読後充実度 84ppm のお話

“OCNブログ人”で2014年6月まで7年間書いた記事をこちらに移行した「保存版」です。  いまは“新・読後充実度 84ppm のお話”として更新しています。左サイドバーの入口からのお越しをお待ちしております(当ブログもたまに更新しています)。  背景の写真は「とうや水の駅」の「TSUDOU」のミニオムライス。(記事にはアフィリエイト広告が含まれています)

2014年6月21日以前の記事中にある過去記事へのリンクはすでに死んでます。

旅行記

ランはランでも……

 昨晩宿泊した積丹の民宿。
 夕食にはアワビがでた。
 カルパッチョはホッキ貝とタコだった。
 エビはたくさんの卵を抱えていた。
 でも、卵はあってもLAN環境はなかった。

 いま、2日目の宿泊地である札幌に着いたところである。
 いつもは朝に投稿しているが、そういう事情でいま投稿しているわけである。
 あらかじめおおかた作り上げていた原稿もあったのだが、個人的な感覚としてここで投稿しても半日で明日の原稿に更新されてしまうわけで、そりゃたいした内容でないかもしれないが、としてももったいない気がする。

 ということで、今日のところは、

 1. 昨夜は積丹に泊まった。
 2. 食事は海の幸がいっぱいだったが、あいにく私は海の幸を得意としない。
 3. 今朝はいつもどうり以上に早く目が覚めてしまい、時間を持て余した。

ということを報告するにとどめておく。

 いくつかのエピソードいついては、またあらためて報告する所存である。

石の置物が欲しかった……

 今日の8:05那覇発の飛行機で北の地へと戻る。
 といっても、新千歳空港までの直行便はないので、羽田乗り換え。
 羽田に10:00過ぎに着いて、羽田12:00発の新千歳行きの便に乗り換える。

 ふつうなら、羽田11:00発の便を取るのがノーマル・プレイなんだろうが、私はアブノーマルなので、いや違う、ノーマルだけど時間に余裕がないと血へどが出そうになるくらいストレスを感じてしまうので、このように時間を持て余している中世の貴族のようなことにしている。
 それと、こんな私にしてしまったのは、特に冬時期、飛行機遅延をも計算しなくては痛い目に遭うという、過去の経験による(もっとも札幌へ帰るときにはあまり関係ないが)。

 でも、ほれ。
 これで羽田でゆっくりと崎陽軒の“シウマイ弁当”を食べることができる。
 でも、別な何かがないかなぁ……(すでに“シウマイ弁当”が売り切れてしまっていることへの代替案を考えている。ダメージを少しでも和らげるために)。

 昨日は朝早くに名護のホテルを出発。
 島を北上した。

  北部の、とある街で8時から打ち合わせ。
 この打ち合わせが予定よりも30分ほど長引いてしまったが、今回はどうしても島の北端、辺戸(へど)岬に行ってみようと決意していたので、それを強行した。

 さらに悪いことに(ってことはないか)、打ち合わせ先の人が「そこまで行くなら大石林山(だいせきりんざん)にも寄ったらいいですよ」とたいへん有効なアドバイスをしてくれたので、そこにも行くことにした。

 大石林山は、私のお好みにあうスポットであった。
 写真は明日以降のブログにアップするが、つまりは大きな石が林のようになっている山である。ジャングル探検しているみたいだった。
 私は岩石とか熱帯系の植物に妙に引かれるたちである。

 売店があったが、そこで売られていた鉱物各種は、これまで誰かに1つでも売れたためしがあるのだろうかと思われるような感じだった(風化こそしてなかったけど)。だいたいにして、なんで○○鉱といったたぐいの置物はあんなに高価なんだろう?ほしいなぁと思うものが1つあったけど、横4cm、高さ8cmくらいのものが8,000円もした。これじゃその朝にチェックアウトしたホテルの料金と一緒だ。
 しかも、絶対間違いないと思われるのは、このような小さな石を買っていっても、部屋に飾ったらまったく映えないということ。さらに、神に誓ってもいいが、絶対にストーン・パワーなど私には降り注がないのだ。
 でも、行って良かったと思う場所であった。

