土曜日に乗ったJRの中で、なぜ私はイライラしたのか?
そのとき聴いていた音楽のせいだ。
したがって多くの人が思い込み期待したような、車内サービスワゴンのお姉さんに無視されたとかいうトラブルめいたことが原因ではない。
若杉弘が指揮したマーラーの演奏が、私をイライラさせたのだ。
若杉弘/東京都響のマーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)では、このところ第6番、第4番と取り上げてきたがいずれもあまり私のお気に召しにはならなかった。
今回は交響曲第3番ニ短調(1893-96/改訂1902)である。
聴いていてなんでこんなに退屈な感じがするのだろう?オーケストラは巧い演奏をしているのに、なぜ物足りないのだろう? コクのない、食べている途中で飽きてくるラーメンのよう。
常に満たされず、歯がゆくて、散髪中に耳の裏がかゆくなったときのようにイライラが募ってくる。
こうなると、坊主憎けりゃ袈裟まで、じゃないが、CDの帯の「夏の交響曲」ってい表記までもが腹立たしくなってくる。
確かにマーラーはこの曲に標題をつけ何度も変更し、最終的には削除したが、途中段階でも「夏の夜の夢」とか「夏の朝の夢」というプランはあったものの「夏の交響曲」なんてなかったはずだ。それをなぜ、堂々と書くのか納得いかない。と、ほとんど八つ当たり状態。
星一徹に憑依されちゃぶ台をひっくり返したくなる。
しかし、74%オフというセール価格で買えたんだから良しとしようという理性と、JRの特急車内にはちゃぶ台が備えられていないという二重の安全対策によって、ちゃぶ台をひっくり返すことも、奇声を発することもなく収めることができた。
第5楽章の合唱の扱いはなかなかだなとは思ったが、最初から最後まで私にとっては聴いていて心に響いてこない演奏だ。
その合唱は、東京放送合唱団と東京音大合唱団。アルト独唱は伊原直子。
1990年ライヴ。フォンテック。
若杉のマーラー・シリーズは現在このようにセール中なので、第3番、第4番、第6番、第7番、第9番(第10番のアダージョを含む)、大地の歌を購入した。
いっそのこと全部買おうかとも思ったが、第1番、第2番、第5番、第8番はとりあえず様子見することにした。
いままでの経過からして、この判断は正しかった。誰も言ってくれないから自分で言うが、慧眼と言えよう。
もしいっぺんに買ってしまったら、私はちゃぶ台に突っ伏して涙するところだった。
ただし、あまり大きな期待はしてないしすでに聴くのが億劫な気持ちになっているが、買ってしまって手元にある第7番、第9番、大地の歌をまずはお試ししてみなければならない。見かたが180度変わったりするかもしれないし……
コメント一覧 (4)
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- June 13, 2014 15:17
- 追記、
若杉弘指揮の演奏は、お相撲(大相撲)の試合でたとえたら、11勝4敗から12勝3敗の状態でいつも演奏しているような感覚で、ライヴ生演奏を楽しんでいました。
そのような演奏を、CD化するときは熱気が伝わってくることは考えにくいでしょう。
このマーラーチクルスには、マーラー の前座にシュレーカーの作品などが並んでいました。
それもCD化していないと、何でマーラーを演奏するのか、視点が実は、ぼけてしまう企画にもなっていたのです。
GM3は、一曲だけの演奏会でしたが。
当時のこのマーラーの企画と、現在の東京都交響楽団の演奏レヴェルは違います。
25年前の演奏なので、貴重な思い出と貴重な大きいポスター、思い出しました。
ありがとうございました。
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- June 13, 2014 05:15
- > T.Tさん
コメントありがとうございます。なるほど、それはわかる気がします。拍手を聴いても会場の興奮が伝わってきますね。録音となるとそれが失われるのが不思議です。
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- June 12, 2014 08:09
- 若杉弘指揮の演奏は、生で聴くのであって。CDを買ってしまうと、貴殿の実感がそのまま出てしまうので見向きしていません。
当日の演奏会は、大学生の時代に生演奏で当日聴きました。6月6日の演奏だったはず。大学3年のときです。
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© 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
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いえいえ、こちらこそありがとうございました。私も東京に住んでいたことがあり、都響は何度か聴きました。良いオーケストラだと思います。