読後充実度 84ppm のお話

“OCNブログ人”で2014年6月まで7年間書いた記事をこちらに移行した「保存版」です。  いまは“新・読後充実度 84ppm のお話”として更新しています。左サイドバーの入口からのお越しをお待ちしております(当ブログもたまに更新しています)。  背景の写真は「とうや水の駅」の「TSUDOU」のミニオムライス。(記事にはアフィリエイト広告が含まれています)

2014年6月21日以前の記事中にある過去記事へのリンクはすでに死んでます。

グルメ

100歳になるまで不滅であれ!とは言わないが…♪レハール/金と銀

4872802a.jpg  日曜日はブログの記事更新が夕方になってしまったが、それは1泊2日で妻の実家にお出かけしていたからである。

 土曜日の朝に帯広を出発。
 ちょうど昼どきに有珠サービスエリアにさしかかったので、そこで昼食を食べることにした。
 地元の黄金豚を使ったメニューがウリのようなので、カニ飯を頼んだりはせず、かといって生姜焼き定食は現在の私の生きざまに若干ながら反するので(このときはどうしても完食してしまいそうだった)、黄金豚チャーシューメンにした。

 ラーメンのスープはあっさりしていて悪くないが、ちょいと何かが物足りない。でも、こういうところにしては合格点だ。モヤシとメンマがたっぷりなのもポイントが高い。

1f668a31.jpg  チャーシューは昔風のかためでちょいとパサパサした赤身主体のもの。が、薄切りなので食べにくいというものではない。いま流行(はやり)の脂身に価値観をおいているトロトロしたチャーシューをあまり好ましく思っていない私にとっては、味も質感も満足のいくものだった。

 また、このサービスエリアからは伊逹の街や有珠山、昭和新山が一望できる。
 写真上の左側が有珠山、右が昭和新山である。もやっているけど……
 そしてまた下の写真が、いま故障されると道民がパニック状態に陥る頼みの綱の伊逹火力発電所である。

 ところで、この前、道央道で千歳付近を走行中、追越し車線で乗用車が私の車を追い抜いた際、小石(と思われる)がフロントガラスに当たった。タイヤの溝に挟まっていたものが飛んできたのだろう。
 思わず「勘弁してくれよっ!」と叫んだ私。
 でも、やっぱガラスを交換しておいてよかった。石は大迷惑だが、虫がぶつかって来てははじけ飛んで行く。この連続体当たり衝撃は、おそらくひびを大きくしたことだろう。

 石による影響はないかと思いきや、あとから確認するとごくごく小さなかすり傷のようなものがガラスについていた。
 新品なのに、早くも……。しくしく、である。

 昨日の北海道新聞朝刊(地方版)に、映画「銀の匙」の映画館別入場者数でシネマ太陽帯広が全国1位になったという記事が載っていた。
 上映期間が長いということもあるようだが、さすが地元である。

 この映画、ポスターに「畑に弱虫は、一匹もいない」って書いてあるが、バラを愛で育てている私としては、強い虫ばかりはびこられると実に困る。
 あっ、バラを植えている場所は畑とは言わないか……

8c32adb4.jpg  そんなわけで、レハール(Franz Lehar 1870-1948 オーストリア)のワルツ「金と銀(Gold und Silber)」Op.79(1899)。
 
 ウィーンのメッテルニヒ家の令嬢パウリーネ主催の謝肉祭の舞踏会場が、金色と銀色で飾られたことにちなんだ曲で、ウィンナ・ワルツの代表作の1つ。

 フィードラー/ボストン・ポップス管弦楽団の演奏で。
 1960録音。RCA。

 先週腰が抜けるほど驚くことがあった。

 OCNがブログ・サービスをやめると発表したのだ。
 私が驚き、うめき、怒り、失望し、生きる気力値が大幅に下がったのは言うまでもない。なぜなら、私もブログ人の1人だからだ。

 平素より「OCNブログ人」をご利用いただき、誠にありがとうございます。

 この度、誠に勝手ながら「OCNブログ人」のサービス提供は、2014年11月30日をもちまして終了させていただくことになりました。これに伴い、2014年5月31日をもってOCNブログ人の新規申込み受付を停止させていただきます。


 まったくもって、誠に勝手だ。
 私に報告、連絡、相談(いわゆるホウレンソウ)もなく、突然一方的に宣言するなんて、ひどい。
 いきなり濃霧警報が出されている有珠山山頂に放置されたような気分だ。
 そりゃないっしょ!と思わず北海道弁が口から出た。

 で、ブログを続けたければ引っ越してくださいって。

 ブログを継続されるお客さま、これからブログを始められるお客さまには、NTTレゾナント社が提供する「gooブログ」を推奨いたします。ご利用中のお客さまが「gooブログ」へ引越しいただく方法については、以下をご確認ください。

 「この家は大家の意向で取り壊すことになりました。ついては、新しく住むところを斡旋します」ということだ。
 あぁ、上戸彩のアドバイス無しに、うまく引っ越せるかしら……
 gooブログ以外に引っ越そうか?いや、ならさらに厄介そうだしな……

 それにしても、なぜOCNはブログ・サービスから撤退するのだろう?
 登録者が減ってきているのだろうか?いろいろなブログの中で、確かにメジャーな印象はない。でも、天下のOCNである。なのにやめちゃうなんて……
 
 2007年の夏からこのブログを始めたが、まさか私がパソコンを触れなくなるくらいまで老いる、あるいは死んでしまう前に(金さん銀さんほど長生きできないのは明白だし)、先に“ブログ人”がなくなるとは考えてもみなかった。

