クソ暑いこの季節にマッチするとはあまり言えないかもしれないが、今日はシベリウス(Jean Sibelius 1865-1957 フィンランド)。
尾高忠明と札幌交響楽団による“シベリウス交響曲全集第1弾”のCDが先日発売された。曲は、交響曲第1番ホ短調Op.39(1899)と第3番ハ長調Op.52(1904-07)。
今年の3月1日と2日の両日に札幌コンサートホール・Kitaraで行われた第557回定期演奏会のライヴ録音と、その前の2月28日に行なわれた録音を組み合わせたもの。要するに良いとこ録り。
結論から言うと、札響の、そして尾高のシベリウスは実にいい!ひいき目でも何でもなく、これまで名盤と呼ばれてきたいろいろな録音と比べても遜色がない。それどころか、上を行くんじゃないかと思う。
楽曲に関しては、第1番はここで、また第3番はここで触れているのでここでは書かないが、どちらも-言い尽くされているが-これが北欧なんだろうというわびしげな響きと透明感、一方では自然を謳歌し讃美するような喜びがある作品だ。
北海道の冷涼、というか冬は極寒になる気候は、確かにシベリウスが暮らした国や街と共通するものがあるのだろう。が、それが共感にまでなるかというと、そのからくりは不明だし、あまり科学的とも言えない。
しかし、確かにここにはある。つまり、札響が紡ぎ出すシベリウスは、間違いなく他の日本のオーケストラでは出せないサウンドだという事実が。ちなみに、尾高は鎌倉生まれだけど……
この定期演奏会の数日後、3月5日に行なわれた東京公演でも同じプログラムが演奏された。それを聴いた在京の人も、私の読者の中にはいらっしゃるのではないかと思うが、いかがでしたか?
ここに収められたシベリウスの2つのシンフォニーはどこに出しても高い評価を得ると私は確信している。
1982年の3月だったと思うが、私は北海道厚生年金で尾高/札響による第1番を聴いている。その演奏はFMで放送され、エアチェックして何度も繰り返し聴いた。
そして、今回の第1番を聴いて、あの演奏がまざまざとよみがえった。30年以上経っているというのに。
今や聴き比べはできないし、たぶん巨匠度を増した尾高の指揮はずっと円熟したものになっているはずだ。が、明らかに両者には同一に近いと思えるほど共通しているものがある。
予想していなかったが、私は無性に懐かしい気分に襲われた。
さて、“レコード芸術”で、宇野センセはどうお書きになるのだろう?
シベリウス交響曲シリーズの第2弾は、来年2月28日~3月1日。第567回定期である。
演目は第2番と第4番。
このシリーズは、シベリウス生誕150年となる2015年に完結する予定だ。
この暑さのなかシベリウスの音楽から漂う冷涼さを体験していると、私にはこの夏の時期とかき氷を連想してしまう。それも真緑色のメロンじゃなきゃだめだ。
くだらんこと書いて、また反省。
メロンパン・ブームってまだ続いてるのですか?
新館入口(2014.6.22~)
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