79dccde0.jpg  土曜日は11時ころに家を出発した。

 というのも、午前中は札幌など石狩地方の天気が悪く、午後は道東方面が悪くなるという予報だったからだ。

 つまり、私が道東を出発するときはこちらの天気は良くて札幌は悪く、私が到着するころには札幌は好天になっているが出発地は暗黒の空になっているという計算だ。

 途中で悪天と鉢合わせする可能性はあるが、そのときはきっとトンネルの中さっていう楽天的発想である。

 そして私の計算通り、というよりも気象予報士の予言どおり、高速道路での走行にはほとんど問題がなかった(凍結している箇所はわずかで、路面が出ていた)。

 問題は高速道路を下りたあと。
 物理的なことだけでなく、経済的な事情も相まって、私は夕張インターで下りたのだが、そこから長沼町までが、吹雪とまではいかないが視界がかなり悪くなる意地悪な雪。道路は圧雪アイスバーン。

 長沼に入ったとき、時刻は13:15。
 「よし!ジンギスカンにしよう」と、天候や路面には直接関係ないが、昼ご飯はジンギスカンにすることと決意した。

 長沼はジンギスカンが有名だ。
 カネヒロ・ジンギスカン、タンネトウ・ジンギスカンなどなど。
 今回立ち寄ったのは国道274号線沿いの「レストラン・カネヒロ」。
 その名の通り、カネヒロ・ジンギスカンを食べさせてくれるところだ。
 カレーライスやラーメンというメニューに浮気しそうになったが、ラム・ジンギスカン定食(1人前1,000円)を頼む。

 ご存知のように(たぶん)、私は羊の肉が苦手である。臭いがだめである。
 その苦手な羊の料理の中で、私が食べることができる、いや、むしろ年に数回無性に食べたくなるのがジンギスカンだ。それも、カネヒロやタンネトウ、松尾ジンギスカン(マツジン)のようなタレに漬け込んだものである。

 ジンギスカンといえばビールがつきものだが、今回は運転しているわけで当然無理。だが、ビールに勝るとも劣らないほどジンギスカンに相性がいいのは、実はご飯だ。
 たくさんご飯も食べた(だって盛りがいいんですもん)。たっぷりの野菜にみそ汁もついて1000円は安い。東京で1000円といったら、天ぷらそばも食べられないだろう。

 食べ終えて、おじさんくさく爪楊枝をシーハーしていたら、なんとお天道様が顔を出した。
 ほぅれ!こちらはこれから天気がよくなる運命にあるのだ。

 再び自宅に向け車を走らせる。
 と、また急に雲は厚くなり、雪が……
 やれやれ。
 自宅に着くと、淡い期待むなしく、たっぷり雪が積もっていた。

 どうしようか?ちゃんと雪かきしようか?
 それとも明日にしちゃおうか?

 そう悩んでいるうちに眠くなり、昼寝というか夕寝を小一時間ほどしちゃったら外は真っ暗、あらもう夜。冬は暗くなるのが早くていやになる。冬至後は着実に日が長くなっているはずなのだが……

 悔しいからベルリオーズ(Hector Berlioz 1803-69 フランス)の歌曲集「夏の夜(Les nuits d'ete)」Op.7。

 この作品は、T.ゴーティエの詞による6曲からなるもので、各曲は以下のとおりである。

 1. ヴィラネル(Villanelle)
 2. ばらの精(Le Spectre de la rose)
 3. 入り江のほとり(Sur les lagunes)
 4. 君なくて(Absence)
 5. 墓地にて(Au cimetiere)
 6. 知られざる島(L'ile inconnue)

 以前、ミントンとバロウズの独唱によるブーレーズ盤を取り上げたが、今日はフォン・オッターのメゾ・ソプラノ、ミンコフスキー指揮レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブル(ルーヴル宮音楽隊)による演奏を。
 このオーケストラの演奏は「幻想交響曲」やメユールの交響曲で取り上げているが、ピリオド演奏のオケだ。
 最初の1音から「おっ!」と引き付けられるが、オケは全体を通じて感情抑制型。出しゃばらずに独唱を支えている(これはピリオドってこととは関係ないだろうけど)。独唱も深遠な感じの歌いっぷりで、じっくりとこの曲を味わわせてくれる。

 2011録音。naive。

 そして、昨日の日曜日。
 体がぼろぼろになった。
 その報告は、大晦日に。