 残念である。
 ぼやいてもしょうがない。
 今後の自分の方向性を固めなければ……

脂の甘味も捨てがたいが…♪CPEB/org協Wq.34,35

3fcd10c3.jpg  もうだいぶ前の、4月の頭のことだが、ネットのニュース(毎日新聞)にこんな見出しがあった。

 <テコンドー協会>公益認定返上へ 財政基盤なく

 私はデンコードーに何が起こったのかと思った。
 デンコードーはときおり利用するケーズデンキを経営している会社だからだ。
 が、テコンドーだったのね。

 話は変わる。
 月曜日の昼は、晴れ渡った青空と陽気に誘われて、中が薄暗くて煙たい居酒屋“まま母”に行った。煙たいのはその日の日替わりのメインである糠さんまを焼いていたせいだ。メンバーはいつもの精鋭集団であるヤマダ課長、阿古屋係長、私である。
 このところ河西さんは昼どきに出かけていることが多く、3人のことが多い。奇数なのに仲間外れになる人が出ないのは、われわれが大人である証拠だ。もしそのようなことになったら、間違いなく私が外されることになるだろう。

 が、私たちはリーズナブルな日替わりを頼まず、豚丼にした。
 この“まま母”を1人で切り盛りしているママが「どっちにします?」と尋ねる。
 
 私「ロース」
 ヤ&阿「バラ」

 やはり(少なくとも私よりは)若いってすばらしい。私もバラを食べてみたい。が、あとが怖い。
 そして2人のこのオーダーは、盲腸の手術のあとの最初のおならが示すのと同じように、生レバーをつまみ食いしたことによる腹痛からの全快を宣言したことに等しい。

 C.P.E.バッハ(Carl Philipp Bach 1714-88 ドイツ)のオルガン協奏曲ト長調Wq.34,H.444(1755)とオルガン協奏曲変ホ長調Wq.35,H.446(1759)。
 この2曲、正確には「オルガン,またはチェンバロの協奏曲」である。

 ト長調Wq.34はオルガンと弦楽合奏、変ホ長調はオルガンと弦楽合奏に2つのホルンが編成に加わる。

 Wq.34の方は力みなぎるバラ豚丼、Wq.35は上品な味わいのロース豚丼って感じだ。

 音楽的には、動きが活発なWq.34の方がワクワクするが、Wq.35は良家のお嬢さんっぽい落ち着きと優雅さをたたえている。私はWq.35の方をずっと早くに知っていたので、Wq,35への愛着が強い。

 オスターの独奏と指揮、アンサンブル・パルランドの演奏を。
 2002録音。ドイツ・ハルモニアムンディ。

 このCDでは2つのオルガン・コンチェルトの間に、シンフォニア ハ長調Wq.182-3,H.659が収録されている。

 速めのテンポでとても爽快な仕上がり。
 この演奏を聴くと、なぜか連休の庭いじりが待ち遠しくなる。

 ところで、“まま母”の豚丼はバラ豚丼もロース豚丼も同じ値段である。しかも4月に入ってからもお値段据え置き。母さんは善人なのだ。きっと。

誘惑に負けてポンポンが痛くなったんです♪伊福部/アイヌの叙事詩…

8f780cec.jpg  実は正直に申し上げると、先週のヤマダ課長はなんとなく身体の調子が悪くて、いまひとつ精彩を欠いていた。
 もっと正直に言うと、調子が悪いのが身体のどこかというと、それはおなかだった。

 先々週の金曜日のことだったそうだ。

 ヤマダ課長は阿古屋係長と仕事帰りに焼き肉屋ではないが、肉料理自慢の居酒屋に立ち寄った。その日の私はどうしていたかというと、オーダレッドさんたちと、真の焼き肉屋に行き、窓辺どら猫合唱団の性の叫びを聞いていた。

 以下はヤマダ課長の供述である。

 レバーがあったんで、おっ、たまにいいなと思って注文したんです。
 すると卓上の炭火コンロと、皿に盛った生レバーが運ばれてきたんです。
 あまりに艶っぽかったんで、1切れ生で食べたんです。ええ、美味しかったですよ。
 私の勇敢な姿を見て、係長も真似たんです。
 係長ったら「うまい、うまい、うまいっすね。あっ、ほんとにこれうまいっす、あはははは」と、3切れも食べたんです。いえ、ワライタケじゃなくて、レバーをナマで。
 次の日でした。おなかが夢の超特急になったのは。
 そして、ずっとなんとなく調子が悪いんです。
 焼かなければならないものを生で食べた罰です。
 係長?係長もおなかを壊してるって言ってます。でも、私の3倍食べたのに、症状は私の3分の1なんです。
 不条理を感じます。係長、丈夫です。


 あらら、犯罪ですね。文句のつけ先はもちろんない。
 お店には何の落ち度もない。むしろ営業妨害と言われるかも。

 でも、食あたりならもっとひどい症状になると思う。寄生虫の心配は牛レバーなら、ゼロではないものの、あまり考えなくていいと思う。

 水曜日の夜は、ヤマダ課長の課に今年入った新入社員の歓迎会があり、私も参加した。
 そのときの課長は静かにお酒を飲んでいた(係長とは対照的に)。それなりに調子は確かに良くなかったのだ。
 しかし、昼は中華ちらしや牛すじカレーを食べて過ごしていたから、深刻なものではないだろう(この点については係長も同じだが、彼の場合は調子が悪いということ自体が思い込みなんじゃないかと、私は思いはじめている)。

