cf562dde.jpg 世の中の大勢は3連休だろう。

 でも私は違う。
 日曜日、つまり連休の中日、すなわち連休のど真ん中に仕事がある。
 連休だからといって何かしたいことがあるわけではないが、正直なところどう考えても前向きな明るい気分にはなれない。
 この気持ち、わかっていただけます?

 「なに甘えたこと言ってるんだ!デパートやスーパー、宅配便は今が書き入れ時だぞ」と私を非難する人がいるかもしれない(しかも少なからず)。
 でも、わたしゃデパートの社長でも、スーパーに設けられた年賀はがき臨時販売コーナーの責任者でも、宅配便の季節バイトでもないもんね。

 そんな寸断連休の暗い気持ちに拍車をかけるために、ショスタコーヴィチ(Dmitry Shostakovich )の交響曲第8番ハ短調Op.65(1943)。
 ゲルギエフ/マリンスキー劇場管弦楽団による演奏で。

 1994録音のいわゆる旧盤の方。
 ゲルギエフの評価がうなぎのぼりingのときと時期が重なる。

 交響曲第8番はショスタコの15の交響曲の中でも最高傑作と私が認定しているもの。第7番はちょいと作曲者のパフォーマンス的なくささを感じるが、同じ戦争交響曲シリーズでも第8番は沈思的である。
 そしてゲルギエフの演奏も、私には第8番の方が第7番よりもしっくりくる。

 「もっと力を!」と欲深く思っちゃう部分もなくはないし、情感の深さももう一歩。しかし攻撃性と内面性の両面であまり感情的になるのを好まない人にはバッチリだろう。
 大満足とはいかないが完成度が高い演奏であることは間違いない。
 
 ところで、この遠近両用対応擬似3D風ズームアップ機能搭載飛び出す絵本のようなCDジャケット。いかついながらも妙にこざっぱりしているところが、人としてのリアルさがない。肌、よさそう。毛深くなさそう。髪、硬そう。

 第7番のときに「あなたどなた?」とこの還暦衣装の人のことを書いたが、調べてみたところこの絵は1941年に作られたプロパガンダ・ポスター「祖国は呼んでいる!(Motherland is calling!)」(の複製)なんだそう。

 社会主義祖国と全人類を守るために、ソヴィエトの国民はファシズムとの戦争に突入した!、ってなことが書かれているらしい。だから、誠実そうでこざっぱりとしているが筋肉質で赤い服を着ているってわけか。ギリシャ神話ごっこしてるわけじゃなかったのね。
 でも、やっぱり文のタイトルのボカシが気になるな……

 3日間ともお仕事の方、頑張ってください。