 そのあと辺戸(へど)岬に行く。
 ここはぜんぜんふつうの岬だった。

 そして、辺戸岬に寄ったせいで夕方前の別なアポに間に合うか間に合わないかという、血ヘドが出そうなストレスを私は感じることになってしまった(かなりオーバーか。でも、そのせいで昼食を食べる時間がなかった)。何とか間に合ったけど。

 で、ここではっきり言おう。
 2日と昨日の4日に泊まったのは、アパホテル那覇である。
 2日のときに、レンタルパソコンのカーソルが勝手に変なところへ飛んでいってしまうと書いたが、今借りているのも同じだ。
 ぜんぜん仕事にならない(ブログを書くことが仕事か?)。

 前回と同じPCをまた貸し出された可能性もあるが、たぶんこれ、キーボードの設定か何かがおかしいと思う。
 とはいえ、レンタルPCだと、コントロールパネルを開くことすらできない。

 まいった。

 もういいや。
 あきらめて早めに那覇空港に向かうことにしよう。

会いたかったぜ、よしこ!

 「♪ 好きですっ!、、、好きですっ!、、、好きですっ!、、、よしこさぁぁぁぁ~ん!」って知っているだろうか?

 その昔、林家三平(もちろん前の)が、こうやって歌っていたのだ(∴クラシック音楽?)。
 子供心に、これは落語なのかのぅ?、と疑問に思ったものだ。

 で、沖縄に来たからには“よしこ”である。

 ご記憶の方はいらっしゃらないはずだが、去年の2月に沖縄に出張したときに、ほぼ無計画に昼食を食べに入った店が“よしこそば”であった。
 味も他に比べ美味しかった(ただし、私は人生の中で沖縄そばをここ以外で食べた経験は1度か2度しかない。いや、記憶にない)。

 今年の2月にも“よしこそば”の近くまで行ったのだが、同行していたアルフレッド君の強引なチョイスによって、完璧に無計画なまま“ブラジル食堂”に入ってしまった。
 今回はまたまた名護市を通過するので、いろいろとこずるいことを企て、なんとか昼に“よしこそば”周辺に近づくように算段し、ついぞ“よしこそば”を再訪することができた。途中、国道沿いの“ガスト”に寄りたくなったが、よくぞ我慢できたものだ。

 で、今はまだ那覇のホテルにいて、デジカメで撮った写真をアップできないので、写真日記は明日以降ということにさせてもらうが、でもね、明日も無理だと思うわけぇ。
 というのは、明日の午前中は例のあの、厳格にトイレットパーパーを管理している歯科医院に行き、犬歯にギラギラ輝く保険内治療の詰め物をしてもらわなければならないし(その前に、今夜はすっごく気乗りがしないのだけど、上司命令である焼肉の席に出席しなくてはならない)、午後はやっぱり少しは仕事をしなくてはならないし、夜はKitara札響の定期演奏会に行かなくてはならないからだ。

 明日の札響の定期にはアイゼンシュタイン氏も来るはずだ。
 いや、来なくたって何ら寂しくないし、どうでもいいのだが、11月末日に氏が勤めていた(ふりをしていた)会社を辞めて、その後初めて顔を合わせることになるので、一応は懐かしがる風を装う振りをしなくてはならない。だいいち、そのあとは私的に彼の送別会を、これまた気乗りはしないのだが、しなければならない。

 そういえば、今年の2月にここ沖縄に出張に来たときには、アイゼン氏と合流し、私は12:30に那覇空港に着くと伝えていたのに、空港に迎えに来ていた氏はそのような微妙な状況を完璧に察知することなく、自分だけ昼食を済ませており、私は結局テーブルを挟んだ向かいでコーヒーを飲んでいる氏を無視しながらチキン・ガーリック・ソテーを食べたのであった。那覇のガストで

 話を戻すと、ということで、今日も明日も沖縄出張記を書く時間がない。
 で、きっと札響の演奏会の感想を先に書かねばならない。
 だから、ちょっとあとになると思う。

 で、結論から言えば、“よしこそば”は混んでいた。
 修学旅行の生徒(班ごとに行動しているらしく、チャーターしたタクシーで何台も来ていた)で混んでいた。
 私は三枚肉入りそばを頼む。あと、沖縄の炊き込みご飯であるじゅうしぃも頼んだが、こちらはピョン太リーダーと半分に分かち合った。
 満足である。
 沖縄そばでこんなに満足するなんて、少しは私も、味の許容範囲が広がった。