 先日、むかし私が飼っていたアイヌ犬のことを書いたが、実はこの話、前にも書いている。
 そして、今日は伊福部昭(Ifukube,Akira 1914-2006 北海道)の「アイヌの叙事詩による依る対話体牧歌(Eclogues after Epos Among Ainu Races)」(1950)。
 前に書いたときも同じ展開だったわけで、繰り返しになる。
 藍川由美のソプラノ、山口恭範のティンパニによる1987年の録音のディスク。
 
 その解説には次のように書かれている。

 ……これを歌っている新進ソプラノ藍川由美は……

 20数年前は新進だったんだよな。確かに。1956年生れだそうです、彼女。

 3曲からなるが、第2曲のメロディーは映画「コタンの口笛」や「釧路湿原」にも使われている。

 果たしてヤマダ課長、今日はもう治っているのか?それはこのあと出勤して、会ってみてのお楽しみである。

 そうそう、土曜日にスーパーで“レバ刺しコンニャク”なる商品があるのを発見した。
 いや、コンニャクである。レバー由来成分は入っていない。
 が、レバーそのものという色。形も直方体ではなく、不定形。気持ち悪いほどリアル。
 「レバ刺し好きも絶賛」なんだそうだ。

 私は絶対食べたくない。
 そもそも私はレバ刺し嫌い。ゆえに、代用品も必要ない。
 だが、ヤマダ課長にプレゼントしたら喜んでもらえるかも……

ネタ?ウチはシャリが自慢さ!♪FedotovのBorodin/Sym2

be694c9f.jpg  フェドートフが指揮したボロディン(Alexander Borodin 1833-87 ロシア)の交響曲第2番ロ短調(1869-76/改訂'79)。オーケストラはサンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団。録音年の表記なしだが、“ADD”である。

 いまさらながらだが、CDに表記されているADDというのは「アナログ録音、デジタル・ミキシング、デジタル・マスタリング」のこと。DDDとなると、すべてがデジタル処理されているということであり、またAADだと録音もミキシングもアナログということになる。

 話を戻して、フェドートフの演奏。
 バスが足りない!

 いやいや、観光乗合自動車業界の悩みじゃなくて、低音が不足しているということ(バスといえば、森崎博之主演のミュージカル「KACHIBUS」の公演が金、土に当地で行われたが、満員御礼だったそうだ。最初はチケットの売れ行きが悪くて心配されたようだが……)。

 最初に聴いたとき、スピーカーシステムのウーファーが断線してしまったかと思った。が、深呼吸して冷静になってみるとウォークマンで聴いていたことに気づいた。
 つまりスピーカーがどうのこうのという問題ではない。

1d5a26dd.jpg  多分に録音のせいだろう。寿司でもないのにシャリシャリしている。
 アンプのトーンコントロールで低音を目いっぱい絞り、高音のつまみを右に回しきったときの音みたいだ。
 ただ、それに加えてオーケストラの編成の関係もあるのかもしれない。
 とにかくコントラバスの音が乏しい。

 響きにコクがない。間違ってお湯を入れる前にソースをかけてしまった焼きそばUFOのようだ。茶色に濁ったお湯を捨てたらほとんど味気がない。
 とにかく、まったくもって魅惑のボロディン・サウンドが鳴り響いてこない。  
 toを抜き取って代わりにseyeを入れりゃ、もしかしたらガツンとやってくれたんだろうか?
 解:(Fedotov-to)+seye=Fedoseyev。

 いやいや、フェドセーエフのを聴いたことはない。
 そもそもフェドセーエフってボロディンの交響曲を録音しているのかも、考えてみれば考えたことがなかった(変な日本語だが、間違ってはいないはずだ)。

 そこでちょいと中断……

 ↓
 ↓
 ↓

 おぉ、第2番のCDがあるではないか。
 でも廃盤……
 おや、アマゾンでは新品がある。
 しょうがない、注文するか……
 と、ミイラとりがミイラになった(変じゃない日本語だが、適切な用法かはわからない)。

 でも、フェドートフの演奏は全体的にリズム感が良いし、第3楽章の叙情性なんてなかなか素敵。
 この軽さ、朝に聴くのに向いてるかも。

 レーベルはClassical Records。そのまんまだ……

 先日初めてSUBWAYのサンドイッチを食べてみた。
 ハムサンドだ。

 ちゃんとしたハムが3枚も挟まっていて、野菜も新鮮(に感じた)。
 お値段はやや高めだが(おにぎりなら3~4個買える)、某コンビニの正面から見える切り口にはブルボン“ルマンド”の断面みたく薄切りのハムがミルフィーユっちゃっているのに、端の方はスカなサンドイッチとは偉い違いだ。
 美味しかったけど、でも、同じ金額ならやっぱご飯ものにすりゃあよかったと少しばかり後悔もしている。お箸の国のヒトだもの……

冬至は過ぎたというのに、昼寝から目覚めるともう夜♪ベルリオーズ/夏の夜

79dccde0.jpg  土曜日は11時ころに家を出発した。

 というのも、午前中は札幌など石狩地方の天気が悪く、午後は道東方面が悪くなるという予報だったからだ。

 つまり、私が道東を出発するときはこちらの天気は良くて札幌は悪く、私が到着するころには札幌は好天になっているが出発地は暗黒の空になっているという計算だ。

 途中で悪天と鉢合わせする可能性はあるが、そのときはきっとトンネルの中さっていう楽天的発想である。

 そして私の計算通り、というよりも気象予報士の予言どおり、高速道路での走行にはほとんど問題がなかった(凍結している箇所はわずかで、路面が出ていた)。

 問題は高速道路を下りたあと。
 物理的なことだけでなく、経済的な事情も相まって、私は夕張インターで下りたのだが、そこから長沼町までが、吹雪とまではいかないが視界がかなり悪くなる意地悪な雪。道路は圧雪アイスバーン。

