cf2d751f.jpg  乾くるみの「クラリネット症候群」(徳間文庫)。
 文庫のための書き下ろし作品で、カップリングは文庫既刊の「マリオネット症候群」。

 ドレミ…の音が聞こえない?巨乳で童顔、憧れの先輩であるエリちゃんの前でクラリネットが壊れた直後から、僕の耳はおかしくなった。しかも怪事件に巻き込まれ…。僕とエリちゃんの恋、そして事件の行方は?

 カバー裏表紙にはこのように書かれている。

 クラリネット症候群なるものの発想はおもしろいが、ストーリーはドタバタ喜劇みたいな感じ。そしてまた、巨乳で童顔のエリちゃんっていうのが、実はとんでもないやつで……

 この紹介文の最後には“恋愛変格ミステリ”と書かれているが、“恋愛変格ミステリ”って何さ?

 なお、主人公がクラリネット症候群なる奇妙な病状を呈するため、ちょいと読みにくい箇所があるのは覚悟したほうがいい。

a45186d1.jpg  肝心の病状についてだが、それはフランス童謡の「クラリネットをこわしちゃった」の歌詞と繋がるものがある、とだけ書いておこう。

 ぼくの大好きな クラリネット
 パパからもらった クラリネット
 とっても大事に してたのに
 こわれて出ない 音がある
 どうしよう どうしよう
 オ パキャマラド
 パキャマラド パオパオ
 パンパンパン
 オ パキャマラド
 パキャマラド パオパオパ

 「オ パキャラマド」っていうのは、みんなで足並みを揃えてっていうような意味らしいが、クラリネットを壊しておいて、なんで足並みを、それもみんなしてそろえるのか私にはわからない。
 お手並み拝見ってところだ。←なんのこと? 

 ドビュッシー(Claude Debussy 1862-1918 フランス)の「クラリネットと管弦楽のための第1狂詩曲(Premiere rhapsodie pour orchestre avec clarinette principale)」(1909-10)。

 1909年にドビュッシーがパリ音楽院の高等評議会のメンバーとなり、管楽器の卒業試験の審査員を務めることになった際、委嘱されてその試験の課題曲として書かれた作品である。
 当初はクラリネットとピアノのために書かれたが、1910年にドビュッシー自身によって管弦楽編曲版が作られた。

 第1狂詩曲というくらいだから第2もありそうなものだが、第2はない。
 ドビュッシーがどういう意図で第1とつけたのかは不明である。

 「私の書いた作品のなかでも最も愛すべきもの」とドビュッシー自身が述べたというこの作品は、「夢見るようにゆっくりと」と指示されており、あまり広く聴かれているとは言いがたいが、小品ながらドビュッシーらしさが凝縮されている名曲である。

 メイエのクラリネット、準・メルクル指揮フランス国立リヨン管弦楽団の演奏を。
 2010録音。ナクソス。 

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