6e77e804.jpg  私は鵜飼はもちろんのこと、うがいが苦手である。

 うがいをしようとすると、よっぽど前向きになれるような楽しい思いが頭を支配していない限り、オェッとなるんじゃないかという心配が膨らみ、ご期待通りオエッとなってしまうのである。
 ましてや、イソジンなんて、その臭いが鼻腔に漂ってきただけで、ウェッとなる。私はヨウ素の臭いがダメなのだ。

 それなのに、私の繊細な心を踏みにじるような-というのはオーバーだが-無神経なメールが、一見音楽関係者のような名前の見ず知らずの人物から届いた。

 相田 響様よりセレブゲスト様宛に新着メールが届いております!!

 あーーー!セレブゲストさん、忘れていませんか?大事な事(゚Д゚)ノ
 夜の歯磨きは終わっていますか??(゚Д゚)ノ
 夜は菌が繁殖しやすいから歯磨きもしっかりしないと駄目ですよ(*´ェ`*)
 うがいはイソジンがオススメです。
 カンボジアなどの水が汚れてる国に日本の医師が行ってどうしても水を飲まなければいけない状況の時、イソ ジンを.垂らして飲むらしいです(゚Д゚)ノ
 かなりの殺菌効果があるんですよ。
 歯磨き後に良かったらイソジンでうがいをどうぞ(*´ェ`*)


 いったい何なんだ、このメールの目的は?
 さっぱりわからないが、最近私は通常の歯ブラシによる歯磨き後に歯間ブラシを使い、さらに部分磨き歯ブラシで特に奥歯周辺を磨き、仕上げにもう一度通常の歯ブラシを使うという、ガラス細工の職人技みたいなことをしているので、かなり口の中が爽やかになる。

 爽やかといえば、ヤニック・ネゼ=セガンという1975年生まれのカナダの指揮者が振ったブルックナー(Anton Bruckner 1824-96)の交響曲第6番イ長調WAB.106(1879-81)の演奏がなかなかSAWAYAKAだ。

 この曲はブルックナーの交響曲の中でも“鈍(どん)くさくない”曲だが、ネゼ=セガンの演奏はさらに歯切れが良くて、歯がきれいって感じ。重ったるくないが軽々ともしていない。若いくせに歌い回しが上手なテクニシャン。パンッという音のアタックはあまりないが、甘美で美しい演奏。先日取り上げた、ケーゲルとはえらく違う調理法だ。

 この指揮者、店頭でCDを見つけるまで-私はブル6のCDを探していて出会ってしまったのだ-まったく知らんかった。
 やはり月に一度は“レコード芸術”を立ち読みするべきなんだろうか?

 第6番については楽譜の問題はあまり存在しないと聞いていたが、このCDには使用楽譜として1935年のハース版と記載されている。

 オーケストラはグラン・モントリオール・メトロポリタン管弦楽団。
 2012録音。ATMA。

 この指揮者、きっとどんどん有名になるに違いない(もちろん実力を伴って)。

 私はちょっと注目しちゃおうと思ってる。