 長沼に入ったとき、時刻は13:15。
 「よし!ジンギスカンにしよう」と、天候や路面には直接関係ないが、昼ご飯はジンギスカンにすることと決意した。

 長沼はジンギスカンが有名だ。
 カネヒロ・ジンギスカン、タンネトウ・ジンギスカンなどなど。
 今回立ち寄ったのは国道274号線沿いの「レストラン・カネヒロ」。
 その名の通り、カネヒロ・ジンギスカンを食べさせてくれるところだ。
 カレーライスやラーメンというメニューに浮気しそうになったが、ラム・ジンギスカン定食(1人前1,000円)を頼む。

 ご存知のように(たぶん)、私は羊の肉が苦手である。臭いがだめである。
 その苦手な羊の料理の中で、私が食べることができる、いや、むしろ年に数回無性に食べたくなるのがジンギスカンだ。それも、カネヒロやタンネトウ、松尾ジンギスカン(マツジン)のようなタレに漬け込んだものである。

 ジンギスカンといえばビールがつきものだが、今回は運転しているわけで当然無理。だが、ビールに勝るとも劣らないほどジンギスカンに相性がいいのは、実はご飯だ。
 たくさんご飯も食べた(だって盛りがいいんですもん)。たっぷりの野菜にみそ汁もついて1000円は安い。東京で1000円といったら、天ぷらそばも食べられないだろう。

 食べ終えて、おじさんくさく爪楊枝をシーハーしていたら、なんとお天道様が顔を出した。
 ほぅれ!こちらはこれから天気がよくなる運命にあるのだ。

 再び自宅に向け車を走らせる。
 と、また急に雲は厚くなり、雪が……
 やれやれ。
 自宅に着くと、淡い期待むなしく、たっぷり雪が積もっていた。

 どうしようか?ちゃんと雪かきしようか?
 それとも明日にしちゃおうか?

 そう悩んでいるうちに眠くなり、昼寝というか夕寝を小一時間ほどしちゃったら外は真っ暗、あらもう夜。冬は暗くなるのが早くていやになる。冬至後は着実に日が長くなっているはずなのだが……

 悔しいからベルリオーズ(Hector Berlioz 1803-69 フランス)の歌曲集「夏の夜(Les nuits d'ete)」Op.7。

 この作品は、T.ゴーティエの詞による6曲からなるもので、各曲は以下のとおりである。

 1. ヴィラネル(Villanelle)
 2. ばらの精(Le Spectre de la rose)
 3. 入り江のほとり(Sur les lagunes)
 4. 君なくて(Absence)
 5. 墓地にて(Au cimetiere)
 6. 知られざる島(L'ile inconnue)

 以前、ミントンとバロウズの独唱によるブーレーズ盤を取り上げたが、今日はフォン・オッターのメゾ・ソプラノ、ミンコフスキー指揮レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブル(ルーヴル宮音楽隊)による演奏を。
 このオーケストラの演奏は「幻想交響曲」やメユールの交響曲で取り上げているが、ピリオド演奏のオケだ。
 最初の1音から「おっ!」と引き付けられるが、オケは全体を通じて感情抑制型。出しゃばらずに独唱を支えている(これはピリオドってこととは関係ないだろうけど)。独唱も深遠な感じの歌いっぷりで、じっくりとこの曲を味わわせてくれる。

 2011録音。naive。

 そして、昨日の日曜日。
 体がぼろぼろになった。
 その報告は、大晦日に。

時差攻撃はわざと?いや、失敗でしょうね♪クレーのGM/Sym2

525caf23.jpg  先週の水曜日。

 私は昼食にラーメンを食べた。それも2時過ぎになってから。

 私のことをラーメン好きだと思っている人は少なくないような雰囲気に世の中なってしまっているようだが、決してそんなことはない、と自分では信じていたが、なんだか本当はボク、ラーメン好きなような気がしてきている今日この頃である。

 だが、この日の昼食については大きなトラブルがあったのだ、私に。

 11:30過ぎに発車したJRに乗った。
 この日は私としては珍しく、車内のワゴンサービスで、お姉さんから弁当を買って食べようと決意していた。
 幸い私の隣の席は空いている。恥らいながら食べる必要はないわけだ。

 こういうときって、ふだんはまったく気にもしていないのに、なぜこんなに車内販売がなかなかやって来ないのかと、すっごく長く感じる。
 
 発車から30分。
 ようやくワゴンがお姉さんを押して、いや違う、お姉さんがワゴンを押してやって来た。
 私は空腹を悟られないようできるだけ優雅に言った。「お弁当がありますか?」

 彼女は笑顔で答えた。
 私の予想では「幕の内弁当と、軽いものならサンドイッチもご用意しております」といった答えが返ってくるはずだった。
 が、「申し訳ございません。本日はもうすべて売り切れてしまいました」という極めてショッキングなものだった。「軽いものでしたら…」、(しょうがないサンドイッチで我慢するか)、「バームクーヘンはございますが」。

 へっ?
 ばうむくぅへんとおっしゃいましたか?
 それってお菓子でしょ?おやつでしょ?

