36f7dd29.jpg  わが家の古い車、でも愛着がある車のフロントガラスが私の不注意によりひび割れし、交換した事件は記憶に新しい。少なくとも私には。

 そして、純正品だと交換で総額15万ほどかかるが、社外製品だと8万弱で収まることがわかり、水が低いところに流れるように、私はそれを選択したことは報告したとおりだ。

 社外製品といっても、ちゃんと上部は青緑色のスモークが入っているし、下部には融雪用の熱線も入っている。純正品との違いはUVカットできないということだった。

 交換後帰宅してガラスのロゴを見ると“FY”と書いてある。
 ネットで調べると、中国のフヤオという会社の製品だという。
 社外品だよな、確かに。国産とは一言も言ってなかったもんな。
 最近の中国は好きじゃないが、でもこのフヤオのガラス、たいそうレベルが高い製品なんだそうだ。
 ただ私が疑問に思うのは“UV”とも書いてある。
 これって紫外線防止処理が(程度の問題はあるが)なされてるってことじゃないのかなぁ。
 でも、修理工場の人はそんなこと間違えないだろうし……

 で、ガラスといえば透明。
 ゆえに、透明感のある演奏を。

 マゼール/フィルハーモニア管弦楽団によるマーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)の交響曲第4番ト長調(1892,1899-1901/改訂1901-10)。

 透明感があり、伸びやかで健康的な演奏。それでいてところどころ毒がさりげなく顔を出しては引っ込む。

 “本当は怖いグリム童話”じゃないが、第4番は表面上のメルヘンチックな姿とは裏腹に毒気がある。だが、マゼールはマーラーの意図をわざと無視するように進める。

 なぜか私はこの曲を聴くと遊園地のメリーゴーランドを連想してしまう。
 そして、例えばテンシュテットの録音では夜の遊園地の不気味な木馬の姿をイメージさせるのに対し、マゼールのは昼間の楽しい遊園地のようだ。これなら良い子に聴かせても怖がらない。
 メロディーと響きに素直に身をゆだねられる、テンシュテット系アプローチとは反対の形だが、こういうのも悪くない。同じ傾向のシノーポリよりもずっと楽しめる。
 第4楽章のソプラノ独唱はフォックス。

 2011年ライヴ。signum。