若き日のマゼールがベルリン放送交響楽団を振った、モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)の交響曲第40番ト短調K.550(1788)ならびに交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター(Jupiter)」(1788)。
録音は1966年。
先日の札幌出張の際、ポイント15倍のチケットを握りしめてタワレコに行ったが、店頭に並んでいるこのCDジャケットのマゼール様の視線を股間あたりに熱く感じたような気がして購入した。
タワーレコードの紹介文 ↓。
第40番については“大胆なまでの強烈な表情づけ”、第41番には“激しい緩急の対照と個性的なアクセント”と書いてあるが、まったくもって巧い表現。
私としては異議なし、です。
録音のせいもあるのだろうが、音質はややサメ肌風。が、それはあまり問題にならない。
マゼールは聴き手をうっとりさせたり、感傷に浸らせてくれない。スポーティーかつ締まった演奏を貫く。オーケストラの響きは厚いが、もたつくところはない。
私はモーツァルトの演奏スタイルではピリオド奏法の方が好きだが、このモダン演奏は弛緩することなく退屈させられない。若々しいはつらつとした姿勢に心を捉えられる。勝手な思い込みかもしれないが、「打倒!カラヤン/ベルリン・フィル」という意気込みもあるのかもしれない。
ジャカジャカしたピリオド演奏は落ち着かないが、モダン演奏でも甘ったるいモーツァルトはちょっとねぇという人には、格好の餌食、いや、格好の1枚。
なお、交響曲第40番にはクラリネットが編成に加わらない版と、クラリネット入りの版の2種があるが、マゼールはクラリネットなしの第1稿を用いている。
Tower Records Vintage Collection +plus Vo.18(原盤フィリップス)。