 「いえ、結構です」。私はあくまでも紳士的に答えた。
 お姉さんは私の横から去っていった。

 さてさて、どうしたものだろう。
 これで札幌に着くまでは昼食をゲットする道はなくなったのだ。
 やっぱりいつもどおり、コンビニのおにぎりを買って乗り込むべきだった。
 にしても、6号車と5号車で売り切れとは!(私は4号車に乗っていた)。3号車や2号車の客の中には、私と同じように途方に暮れる人がいるだろう。そして野蛮な人々が乗っているかもしれない自由席車両の1号車では暴動が起きるかもしれない。

 札幌駅に着いたとき、私は栄養不足で歩くのもやっとだった。
 が、最後の力を振り絞って駅地下APIAのラーメン屋になんとかたどり着くことができた。特にラーメンが食べたかったわけではないが、本格的なご飯物をこの時間に食べると夕食に支障が出ると判断したのだ。

 ラーメンほど人によって美味しい、そうでもない、まずいという評価が分かれるものはない、ということで、先日石田さんと意見が一致した。
 石田さんというのは、仕事で私とお付き合いのある人だ。だから、皆さんにとっては特にマークすべき人物ではない。

 で、石田さんの好みはともかく(聞いたはずだが、飲みながらの話だったので店の名前は私の頭から湯気となって消え去ってしまった)、札幌で私が美味しいと思っているのは北4西1の北農ビル地下にある“菅家”というラーメン屋だ。地下通路でつながっているその隣のホクレンビルには、ミシュランガイドにも載った“一粒庵”というラーメン屋があり、いつも行列ができているが、私の好みでは全然ない。

 今回寄ったのは昔から駅地下にある“青竜”という店。
 昔からあるのだから、きっと美味しいのだろうと初めて入ってみたが、そこそこ美味しかった。いや、腹が減り過ぎてじっくりと味わうという状況になかった。
 店員さんの応対もふつうに良く、関係があるのかどうかわからないが、某駅に入っている同名のラーメン店とは偉い違いだった。

 こうして、売り切れだのバームクーヘンだのといった仕打ちののち、私は1杯の醤油ラーメンで心身の調子を復活させることができた。
 そして、クレーはこの「復活」で、ある意味トラブルに見舞われた。

 ベルンハルト・クレー指揮ベルリン放送交響楽団によるマーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)の交響曲第2番ハ短調「復活(Auferstehung)」(1887-94/改訂1903)。この1982年のライヴはなかなか不出来な演奏だ。

 「♪グワ~ン…ジャラジャララッ」と威厳を持って始まる第1楽章はなかなか素晴らしい。
 第2~3楽章は、第1楽章ほどではないが、これも聴かせてくれる。
 が、第4楽章に入ると雲行きが怪しくなる。アルト独唱はリノスだが、私はこの人の声質も歌い方もダメ。しかも後半にはオーケストラとズレはじめる。

 終楽章では舞台裏のバンダ(ラッパ軍団)が、エスカレーターにすんなり乗れないお年寄りのようにワンテンポ遅れる。343小節からの舞台裏からの審判ラッパだ。
 まさかわざとじゃあるまい。
 まさかこれほど音がずれるほど、遠くに配置されてるのではあるまい。
 
 クレーについて、ONTOMO MOOK「指揮者のすべて」には「大向う受けするタイプではなかった」と書いてあるが。そういう問題じゃない。
 ライヴなのでいろんなハプニング、ミスはあるだろうが、このバンダちゃんにはまいった。どってんこいた。腹減って弱ってたのか?

 かといって、すべてが悪いわけじゃない。上に書いたように前半の3楽章、特に第1楽章は良い。終楽章だって、最後はうまく感動シーンを築きあげている(ということにしたい)。
 なお、ソプラノ独唱はプラウライト、合唱はベルリン聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊。
 Altus。
 

ほふられた豚さんは何も悪くないけど♪ドヴォルザーク/謝肉祭

849a88c7.jpg  木曜日。
 新たにランチ営業を始めた“酒場”に昼ご飯を食べに行ってみた。
 ヤマダ課長と一緒である。

 ここにバーがあることは知っていたが、来たことはなかった。
 そしてまた、この店がランチを始めたということは新聞の地方版の記事で知った。

 日替わりは、当店自慢と銘打った、ポークソテー・トマトソースがけ。
 地元産の豚の豚肉だそうだ。回りくどくて変な表現だけど。
 また、ここはカレーライスもウリであるそうだ。

 カレーといえば、先日書いたように私は自分で作ったカレーを数日間食べ続けた。
 だから、ヤマダ課長がカレーを頼んでも、私は頼む気にはならなかった。
 あのカレーで、私は今回初めてエノキダケを入れてみた。
 味的にはなんら問題なかったが、コメントが寄せられてもいたように、やはりカレーにエノキというのは奇異に感じる人もいたようだ。そもそも作りながら私も奇異に感じたぐらいだ。
 妻も「えっ?エノキを入れたの?」と、突然家を訪れた見知らぬエノキさんという人物をうかつにも家にあげてしまったかのような驚きの声を上げたほどだ。

 が、繰り返し言うが、味はまったく悪くない。
 たが、もう少し細かく切るべきだったと反省した。
 反省したが、きっとカレーにエノキダケを入れることを、私はもうしないだろう。次は、ない……

