値引きしてくれていたんです。だから、アタシ、それ以上のわがままは言えなかったんです。
すまん。ふた言になってしまった。
夕方。
クックドゥの四川風麻婆豆腐の素を使い、回鍋肉を作る、わけがなく、麻婆豆腐を作る。
本来なら、豆板醤と甜麺醤を使って作るのが私の得意料理の1つだし、これまた自分で言うのも何だがなかなか美味しいのだが、冷蔵庫にそういった調味料がなかったので安易な道を選択した。あとはシャリアピン風ステーキ。ただし、肉は豚肉。
ビールとハイボールと中辛の麻婆豆腐と、はっきり言えばポークソテーという、字づらでは豪華なメニュー。野菜が不足、というよりも皆無だが……
というわけで、この日の朝、昼、そして夕方はこのように過ぎ去った。充実しているようなしてないような、しかしあっという間の平日のお休みだった。
ハイドン(Franz Joseph Haydn 1732-1809 オーストリア)の交響曲第6~8番。
つまり、
交響曲第6番ニ長調「朝(Le matin)」Hob.Ⅰ-6(1761?)
交響曲第7番ハ長調「昼(Le midi)」Hob.Ⅰ-7(1761?)
交響曲第8番ト長調「夕(または、晩。Le soir)」Hob.Ⅰ-8(1761頃)。
1761年からハイドンはエステルハージ侯爵の宮廷副楽長となったが、侯爵から三部作の交響曲の作曲の依頼を受けた。
こうして生まれたのが、朝・昼・夕の名を持つ3曲だが、ここの楽団には各楽器の名手が揃っていたために、この3曲、交響曲というよりもバロック期の合奏協奏曲、あるいは協奏交響曲のような様相を見せる。
各曲とも4つの楽章から成るが、第7番の第2楽章についてはランドン校訂の原典版では2つに分割されており、5楽章構成となっている。
また、第8番の第4楽章は「嵐(La tempesta)」と記されている。
楽器の掛け合いが楽しく、そしてまた心が弾むような音楽である。
マリナー指揮アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズの演奏で。第7番は5楽章として演奏されている。
1980録音。フィリップス。
写真のバラは“ストラボ・バビロン”という品種。
去年購入したものだ。やたらアブラムシにたかられて気の毒だ。
特徴ある花がとてもかわいいので、特に念入りに殺虫剤をかけてあげた。
新館入口(2014.6.22~)
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