ebba4133.jpg  私の昼食の話の続きである。

 18日(水)。
 本社から偉い方-A氏としよう-がやって来て、まずは昼食。

 ところがこの日の私はなぜかおなかがピーピー。
 腹部が貧乏なのではなく(むしろ繁栄している)、朝から下りっぱなし。
 あっ、お食事中の方いらっしゃいましたか?だめですよ、食事しながらネットやってちゃ!

 昼食の場所は、市内のそば屋。すっごい有名というわけではないが美味しいと評判(われわれの間では)の店。A氏と同行者2名。こちらは数で勝負ってわけじゃないが5名。合計8名。

 「Aさん、何になさいますか?」
 「そうですね……では五目そばを」

 実は私も密かに五目そばに目をつけていた。偶然にもA氏と私の目の付けどころは一致した。が、何度も繰り返すが(もう箸は置いたかな?)、この日の私はひどい下痢だった。ごぼう天という揚げ物が入っているものを口にするのは、肛門にグリースを塗るのに匹敵する。そこで私は料金的にも一歩引きさがり、かしわそばに宗旨替えしようと考えた。

 「Aさん、五目そばですね?他に五目そばの人は?」
 何人かがだらしない中学生のように手を上げた。その数6人(宣言済みのA氏は挙手せず)。

 んっ?つーことは私以外のすべての民が五目に制圧されたということだ。

 こうなると、私だけがかしわかしわとゴネるわけにはいかない。いや、意思を貫くことは大切だし可能だ。だが、7杯の五目そばが出てきたあとも、しばらーくかしわそばだけが出来上がって来ないなんていう最悪最低絶望的な状況にならないとも限らない。私は肛門に力を入れて民意を尊重することにした。
 でも、そばは美味しかったし、ごぼう天はおなかに悪さをしなかった。
 なお、私とA氏の狙いが最初に一致したことと、ほかの人びとまでもが五目にしたことの理由がわかった。メニューのそこに“当店イチオシ!」と書いてあったのだ。
 
 19日(木)
 前日のお下りモードは治った。前日はあんなにひどかったのに、少しも痩せていないことが腹立たしい。
 この日は本社から別な偉い方-B氏としよう-がやって来た。
 午前中に到着し、そのまま車で1時間ほどの取引先へ。
 まずは昼食ということで、着くや否やそのまま店に案内してくれた。
 店に入るや否や、先方の部長が「日替わり定食!」と宣誓した。

 やがて運ばれてきたのは、厚切りベーコンと温泉玉子、豚肉のすき焼き風という、例えば健康な男性でももし90歳だったなら絶対に食べきれないほどのボリューム。

 とても美味しいベーコンだった。地元産なのだろうか?
 厄介だったのはベーコンの横に落とし盛られた温泉玉子。
 向かいに座った取引先の専務の行動を見ていたが、温泉玉子は手つかず。
 私はベーコンに絡ませながら食べようと崩してしまったが、なかなか絡まず、皿にノターっと広がってしまった温泉玉子をすくい取ることはできなかった。まさか、皿を持って直接口でずずーっとすするわけにはいかない。実に難しい食べ物だった。
 ボリューム満点ながら私は完食。ただし温泉玉子以外は。

 そんなわけで現在の体重は70.4kg。
 まずい……

 阿古屋係長は私よりもずっと食がいい。でもすごくスリムだ。
 若いから代謝が良いせいだろうか?
 うらやましい限りだ。

 その阿古屋係長が新車を買った。
 自転車じゃなく、自動車である。
 先日納車になった。
 
 「ETCは付けたの?」
 「はい。でも、まだカードが届いてないんです」
 「カードが発行されるまで、ちょっと時間がかかるからなぁ」
 「ええ。……、はい、……あっ、カード申し込んでないんです」
 「申し込まないぶんには、きっとずっと届かないね……」
 「そ、そうですよねっ!ずっと届かないですよね。あっはははは!」

 このように阿古屋係長はナチュラルに面白い。ナチュラルテイスト製法で育てられたのだろう。
 そして、ハイドンのコンチェルトのように明るい。

 ハイドン(Franz Joseph Haydn 1732-1809 オーストリア)のピアノ協奏曲ニ長調Op.21,Hob.ⅩⅧ-11(1782以前/'84刊)。

 ピアノ協奏曲とは言っても、実際にはチェンバロまたはフォルテピアノを独奏楽器として書かれた作品。終楽章である第3楽章は“ハンガリー風ロンド”として有名だ。

 この作品については、これまでアックスアルゲリッチの演奏を取り上げているが、今日はキーシンのピアノ独奏による演奏を。
 溌剌さと甘美さのバランスがとても良い。
 スピヴァコフ指揮モスクワ・ヴィルトゥーゾ。
 1988録音。ソニークラシカル。

 このCDには他にショスタコーヴィチ(Dmitry Shostakovich 1906-75 ソヴィエト)のピアノ協奏曲第1番ハ短調Op.35(1988録音。上記メンバーにトランペットのカンが加わる)、シューマンのピアノ協奏曲(ジュリーニ指揮ウィーン・フィル。1992ライヴ)も収められている。

 ショスタコーヴィチの方は、作曲者の若い時期の作品にふさわしい若々しくダイナミックでアクロバット的演奏。すごい演奏だが、迫力というか気迫はアルゲリッチに譲る。
 シューマンも好演だが、ときおり音楽の流れがもたつくというか、どんくささを感じる箇所がある。ピアノじゃなくてオケ側の問題のような感じだが。

 ところで4月1日からETC割引が変わる。
 平日朝夕割引についてはETCマイレージクラブに登録していないと対象にならない。
 ただし、すでにETCマイレージクラブに登録済みの場合は、あらためての登録は不要。つまり自動エントリーってわけである。

 にしても、数年前にはETCをつけりゃ高速無料とか言ってなかったっけ?