 で、私はその店でポークソテーを頼んだのだが、出て来たものの焼き方はレアだった。
 ポークでレアねぇ……

 でも、焼き時間が足りなくて結果的に生焼けになったという感じではない。これは明らかに店の人がそういう焼き方、食べさせ方にこだわっている感じだ。そしてまた、真のグルメ人なら、これはすばらしい!とj感嘆する一品のような気がする。
 
 外観からもレアだとわかるのだ。赤い肉汁がにじんでいるもの。これがミスだとしたら、盛り付けのときに気づかないはずがない。視力が正常ならば。

 地元産の豚だ。
 きっと安全安心に違いない。
 で食べたが、やっぱ豚肉はちゃんと火を通した方がおいしい。
 生焼け度の強いところは私は残した。
 やっぱ、カレーにすればよかった。福神漬けがついてない、まさにカレーとライスだけだったけど。

 社に戻っても、生焼けのことが気になってしょうがない。
 あのときと同じだ。歴史は繰り返される……

 なぜ、「レアのようですが、これはこのような焼き方で食べても大丈夫なブタさんなのですか?」と、どうしてあのとき聞く勇気を持たなかったのか?

 そんなことを考えていると、まさに病は気からで、おなかの調子の悪化と吐き気に微かながら襲われ、またのどのあたりもモヤモヤしてきた。
 赤みが残る、あのポークソテーの姿が脳裏から離れない。

 私になんてことをしてくれたのだ!
 肉よ、謝れ!

 さて、ドヴォルザーク(Antonin Dvorak 1841-1904 チェコ)の序曲「謝肉祭(Karneval)」Op.92,B.169(1891)。組曲「自然と人生と愛」の第2部に当たる作品だ。

 この曲の演奏で、私がLP時代に親しんでいたのがシルヴェストリ指揮ロンドン・フィルのもの。
 EMIから出ている15枚組のシルヴェストリのボックス・セットでひどく久しぶりに再会した。

 これだ!
 私が待ちわびていたのは、すっかり忘れていたけど、これだ!
 この曲の録音はそう多くないが、CD時代になってガンゼンハウザーマリナーが指揮したものを聴いてきた。が、どこか満たされなかった私。

 シルヴェストリ盤を聴いて-この演奏が私にすっかり刷り込まれているのだろうけど-、はちみつ壺に頭を突っ込んだプーさんのように、久々に満たされた。

 パワー全開で始まり、たたみ込むように終わる。圧巻だ。
 そして何より、泣かせないでよ!と言いたくなる濃厚なノスタルジアをぷんぷんと放つ中間部。
 単に昔これに親しんだから、これに洗脳されたから、というにとどまらない、感動的な演奏である。
 この作品の演奏の中では最高峰と言えるものだ(キッパリ!)。
 1958録音。

 LPではこの「謝肉祭」、交響曲第8番ト長調Op.88,B.163(1889)とのカップリングだった。
 ドヴォ8については、シルヴェストリよりも同じ廉価盤でも、RCAのミュンシュ盤を聴くことの方が多かったが、あらためてシルヴェストリの演奏を聴くと、なんだか心がウキウキしてくる。

 メリハリ効いた鳴らせ方、歌わせ方は、この曲の特長をうまく引き出しているかのようだ。とかく強調(中傷?)されがちだが、シルヴェストリは決して言われるような爆演でムラのある異端児的指揮をする、だけではないことを実感する。こういう“つまらなくない”聴き手を引き込む演奏、意外と少ないものだ。
 オーケストラは同じロンドン・フィル。1957録音。

 さて、胸がモヤモヤ、喉がヌラヌラ、おなかがパピパピしていた(ような気が明らかにした)私は、マンションに帰ると胃洗浄殺菌の意味も込めて、いつものようにハイボールを飲んだ。
 結局、この日おなかはこわさなかったし、酔いが回るにつれ昼のことを忘れがちになってくると、諸症状は消えた。
 翌朝は、気分が悪かったが、それはレア・ポークのせいではなく、朝から雨が降っていたからに過ぎない(とはいえ、可能性は低いが感染症(E型肝炎)や寄生虫の危険はまだ残っている。

 カーニバルの語源は、ラテン語のcame vale(カルネ・ウァレ)、「肉よ、お別れだ」だという説がある。
 私としては、「生肉よ、もう食卓に出るな」って気持ちである。

海は荒れ、猫は峠で丸くなった日♪シルヴェストリのドビュッシー/海

26c860d7.jpg  昨日の朝、釧路から帰ってきた。

 唐突にそんなこと書かれてもあなたは純真な少女のように、あるいははにかみ屋の少年のごとく困惑するだろう(って、全然本気で思っていないけど)。
 ゆえに説明しよう。

 おとといの午後から車で釧路に出張。
 今回は私を含め3人。運転は3人の中でいちばん若いKGさん。
 片道2時間ほどの道のり。3時には今回訪問する会社に到着し、最初にコーヒーをごちそうになり、打ち合わせをし、そのうち温かいお茶が供され、それではそろそろ、今後ともよろしくお願いしますということで、そのあとホテルにチェックイン。

 午後6時になり、地元のあぶり焼き料理を主体とする居酒屋に行き、やあやあ先ほどはどうも、と食事を開始。つまりは、訪問した会社の方々と再集合し食事をしたのだった。

 で、フレンドリーに食事を終え、でわでわ、今日はお忙しいところありがとうございましたなどと、けっこう酔った勢いでみんな別れを惜しむ挨拶を過剰にし、われわれはホテルに向かったのだが、そこでKGさんがつぶラーメンを食べて帰りませんか?と、突然思いついたようだが、実はけっこう前から企てていたと思われるプランを口に出した。

