361e45ce.jpg  12月の予定も、望んでもいないのにどんどん埋まっていき、さらに年明けのスケジュールも入ってきている。

 いつ手帳を来年のものに切り替えるか……。
 この時期、毎年悩んでしまう。

 私が愛用している手帳“サジェス”の2014年版では、週間ダイアリーの部分が2013年12月2日から始まっている。
 当然、すでに12月2日以降の予定は新手帳に記入しているが、同時に今年の手帳にも書き入れている。というのも、サラリーマンにとっては常に将来を見据えていればいいというわけにはいかないからだ。
 「あの日はなにがあったっけ?」と過去を振り返る必要性に迫られることもある。

 だから、「はい、12月2日からは新手帳。古いのはおさらばね」ってことにはならない。少なくとも年内は新旧2冊を持ち歩いた方が、不便だが便利に違いない。

 このようにしていると、たとえば突然「古い話で恐縮だが、8月8日の昼は何を食べたっけ?」と上司に尋ねられても、「その日はインデアンに行きカレーを食べました」と、私は即答できるわけだ。実にすばらしい心構えだと自分では思うが、そのような質問をこれまでも一度もされていないことは、実に残念である。

 来年は、前にも書いたように、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-88)の生誕300年にあたる。
 彼の「4つのシンフォニア」Wq.183について、私はこれまでもしつこく賞賛してきた。この作品が出版されたのは1780年のことである。

 同じころ、モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)はどんなシンフォニーを書いていたのか?
 24歳・年男のモーツアルトが1780年に書いたシンフォニーは交響曲第34番ハ長調K.338である。

 これの次の交響曲、つまり第35番(1782)は「ハフナー」と呼ばれる傑作である。
 これの前の交響曲、つまり第33番(1779)はそうそう聴かれる曲ではないが、第1楽章で“ジュピター動機”が現われるのがチャーム・ポイント。

 ではこの2曲に中間の第34番はというと、はっきり言って地味である。マイナーである。34というナンバリングが重荷になっていないかと気の毒に思う。老いたとはいえ(逆に熟練してたわけだが)、そして前時代的になっていたとはいえ、C.P.E.バッハのシンフォニア(=交響曲(の前駆体))の方が、はるかに激しい。

 第34番はモーツァルトがザルツブルクの宮廷音楽家として活躍していた時代に最後に書いた交響曲。3つの楽章から成る。

 音楽学者のA.アインシュタインは、のちにメヌエットK.409がこの曲に追加され4楽章になったと推察した。ベーム/ベルリン・フィルによる録音(1966)はこの説に基づいて4楽章厚構成の交響曲として演奏しているが、現在ではアインシュタインの説は否定されている。

 コープマン指揮アムステルダム・バロック管弦楽団による演奏を。
 1991年ライヴ。エラート。

 なお、第33番の方は1782年頃に第3楽章としてメヌエットが加えられて、現在では4楽章からなる交響曲として演奏されている。

 2014年に生誕300年を迎える(つまり1714生まれ)作曲家は、ほかにグルックがいる。
 また生誕200年の作曲家にはヘンゼルトが、生誕100年には早坂文雄、伊福部昭、小山清茂がいる。
 生誕150年となると、R.シュトラウスやタイケがいる。タイケは、まっ、いいか。

 一方、没後150年の作曲家はフォスターやマイアベーア。没後100年はリャードフ。そして没後250年にはラモーがいる。

 ところで、先日BOOK OFFに行ってみた。
 私が持っているベーム/ベルリン・フィルによる34番(1966録音)が入っているCDはエコー・インダストリーというところから出ていたリプリント盤である。
 エコー・インダストリーなどから出ていたこういうCDは定価は2000円と表示されてはいるが、実際には1000円で売られていた。ショッピングセンターの中に入っている小さなCDショップや本屋、さらにはドラックストアに並んでいて、きちんとしたCDショップにはなかったと思う。

 そのリプリント盤のシリーズの中古CDがそのBOOK OFFの店で売られていたが、なんと価格は950円!
 実売価格1000円のものが950円である。
 高い!

 きっと表示されている定価(?)だけを鵜呑みにしてこういう値段をつけたんだろうな。
 中古CDショップなら500円ぐらいで売られているはずだろうに……