このあいだの日曜日の話である。
前日の夜、妻がたまに豚丼も悪くない、とぼそっと言った。
この日の新聞に載っていた、“ぶた八”という店が土用の丑の日に合わせ、うなぎのかば焼き風の豚丼を出すという記事を読んだからだった。
ケチをつけるわけじゃないが、十勝の豚丼というのはもともとうな重をヒントに作り上げられたものなので、いまさらかば焼き風と言われても奇妙な気がするが、とにかくそういうものを出すということだった。
じゃあどこがふつうの豚丼と違うのかというと、記事によるとウナギのかば焼きのように豚肉を炭火で香ばしく焼き上げたんだそうだ。なるほど!ちっともわからん。
でも、日曜日に“ぶた八”に向かった。
実はそのかば焼き風豚丼は、土用の丑の日である翌22日からのメニューと書いてあったので、はなっからそれは食べられないことはわかっていたのだが、説明になってない新メニューを食べるよりは定番を頼んだ方が無難だと思い、たまにはふつうの豚丼を食べるべく、暑いなか行ってみたのだった。
が、店の前まで行って、私はふとスープカレーが食べたくなった。
妻に提案すると、妻もそっちの方がよいという。
計画はあっさりと変更。
豚問屋ならぬ豚丼屋の前を通り過ぎ、前からチェックしていたスープカレー屋へと向かった。チェックしていたといっても、評判がどうなのかは知らず、そこにスープカレー屋があることを知っていたという程度の話である。
が、である。
店の扉には“人手不足のため本日臨時休業いたします”と書いた張り紙が……
なんてこったい……
人手不足って理由が意表をついている。
休みであることにがっかりするよりも、「たいへんですね……」と同情してしまった。
その足で街中へ戻り、“みすゞ”というなかなか美味しいラーメン屋に入る。
豚丼からスープカレー、そして行き着いた先はラーメン店という、この変遷。われながら感心する。
私はその名も“みすずラーメン”の醤油をを、妻はふつうの“ラーメン”の塩を頼む。
さらに豚丼風握りという、豚丼肉の軍艦巻きを1皿頼む(2貫)。あくまでも豚丼を意識の中から捨てきることはできなかったのだ。
ここに入るのは2回目だが、確かに美味しい。“みすゞラーメン”が680円、ふつうのラーメンが650円と値段も良心的。
が、ラーメンが運ばれてきたあとに、私は悔やんだ。
上の写真が“みすゞラーメン(醤油)”だが、ご覧のようにトッピングは炒めたもやしと青ネギ程度。あと100円出して“こだわりみすゞ”にすれば、チャーシューとメンマものってくるのだ。あぁ、ちゃんとメニューを見るべきだった。
話は変わる。
いま、わが家の庭に、名前がわからない宿根草が花を咲かせている。
おととしに園芸店で買ったものだが、そのときは確かに品種名をどこかに控えた。が、問題は、それがどこか不明なったことだ。
名のわからない植物を育てるのはなんとなく落ち着かない。気ものらない。ポチとかシロとか呼ぶわけにもいくまい。
どなたか、この花の名を知っている人がいたらぜひともお教え願いたい。
そんなこんなで、ラヴェル(Maurice Ravel 1875-1937 フランス)のピアノ小曲「ハイドンの名によるメヌエット(Menuet sur le nom d'Haydn)」(1909)。
ハイドンの没後100年となる1909年に、パリの音楽雑誌“レヴュー・ミュジカル」が6人の作曲家に依頼したピアノ曲の1つ。
ラヴェル以外に依頼されたのは、ドビュッシー、デュカス、アーン、ダンディ、ヴィドール。
作曲に当たっては条件があり、それはHAYDNの5つの文字に対応する音列の動機を用いること。音名はCDEFGAB(H)だが、それをもとにアルファベット全文字の対応表を作り、音列が作られた。その出来上がった音列はBADDGである(このあたりの規則はウィキペディアに書かれている)。
私が持っているCDはアースの演奏によるもの。
1968録音。エラート。
ということで、あの宿根草の名を誰か私に教えておくれ。
じゃないと、ハイドンって呼んじゃうことになりそうだ(花も、ポチと呼ばれるよりは喜んでくれるだろうし)。
プロフィール
MUUSAN
クラシック音楽、バラ、そして60歳代の平凡ながらもちょっぴり刺激的な日々について、「読後充実度 84ppm のお話」と「新・読後充実度 84ppm のお話」の2つのサイトで北海道江別市から発信している日記的ブログ。どの記事も内容の薄さと乏しさという点ではひそかに自信あり。
新館入口(2014.6.22~)
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© 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
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