 「よしよし行こう」ということで全員合意のうえ行ったのだが、まずKGさんがうそつきだったのは、その店はつぶ焼きとラーメンを出す店であって、決してつぶラーメンという、ラーメンのトッピングがつぶである、岬の食堂にありがちな一品など置いてなかった。
 そんなわけで、つぶ焼きとラーメンを頼むことにしたわけだが、すっかり酔いが回ったKGさんは「つぶ焼き!……つぶ焼き!………つぶ焼き!」としつこく言うので、3人前が出てきたらたいへんと思い、思わず私は「1皿でいいですから」と店のおかみさんに補足説明をしなければならないはめになった。

 つぶ焼きが出て来たとき、熱いですから気をつけてと言われたのに、KGさんは紙ナプキンは使ったもののそんな薄いものだけで貝をつかんだものだから、アッチッチとなって、貝から流れ出た醤油だれを自分のネクタイにかけてしまった。

eb725b97.jpg  この店、“かど屋”というのだがけっこう有名な店ということで、つぶもラーメンもとても美味しかった。

 翌朝。
 朝の9時から会議があるというKGさんに合わせ、われわれは6時半にホテルを出発。
 台風の接近により雨がどんどん強まる中、帰ってきた。

 途中見えた海は波が高く、荒れ狂っていたってほどじゃないが、狂ってはいないまでも荒れてはいた。
 それはシルヴェストリが振ったドビュッシー(Claude Achille Debussy 1862-1918 フランス)の交響詩「(La Mer)」(1903-05)の演奏のようだった。

 このシルヴェストリ/パリ音楽院管弦楽団の演奏は、荒波に飲みこまれてしまうような激しさ。けど、私の嫌いなモノラル録音。それがかなり残念だ。でも、まっ、疑似ステレオ化されるよりはいいのかも……

 1958録音EMI。

 で、朝ホテルを出発するとき、KGさんは自分のネクタイに残っている瀬戸内海に点在している名もなき島々のようなシミを見て、「どこでつけたのかなぁ」と悩んでいた。
 やけどしなかっただけ幸運だったと言えるだろう。

 この日は道東道のトマムあたりはアイスバーンに、日勝峠や狩勝峠は圧雪アイスバーンになったそうだ。っていうか、実は昼前から平地でも雪が降り始めたのだった。去年より1ヵ月ぐらい早くね?

 週末はわがマイカー-SUBARU車-のタイヤ交換を早急にせねば……
 んな感じで、浅田次郎の「蒼穹の昴」(講談社文庫)の第2巻に入ったが、なかなか読む時間がない。

海鮮コースの中で異彩を放つ肉鍋♪シルヴェストリのドヴォルザーク/謝肉祭

f618df70.jpg 昨日の昼過ぎに家をあとにしたが、その前に私を励ますかのようにバラのつぼみが開いた。
 ゴールデン・ウィングス(上)とブルー・フォー・ユー(中)である。また、その前日にはストラボ・バビロン(下)も咲いていた。

 北海道ではもうバラのシーズンも終わり。しかし、今週末も日帰りながら自宅に戻るのだが、そのときに、まだいくつかのバラは花を咲かせて私を出迎えてくれるかもしれない。

 さて、ルパソさんと思わぬ場所で再会した翌日は、別な町に出張した。
 サンタの町と呼ばれているところだ(ルパソさんに会ったのは“第九の町”と呼ばれているところ)。
 夕方に打合せ。そして、その日はこの町に泊まった。

 宿は海の近く。
2df697fc.jpg まずは荷物を置きにチェックインする。
 部屋は2階。
 今夜大きな地震が起こって津波が押し寄せたなら、アタイも水に飲み込まれるんだろうな。でも、トイレがシャワー付じゃないのがもっと深刻だなと思いつつ、会食の場所へ。

 その店は打合せ先の方が予約してくれていたのだが、いやぁすごい海の幸だった。

 私が大の海の幸好きだったならトビウオのように飛び跳ねたことだろう。しかし、そこまでではないから、まな板の上のコイのようにおとなしくしていた。
 が、そのような受け身の私にとってもどの料理も美味しかったし、食べきれないほどのボリューム。しかも値段がお安い(と告白してくれた)。これがススキノなら3倍以上の、銀座だったら5倍ではきかないお代を取られるだろう。

 こんなにボリューミーなら昼にカニチャーハンを食べるべきではなかった。
 せいぜいかしわそばぐらいにとどめておいて、もっと胃袋をペチャンコにしておくべきだっ5df4eba9.jpg た。
 しかも、料理の中には従順な忠犬の様に鎮座している毛がにまであった。
 夜にカニが出るなら、昼はカニを選ばなかったのに……
 実はその日の朝方、私はチャーハンを食べている夢を見たのだ。
 だから、チャーハンを食べたかった。
 しかも、ヘルシーチャーハンじゃなく、カニチャーハンを。
 目的達成を果たす立派な行為、食に対する揺らがない信念!
 でも、がまんすべきだった……

 海鮮三昧のなか、肉-つまり畜肉-を材料とした料理が1品だけあった。
 1品といっても、それは鍋である。
 味噌仕立てのものだったが、豚肉と鶏肉が入ったこの鍋が、またまたうまくて、私はお肉に感謝したほどだ。

