今日は伊福部昭(Ifukube,Akira 1914-2006 北海道)の命日である。
2006年2月8日(水曜日)22時23分、氏は亡くなった。
翌朝のTVニュースでその訃報を知った。
転勤で東京に引っ越したばかりの私は、まだ慣れない駅までの道を、「あ~ぁ、伊福部が死んじゃった」と惜しむ気持ちいっぱいに歩いた。
途中の小さな公園の生垣の葉が、白く斑点状に粉を吹いていたのが、なぜか鮮明に記憶に残っている。
なんの病気だったのだろう?あの木。
舞踊音楽「日本の太鼓『鹿踊り』」(1951)。
鹿踊りは「ししおどり」と読む。
のちに演奏会用作品として「日本の太鼓『ジャコモコ・ジャンコ』」(1984)となった、その原曲である。
編成はフルート2,オーボエ2,クラリネット2,ファゴット2,ホルン2,トランペット2,トロンボーン2,ピアノ,ティンパニ,大太鼓,小太鼓,シンバル,弦楽5部。
この編成には“日本の太鼓”が含まれていない。踊り手が携えた太鼓を打つからだろう。
一方「ジャコモコ・ジャンコ」の編成はフルート2(うち1つはピッコロ持ち替え),オーボエ2,クラリネット2,ファゴット2,ホルン4,トランペット2,トロンボーン2,バストロンボーン,テューバ,ピアノ,ティンパニ,トムトム,タムタム,大太鼓,櫓太鼓,弦楽5部。
演奏会用作品ということで編成が大きくなっており(そして、大きな編成が用意できる世の中になったということもあるだろう)、編成の中に櫓太鼓が加わっている。
今回初演時の版によるCDが発売された。この形での録音は初。
ふつうならば改訂版の方が良く感じることが多いのだが(それは多分に慣れもある)、この作品ではどちらも捨てがたい。
初版はその編成から改訂版にエネルギーではかなわないが(張り切りすぎって感もある)、これはこれでしっとりとした味わいが心地良い。そしてまた、(たぶん)小太鼓のスティックを打ち鳴らすカチカチという音、あるいは(おそらく)小太鼓の縁を打つパシパシという音がなかなか魅力的かつ効果的。
終わり方にやや唐突な印象があるが、これは江口隆哉が体力がもたないという理由で最後の箇所にカットを施したという、そのせいだろうか?(江口の要望でカットした部分は「ジャコモコ・ジャンコ」では復元したと、伊福部は語っている(木部与巴仁「伊福部昭 音楽家の誕生」))。
広上淳一指揮東京交響楽団の演奏。
2013ライヴ。DENON。
新館入口(2014.6.22~)
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