60b16915.jpg  在庫処分で叩き売られていた“藍ソープ”を全部買い占めた(といっても3個だけど)私だったが、それをこのたび使い切った。

 その成分から、肌は潤い、鈴木その子ほどじゃないにせよ顔は白くなり、シミも薄れ、首の老人性イボも脱落紛失するかと期待していたのに、あっと驚くような効果も、よく観察しなければわからないような微細な変化も現われないまま終わってしまった。

 そこで新たな石鹸を買いに東急ハンズに行ってみた。

 もちろんもはや“藍ソープ”は置いてなかったが、もしあったとしても、買うことはなかったに違いない。
 というのも、私にとって効果がなければあの石鹸にはなんの魅力もないからだ。

 香りが良いわけではない。
 泡は黒ずんでいて心が弾まない。
 石鹸を置いてある台は一晩経つと決まって本体からにじみ出た茶色い液体で汚れている。石鹸成分で汚れるなんて言葉が不適切かもしれないが、でも腐りかけた白菜をこすり付けたようになるのだ。でも、これって有効成分じゃないの?それが流れ出て良くないんじゃない?加えて、製造しているのは愛情一本ならぬ感情一本ともいえるかたくなな女性リーダーの国。それが大きな障害になるわけではないけれど、でも上に書いたような現象も相まって、もう買いたくないわけ。

 帰宅途中のサラリーマンが東急ハンズ(トラック・マーケットだけど)の石鹸たちのまえで、あれこれ品定めしている姿って、どう見えるのだろう?
 ちょっぴり人目を気にしながらようやく決めたのは“金鹿石鹸(キンシカソープ)”というもの。
 柿渋エキスが肌を引き締め、酒粕パウダーが潤いを与えてくれるという。近視には効果はないようだ。泡が目に入ったら痛いだろうし……
 もちろん国産。もっとも製造しているのは酒蔵じゃなくて石鹸メーカーのPelicanだけど。
 さぁ、997円を払っただけの効果はあるか!?

2499e218.jpg  酒粕と言えば、先日日本酒をたらふく飲まされた。
 後半の記憶があまりない。一緒にいたヤマダ課長も私以上に記憶が途切れている。同じく一緒にいた他2名も同様かそれ以上だった。

 相手は酒豪と言われる某取引先の方々。1年半ほど前に私はこのメンバーによって死にかけたのだった。

 今回もすさまじかった。
 それ以外に言いようがない。
 数日前からヘパリーゼ・プラスを服用し、当日の昼はカレーライスを食べて備えた(カレーにはウコンが入っているはずである)のに、大量の飲酒には何の役にもたたなかった。

 1軒目は居酒屋だった。2時間の飲み放題付き。
 乾杯は生ビールだったものの、すぐに熱燗の日本酒に。
 1時間ほどして飲んでいた銘柄が品切れとなるペース。総勢8名だったが、うち1人はまったくアルコールが飲めないので、7名で在庫切れに追い込んだことになる。
 が、ここまではまだ紳士的な状況。

 先方が予約してくれていた2軒目。いわゆるラウンジって感じの店。
 なのに、いきなり一升瓶が。
 それもほどなくして無くなり、店にあった冷酒を。さらには酒屋に追加注文したらしい。
 もうこうなると記憶はほとんどない。いや、2軒目ではどんなグラスで飲んでいたのかも覚えていない。
 やれやれである。

 翌朝、酒粕の入った金鹿石鹸で体をきれいにした私だったが、果たして酒臭さはとれていただろうか?

 シュミット(Florent Schmitt 1870-1958 フランス)の「ディオニュソスの祭(酒神祭。Les Dionysiaques)」Op.62-1(1913)。けっこう有名な吹奏楽曲である。
 シュミットは印象主義音楽の影響から出発したが、そののち近代ロシア音楽に傾倒、最後は調性の限界に至った作曲家。

 まさにあの日の酒宴のような雰囲気。
 この激しさ、二日酔いの身にはこたえる……

 私が持っているのはドンディーヌがパリ警視庁音楽隊を振ったもの。
 1974録音。カリオペ。

 昔ギフトなんかに入っていたホネケーキってまだあんのかな?
 専用ケース入りで、透明で、高級感があったな。
 ふつうの石鹸に比べ特別な効能があったのだろうか?