ff55e128.jpg  どうやら変な夢をみた。

 内容はほとんど覚えていない。
 覚えているのは、どこかの店にいて、冷凍ストッカーがあって、その横でおじさんが「残りあと一杯だよ!」と叫んでいる。
 中を見ると、タラバガニが一杯だけ入っている。
 「598円でいいよ!」
 そう言われ、私は小銭れを開けて500円玉と100円玉1枚で600円を払う。
 おじさんは2円お釣りをくれた。と思ったが、それは和同開珎2枚だった。
 文句をつけようとしたら、もう私は自宅にいて(といってもまったく見たことのない家だ)、裸のまま手に持っているカニを見ると、それはとっても小さなズワイガニになっている。
 騙された!

 覚えているのはそれだけで、ただただ、困惑した重い気分だけが目覚めたときに残っていた。

 そのいやぁ~な気分を引きずるわけじゃないが、ショスタコーヴィチ(Dmitry Shosyakovich 1906-75 ソヴィエト)の交響曲第13番変ロ短調Op.113「バビ・ヤール(Babi Yar)」(1962)。

 この曲については何度か取り上げているが、本日は知る人ぞ知る名演、プレヴィン指揮ロンドン交響楽団、同合唱団、ペトコフ(Bs)のものを。

 プレヴィンというと、老いても若い姉ちゃんと結婚したりして、ちょいと嫌な男ってイメージがあるが(私個人の見解です)、彼が指揮する演奏はなかなかちゃんとしたものが実に多い。
 
 この「バビ・ヤール」も、実に感動的。
 どっちかというと“バービー人形”好きっていう彼のイメージ(どんなイメージじゃい?)とは違って、相当シビアに曲を作り上げている。怒りや不満も激しく爆発する。が、乱れることなく常にピシッと決まってる。

 うん、すばらしい演奏ではないか!
 実際、いくつかのサイトでレヴューを読むと、なかなか評判が良い。
 なぜ、この演奏がもっと話題にならなかったのかと嘆き悲しむ声もあるほど。

 しかしこの演奏、聴いた後、私の心に余韻が残らない。
 「よくできた演奏だったなぁ」で終わってしまう。
 ジャケットの絵のような人間の苦悩がずっしりと伝わって来ない。

 きっと、最後の最後、鐘の1打があまりにも弱いせいだ。
 スコアでの指示は確かにppだけど、はかなく終わるというよりも中途半端な感じがする。
 私にとっては、この鐘の扱いがせっかくの名演を台無しにしているように感じちゃうのであった。

 1979録音。EMI × Tower Records/Excellent Collection。

 今日は急きょ函館まで出張に行ってくる。