002e61ee.jpg  このあいだの日曜日、Homacに買い物に行った。

 「あっ、そう……」ってもんですよね?あなたにとっては。

 でも聞いてください。何を買ったのかと。

 まず、冬用ワイパー。
 雪があまり降らない、例えば東京やハワイに住んでいる人にはわからないかもしれないが、積雪厳寒地帯ではタイヤと同じようにワイパーも交換する。強いグリップ力を持つワイパー、ではなく、ゴムが柔らかいワイパーだ。
 そうじゃないとゴム自体が寒さで硬くなって凍てついたフロントガラスをうまく拭き取れないし、雪が降っているときでも夏用ワイパーではうまくよけられないのだ。
 この冬用ワイパーってのがけっこう高くて、私の車の場合運転席側と助手席側の2本で5000円である。だからリアウィンド用のものまで買うお金がなく、そこは常夏状態のままだ。

 ウインドウォッシャー液。
 ふつうの青い色をしたものではなく、ガラコを買った。撥水効果のあるやつだ。
 フロントガラスの水滴が、まさにシズクとなって飛び去って行くのは快感だ。
 問題は、いま普通のウォッシャー液が入っているウォッシャータンクをいかに空にし、いったん水ですすぎ、そのあと晴れてガラコを入れるかということだ。
 ずっとウォッシャー液を出し続けてもモーターは焼けないのだろうか?

 殺鼠剤。
 つまりネズミ殺しの薬である。
 殺すつもりは私にはない。「うわっ、毒だ!」とネズミが近寄らなければそれでいいのだ。
 でも、買ったのは殺鼠剤である。
 これを庭に置かねばならない。前回、冬の間にバラや桜の根元の樹皮がきれいに噛み剥がされていたからだ。現場を目撃したわけではないが、きっとネズミのせいに違いない。
 こういうことをするのはエゾヤチネズミだそうだ。
 が、購入した殺鼠剤のパッケージに書かれている殺戮対象にはイエネズミやドブネズミはあっても、エゾヤチネズミはない。エゾヤチネズミは草食性であるから、見向きもしないかもしれない。そう考えると心が落ち着かない。

 そんなわけで、冬に向けた買い物をしたわけだ。

 実は今日自宅に戻る。今回はプライベートな用件だ。
 本日利用するのは都市間高速バスである。
 明日は無駄骨に終わるかも知れぬ殺鼠剤を仕掛けることにする。
 そしてまた、同じく無駄骨かもしれないが、“怒帝王”を植え付けることとする。そう、ひっくり返ったヒトデみたいに写っていたやつだ。

 あの怒帝王が腐った鉢は、実はアロエ・ディコトマのものだ。ディコトマの土の上に仮置きしていて、やっぱり腐ったのだった。今回は別な小さな鉢に植えてみようと思うが、もしこれで復活したら、ディコトマに毒素を放たれていたかもしれないと疑う余地はある。

 そのディコトマは、現在のところ元気。
 現地ではけっこうな巨木になるらしい。にしても、この青緑っぽい葉がなんとも素敵だ。

d4a96848.jpg  それはそうと、水曜日の記事で日の出前の真っ暗な街路でにGM4を聴いたと書いた。
 その演奏は第2番でけなしてしまったクレーの指揮のものだった。

 ベルンハルト・クレー指揮ベルリン放送交響楽団、マティスのアルト独唱によるマーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)の交響曲第4番ト長調(1892,99-1901/改訂1901-10)。
 1984年のライヴ録音である。

 この演奏は第1番より良いと思うし、第2番よりははるかに良いのは間違いない。

 ひと昔前のこの曲対する演奏アプローチだと思うが、それでも毒っ気をそこそこ放っていて、曲の本質を突いている。
 聴いて損した気分にはならない。うん、悪くない。むしろ、お薦めかも。

 私が不満だったのは第2楽章。コンサートマスターの弾く独奏で、私が勝手に“悪魔のかしわ手”と称している強いピッツィカートが目立たないのが残念である。

 この交響曲の、平穏のようでいて実はそうではない世界。そこもクレーは伝えてくれる。

 Altus。

 わが庭だって、平和そうに見えて、実は心ない人によって毒が置かれているのだ。
 エゾヤチネズミにもぜひそこんとこを勘づいていただきたい。