オリンピックが始まった。
とはいえ、私はスポーツというものにほとんど-この“ほとんど”はほとんど“まったく”に近い-関心がない。でも、いつものことながらマスコミは騒ぎすぎはしゃぎすぎのように思うが、日本の選手が活躍するといいなとは私も思っている。
私は生まれてこの方、表彰台に上るなんて機会はまったくなく過ごしてきた。
だから表彰台に上ったときの感動、感激、誇りはわからないが、たぶん恥ずかしがり屋の私は得賞歌が流れる中、自意識過剰の羞恥心によって息がつまりそうになるだろう。
得賞歌。
表彰式で使われる曲だ。
この曲はヘンデル(Georg Friedrich Handel 1685-1759 ドイツ→イギリス)のオラトリオ「ユダス・マカベウス(Judas Maccabaeus)」HWV.63(1746/1747初演)のなかの「見よ、勇者は帰る(See,the conquering hero comes)」である。合唱曲であり詞はT.モレル。
このオラトリオは紀元前2世紀にシリアの支配からユダヤ人が独立する運動を指導したマカバイのユダを扱ったもの。
そして「見よ、勇者は帰る」は、戦に勝って戻ってきた勇者を讃えるもの。そのために世界中で広く表彰式で使われている。
でも、オリンピックなどでは国歌が流れる。
イスラム国家からの反発があるからだそうで、うん、そりゃもっとものことだ。ユダヤの勇者を讃えてるんだから。
で、今日は「見よ、勇者は帰る」そのものではなく、これをこねくり回した作品を。
ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770-1827 ドイツ)の「ヘンデルの『ユダ・マカベウス』の『見よ、勇者は帰る』の主題による12の変奏曲(12 Variationen uber das Thema 'See,the conquering hero comes' aus 'Judas Maccabeaus' von G.F.Handel)」ト長調WoO.45(1796)。
長い曲名だが、作品自体は10数分の長さ。リヒノフスキー侯爵夫人のクリスティアーネに献呈された。
なお、WoO.は“作品番号なしの作品(Werk ohne Opuszahl)”の番号。
チェロとピアノのための作品だが、どちらかというとチェロは脇役でピアノが主役。変奏もシンプル。つまりは、時折ある楽聖ベートーヴェンの「あれっ?」的カテゴリーに入る作。しかし、もとの主題が有名なために忘れ去られずにすんでいる。
そしてまた、ここで紹介するツィパーリングのチェロとヴォデニチャロフのフォルテピアノによる演奏は、作品の脆弱性を補うかのごとくエネルギッシュにクライマックスを築き上げる。
ツィパーリングはバロック・チェロとヴィオラ・ダ・ガンバ奏者。フォルテピアノの余韻の乏しさと相まって、変にたっぷりと歌い上げてないところがいい。
2011録音。ACCENT。
新館入口(2014.6.22~)
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