bd28859a.jpg  さて、日にちが空いたが西班牙紀行も最終日(も何もないもんだ)。

 計画も予告もしてなかったし、シリーズ化も考えていなかったが、まぁ、なんとなく最終日。

 グリンカリムスキー=コルサコフとくれば、次はどのロシア人かなって思うでしょうが、ここはそんなことを言ってる場合じゃなくて、有名なラヴェル(Maurice Ravel 1875-1937 フランス)の「スペイン狂詩曲(Rapsodie espagnole)」(1907-08)。

 ラヴェルにとって、習作と位置づけられる「シェエラザード」を別にすれば、最初の管弦楽曲となるもの。また、1908年に2台のピアノのための編曲版が作られた。

 ラヴェルの父親はスイス人、母親はスペイン出身。その母親が歌うスペイン民謡を子供のころに耳にして育ち、これに影響を受けた。
 そんなわけで、ファリャが言うには、ラヴェルは「スペイン人よりもずっとスペイン的」なんだそうだ。

 曲は「夜への前奏曲」「マラゲーニャ」「ハバネラ」「祭り」の4つからなり、第2曲と第4曲にも第1曲の序奏主題が現われる。 

4c2dd872.jpg  この曲を取り上げるにあたって(どうやら私、「スペイン狂詩曲」についてはこれまで書いてなかったよう)、クリュイタンスやマルティノンの名演、ちょいと変態チックなマゼール(赤いドレスがまばゆい。牛が目にしたらたいへんなことになりそう)なんかを持ち出そうとしたが、急に気が変わってシルヴェストリ指揮ウィーン・フィルのものを。

 たとえば、冒頭。
 クリュイタンスのはとっても官能的だが、シルヴェストリになると妖艶って感じだ。
 またクリュイタンスのは冷めたところがあるが(それがラヴェルの求めるところかもしれないが)、シルヴェストリはラテン系的な、どこか“陽気なかしまし娘”っていうノリを感じる。

 1959録音。EMI。

  昨日は当地も珍しく1日中雪が降り、積もった。
 札幌に比べれば全然たいしたことがないが、除雪車が早朝から出動。先ほどまでガーガーと音がしていた。にしても、なんでこんなにすごい音がするのってくらいやかましいのはどうしてなんだろう。