初めてラ・プティット・バンドの演奏を聴いたとき、私は腰が抜けるほど驚いた。
っていうのはオーバーだけど、わずかながらも腰が痛い本日の私である。
古楽演奏(ピリオド演奏)というものをまだあまり聴いたことがなかった(もしかするとそれまで聴いたことがなかったかも)ので、切れの良さと躍動感に驚かされたのだ。曲はヴィヴァルディの「四季」だったが、その何か月後にFM放送で流れたC.P.E.バッハのWq.182-6の演奏は、とにかくびっくら仰天ものだった。っていうのもオーバーか……
ラ・プティット・バンドは1972年に設立された古楽器オーケストラ。
レオンハルトとシギスヴァルト・クイケンが設立者で、名前はその昔リュリが活動したオーケストラが由来。
近ごろレオンハルトを集中的に聴いているので、キャンペーンのようにレオンハルトを取り上げていることを、詫びることではないが、許していただきたい。
上に書いた、私がこのオーケストラの演奏を初めて耳にしたのは1980年のことだから、設立してから8年も経っていたってわけで、昔から時代に遅れているのね、ボク。
今日は今の私の体の節々の痛みをごまかすために、とびっきりすばらしい彼らによるバッハ(Johann Sebastian Bach 1685-1750 ドイツ)の「ブランデンブルク協奏曲(Brandenburgische Konzerte)」(1721献呈)を。
録音されたのは1994年。このオーケストラが設立から20余年を経て「ブランデンブルク」初録音というもの。
とにかく難癖のつけようがない演奏。録音も優れている。
聴いていて痛みが和らぐ、幸せ宅配便のような演奏だ。古楽とはいえ、変にガチャガチャさせたり、ちょいと変わったことやってみようかといった、悪趣味な冒険はしていない。
こういう斬新だが正統派の、最高級仕上げの演奏を聴くと、カザルスのものがいかに異質であるかということをあらためて思い知らされる。
珍しいのは第2番でバロック・トランペットを用いずにホルンを起用していること。
というのも、バッハ当時の奏法と(複製した)楽器を理想的に演奏できる奏者がいなかったためだという。
このホルン、当然のごとく違和感はあるが、トランペットにかき消されがちなパートが良く聴こえてくるという恩恵もある。
1993-94録音。ドイツ・ハルモニア・ムンディ。
ちなみに、発売元も自信をもってこう書いている。
レオンハルトとS.クイケンが1972年に結成したピリオド楽器によるオーケストラのパイオニア、ラ・プティット・バンドが20年以上の演奏活動の中で培ってきた奏法と解釈によって、初めて録音した「ブランデンブルク協奏曲」の名盤です。バルトルド、シギスヴァルト、ヴィーラントのクイケン3兄弟、寺神戸亮、鈴木秀美ら、各々の楽器のトップ・アーティストたちが現代のスタンダードたる名演を繰り広げています。「第2番」ではトランペットではなくナチュラル・ホルンを使用しての演奏。
CDジャケットに描かれているのは、ブランデンブルク門。
何年か前にベルリンに行ったときに見たのと同じだ。
描いた人、絵が上手ね。
昨日も都市間高速バスを利用して戻ってきたが、車内で読んだのは宮部みゆきの「ペテロの葬列」。
主人公たちが乗っていたバスがバスジャックに遭い、そして無事救出されたところまで読み進んだが、まさかバスに乗りながらバスジャックの話を読んでるなど、ドライバーもほかの乗客も気づかなかったろう。当たり前だが……
新館入口(2014.6.22~)
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