 んなことで、ドヴォルザーク(Antonin Dvorak 1841-1904 チェコ)の序曲「謝肉祭(Karneval)」Op.92,B.169(1891)。

772f8a1b.jpg  この曲に対する私の思いはここに書いてある通りだが、若きころLPでよく聴いていたのがシルヴェストリ指揮ロンドン・フィルの演奏。
 1913年生まれ、'69年没のルーマニアの指揮者・シルヴェストリについては、そのころだって、過去にいた指揮者ということでしか私は知らない。
 だが、東芝EMIの廉価盤-セラフィム1200円シリーズ-で出ていたこの指揮者のLPを何枚か持っていて、私はお世話になったのだ。

 この指揮者が懐かしくなり、先日ボックス・セットを買った。15枚も入っていてお得であるが、私の嫌いなモノラルも入っている。
 「謝肉祭」は1958録音。ステレオ。
 ぐんぐんと先へ先へと進んでいくが、中間部の歌わせ方は胸にじぃんと来るものがある。爆走してきた機関車が仕事を終えて、いろいろな出来事を回想する。そしてまた、次の仕事へ。そんな流れのような演奏だ。機関車トーマスの世界的に言えば……

 録音のせいだろう。厚いのに深くない、オイリーなのにしっとりもしている不思議な、あたかも脂漏性湿疹なのにカサカサと皮がむけてくるといった困惑させられる、独特のサウンドである。

 15枚組のボックスに収められているシルヴェストリの演奏については、この先、私の義務教育学生時代の思い出とからめて、いくつか紹介させていただく予定。
 よろしいでしょうか?

匠の技が光る玉と玉の相乗効果♪サラサーテ/カルメン幻想曲

b5d6b6dd.jpg  まるで華麗なテクによってタマタマが光り輝くかのような期待を持たせる淫靡ながら明るいタイトルで申し訳ないが、なぁに奥さん、怖がる心配なんてこれっぽっちもありません。

 先々週のことだが、阿古屋係長と昼に長寿庵に行った。
 タマタマさほど混み合っていなかったので、混み合うと時間がかかりますと親切心から暗に受注拒否されるご飯ものを、しめしめとばかり頼むことにした。

 私は玉子丼(そば付き)、係長はそば定食である。
 このそば定食というのがまたすさまじく、冷たいそばと温かいそばとご飯と味付けのりというセットなのだ。

 で、私はここで初めて玉子丼を頼んだが、う、う、うまい!
 味に奥深さがある。
 推察するに、これには揚げ玉(天かす)が加えられている。だから単調に陥りがちな玉子丼が、ときに海老とじ丼のような味に変化(へんげ)するのだ。

 おやじさん、すっごぉぉぉ~い!職人技だ!匠の技だ!
 そんなの珍しくないよという地方にお住まいの方もいらっしゃるかも知れないが、私にとっては初体験。
 ということで、揚げ玉と玉子で玉玉なわけ。ねっ?いやらしいことなんて何にもない初体験の話でしょ?

 ただ、惜しむらくは、このとき注文した際、「そばは温かいのでいいですね?」と言われ、私は「ええ!」と即答してしまったことだ。本当は冷たいそばがよかったのに……
 店側にはなんの落ち度もない。私に勇気がなかったからだ。もう一度「ブレイブ・ストーリー」を読み直して根性を入れ替えなくてはならない。

 さて、技である。
 ギでなく、ワザである。

 サラサーテ(Pablo de Sarasate 1844-1908 スペイン)の「カルメン幻想曲(Fantaisie sur Carmen de Bizet)」Op.25(1883頃刊)。ヴァイオリンの技をこれでもかと披露するために書かれた曲だ。

 ご存じの方も多いだろうが、、サラサーテは19世紀のヴァイオリンのヴィルトゥオーソ(超絶技巧奏者)の1人。
 そのテクにほれ込んで、ラロやサン=サーンス、ブルッフなどがサラサーテにコンチェルトを捧げたほか、サラサーテ自身も、自分のコンサートで技を駆使し聴衆を感嘆させるための小品を書いた。そのなかの1曲、「ツィゴイネルワイゼン」は特に有名だ。

 「カルメン幻想曲」は、原題にもあるようにビゼーの歌劇「カルメン」の中に出てくる“おいしいメロディー”を使った独奏ヴァイオリンとオーケストラ(またはピアノ)のための曲。序奏と4つの部分から成っている。

 にしても、カルメンの有名なメロディーを使うなんて、それこそ技を誇示するにはもってこいだ。その着眼点も立派(おぬしもなかなかやるのぅ。ふふふっ)。

 序奏と4つの部分から鳴り、使われている曲は、序奏は第4幕への間奏曲「アラゴネーズ」、第1部は第1幕の「ハバネラ」、第2部は第1幕「トゥ・ラララ」、第3部は第1幕「セギディーリャ」、第4部は第2幕「ジプシーの歌」。

 確かにヴァイオリンの様々なテクが駆使されるのだが、ひねくれ者なのかそれとも正直者なのかわからないが、私はカルメンそのものを聴きたくなってしまう。
 「すごいねぇ~!で?」って感じ。熱狂的に曲が終わったあと、即座に「さて、お耳直しに次は何を聴こうかな」って思っちゃう。

 こういう曲には、けっこう軽いノリのパールマンなんかがいい。
 ということで、パールマンの独奏、メータ指揮ニューヨーク・フィルの演奏で。
 写真を見ても、この2人、とにかく楽しそうでしょ?
 1986録音。グラモフォン。

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