カフカの「訴訟」。
物語は、
銀行員ヨーゼフ・Kは、ある朝、とつぜん逮捕される。なぜなのか?判事にも弁護士からもまったく説明されず、わけのわからないまま審理がおこなわれ、窮地に追い込まれていく……。
である。
なになに?
こういう話、どこかで読んだことがある?
それも最近、しかもこのブログで?
そーなのです。
これはカフカの「審判」のことであり、新潮文庫を読みなおしたことを取り上げた。
読みやすいとはいえない小説である。
そこで、“「草稿」に忠実な、最新の〈史的批判版〉をもとに、カフカをカフカのまま届けるラディカルな新訳!”という、丘沢静也訳による光文社古典新訳文庫を買ってみたのである。
訳者はあとがきで次のように書いている。
クラシック音楽のピリオド奏法は、自分が慣れ親しんできた流儀を押し通すのではなく、相手の流儀をまず尊重する。演奏家の「私」ではなく、作曲家の「私」を優先させる。芸術や文学ではオリジナルを尊重することが、ほとんど常識になってきている。
また、同じく訳者による解説では、
『訴訟』は、これまで『審判』というタイトルで邦訳されてきた。深刻な響きのある『審判』のほうが、りっぱな古典にふさわしいと思われてきたからだろうか。
……おどろおどろしく深刻な『審判』は卒業したい。古典新訳文庫は、Der Processの意味を捻じ曲げずに、すっきり『訴訟』というタイトルにした。なにしろ底本も、いちばんカフカに忠実であろうとしている史的批判版なんだし。
と述べている。
『訴訟」はカフカの未完の小説の草稿なわけで、さらに(「変身」のときもそうだったが)ピリオド奏法のことも持ち出されたからには、今日はブリュッヘン/18世紀オーケストラのピリオド演奏による、シューベルト(Franz Schubert 1797-1828 オーストリア)の交響曲第7番ロ短調D.759「未完成(Die Unvollendete)」(1822)を取り上げなければなるまい。
にしてもこの曲、旧番号は第8番だったのだが、私にはいまだに第8番のほうがしっくりする。
この曲はシューベルトの死によって絶筆になったわけではない。その点は、こちらもお読みになっていただければと思う。
で、この演奏だが、ピリオドだからといってそれほど違和感はない。そんなにカサカサしていない。
が、例えば第1楽章などでおどろおどろしさを求める人には、「訴訟」同様、向いてないだろう。
1993録音。ライヴ。フィリップス。
さて、新訳によって「訴訟」となった「審判」だが、語り口は平易になったが、だからといってすっごくわかりやすくなったかといえば、そうとも言えない。というのも、もともとが難解な展開だから。
そしてまた、会話の部分では、その言葉遣いが気にかかる人もいるだろう。ちょっと品がなさすぎでは?と。
コメント一覧 (4)
-
- 2013/08/08 05:38
- > プチポワンさん
> 「審判」が「訴訟」になったからと言って、簡単に理解出来る様なサービス満点に変身した訳では無いのですね。
↑
うまい!
> まるで夢の中の出来事の様に、突然理不尽な事がさも常識の如く自分を無視してどんどん進んで行く…カフカの小説ってそんな感じです。
↑
まさにそうですね。
-
- 2013/08/07 19:50
- 私はドイツ語はよく分からないので、なぜDer Process=The Trialになったのかは分からないのですが、Trialは「裁判」ですよね。だから英文を読んでる限りは「裁判」だと思って読んでました。
ProcessでWikiDeutscheで検索すると、Nürnberger Prozesseが出てくるんですが、これは日本語になると「ニュルンベルグ裁判」ですしね。
-
- 2013/08/07 08:26
- MUUSAN さま、おはようございます。
「審判」が「訴訟」になったからと言って、簡単に理解出来る様なサービス満点に変身した訳では無いのですね。
昔、本で分からなかったので映画なら…と思って鑑賞しましたが、全く太刀打ち出来ませんでした。
まるで夢の中の出来事の様に、突然理不尽な事がさも常識の如く自分を無視してどんどん進んで行く…カフカの小説ってそんな感じです。
もう一度読もう〜かな〜?…って夏バテしそうー!(@_@)
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© 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
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私もよくわからないですが、訳者のあとがきにあれこれ書かれていました。でも「審判」がしみついてます、私には。