f687003f.jpg  一流ホテルのレストランなどで、消費者を騙していた事実が次々と明るみになっている。
 札幌でも、グランドホテルやパークホテルという高級老舗ホテルをはじめ、多くのホテルが「この嘘つき野郎!」だったことがわかってきている。

 温泉の高級旅館でもそうだ。が、温泉の食事ってたいした美味くないもんな。TVコマーシャルではすっごい料理が用意されてるように映っているけど。こちらの方は、だから私は「やっぱりかぁ~」と思ってしまう。

 偽装ではない誤認だと言っているが、いずれにしろ偽物で高い値段を取っていたことは確か。いや、偽装でないと言うこと自体が、偽りに感じる。

 特に牛脂注入肉、つまりは赤身の肉に脂を網の目のように注入した加工肉をステーキとして出していたなんて、それに気づかなかったとしたら、調理人はもちろん、厨房にいるほかの人間も、サーヴする人間も、みんな飲食業に携わる資格なしだ。
 いや、どう考えても気づかなかったなんて信じられない。

 これが500円くらいのスーパーやコンビニの弁当なら、「そうだよな。この値段でステーキなんてありっこないもんな」と、納得で笑顔、となるかどうかはともかく、消費者はさして目くじらをたてないだろう。
 それが高い値段を取ってる上に、アレルギーも絡んでくるとなると、もう悪質。

 「ここのフレッシュジュースは美味しいざぁます」と賞賛していたマダムは、それが解凍ものだと知って復讐の炎に包まれてるに違いないし、産地偽装では代わりに使われていた国内の別の産地のものがまるで悪いもののように見られて、これまた気の毒だ。

 そこで今日は中条きよしの「うそ」、じゃなくて、コダーイ(Kodaly Zoltan 1862-1967 ハンガリー)の歌劇「ハーリ・ヤーノシュ(Hary Janos)」Op.15(1925-26/改訂1952)。
 プロローグとエピローグをもつ4幕から成るジングシュピール(喜歌劇)。初演は1926年。

 ハーリ・ヤーノシュというのは、ハンガリーの詩人ガライ・ヤーノシュの「兵士の休日」に登場する初老の農民の名。舞台はナポレオン時代のウィーン。

 このジイサン、とんでもないホラ吹きじじいで、ナポレオンと戦って捕虜にしただの、オーストリア皇帝の娘マリー・ルイーズに誘惑されたが断っただの、7つの頭を持つ竜を退治しただの、ありえないような冒険話を語るのだ。
 パウリーニ・Bとハルシャニー・Zがこの物語から台本を作った。

 また、コダーイはここから6曲を選んで管弦楽組曲を作っており(Op.35a)、こんにち広く親しまれているこの組曲はコダーイの代表作となっている。

 が、今日は世間を騒がせているホラがあまりにも悪質なので、組曲にとどまらず全曲のディスクをご紹介(まったく意味不明だな)。

 「青ひげ公の城」と一緒に収められているケルテス/ロンドン交響楽団の演奏を。
 独唱は、コムローシ(A),コズマ(T),セーニ(Ms),パローツ(Br)。語りはコスティノフ。そしてエジンバラ祝祭合唱団とワンズワース・スクール少年合唱団。

 組曲で拾われなかった民俗色豊かなメロディーも聴けて、そりゃ長いけど、たまには全曲版も楽しい。
 ケルテスの表現はとてもユーモアに満ちた感じで、演奏者たちが楽しんで演じているかのよう。東洋的なメロディーはよりエキゾチックに聴こえるし、ツィンバロンの響きの効果も際立っている。

 1964&'68録音。デッカ。

 今日は午後から札幌に向かう。
 明日、会議があるのだ。
 今回はダイヤ改正で不便になったと話題豊富なJRを利用する。
 果たして隣の席はうまっているか?
 それよりなにより、すごい低気圧が来ている。ちゃんと動くのか?