 でも、悲しいことによしこさんの姿は目にすることができなかった。
 あまりに忙しくて、奥の厨房から出てくることができなかったのだ。

 ホールもお姉さんが1人でこなしていたが、実にてきぱきした仕事ぶりであった。
 君たちも将来、あんなふうに気が利いててきぱき仕事ができるようになるんだよ、と修学旅行生たちに言ってあげたいと思いながら、私はそばの汁まですべて飲み干したのであった。

 麺ものの汁を飲むなんて、私にとっては異例なこと。
 そのあとのどが渇いて大変だったけど……

神々はあっちこっちに舞い降りる???

fa6b2dbd.jpg  8月23日、日曜日。
 この日は世界陸上の女子マラソンがあるというので沿道に観に行くこととした。
 スタート地点はブランデンブルク門。
 混むかと思って早めに行ってみた。でも全然。

 おやおや、警備にあたるグリーンのシャツを着た警察官たちが門をバックに記念撮影をしている。きっとこの日のためにドイツ国内のあちこちから駆り出されてきたのだろう。

 おもしろいと思ったのは、ランナーを先導するのが白バイではなく自転車だということ[E:bicycle]。
26144349.jpg  エコだねぇ~。
 でも、今回はフラットな周回コースだからいいような ものの、高低差があるコースだったら自転車はかなりつらいだろう。まっ、私が心配することではないけれど……
 それにしても暑かった。ランナーたちはたいへんだったろう。
 日本と違って観衆が沿道を埋め尽くすということはなかった。案外盛り上がっていないというか、一部のファンのイベントになっているというか。ホテルのTVも、日本のようにずっと陸上を放映しているチャンネルなんてなかった。じゃあ何を放送してef93a7ec.jpg いるかというと、よくわかんないけどドイツ語をしゃべっていた。
 ドイツも選挙が近いらしく、その手の番組が流れていたのは私にもわかった。雰囲気で。

 ブランデンブルク門へはホテルから歩いて行ったのだが、途中にユダヤ人慰霊碑があるところを通った。墓石というか、機能美にあふれた四角い石がずらーっと並んでいる。不気味じゃないけど、神妙な気持ちにさせられる。ヒトラーって悪い奴だ、ホントに。でも、ドミノ倒しを連想してしまう、い666d8859.jpg けない私。

 女子マラソンは優勝こそできなかったものの、なかなかの好成績。
 興奮冷めやらぬまま、では全然なく、ベルリン大聖堂に行ってみた。
 この大聖堂にはホーエンツォレルン王家の墓があるそうで、誰ですか?ホーエンツォレルンって……
 1894年から1905年にかけて建てられたもので、確かに由緒正しいって感じだし、「ダイセイドウ!」そのままである。壁面にある像が、絶妙な0093247c.jpg 年季の入り方。お化けの化粧をしたマネキンような不気味さである。かなり怖い。赤子なら泣く!

 それはそうと、ホテルへ戻るバスの車窓から私の目を引いたのがインターネット・カフェの看板。おぉ、ドイツにもインターネット・カフェがあるのだ。グレート!
 でも、なんだか怪しげな建物である。
 ネット・サーフィンを意味する絵もちっとも楽しそうでない。

 ドイツで不思議に思ったのがトイレの小便用便7189be9f.jpg 器の形。いや、不思議に思うことはないんだけど……
 妙に小さい。実にオープン。恥ずかしい……
 高さも高く、日本人なら少し背が小さめの人ならちと苦しいかも。
 これに似た感じのオープンな小便器は“札幌かに本家・札幌駅前店”にあった。なぜこんな便器を設置するのか“かに本家”に不満を持っていたが、ドイツ流なのかもしれない(ただし“かに本家”のは竹を切ったような筒状のものが床から立ちあがっている。TOTO製だったと思う)。
 ベルリンでは私が知る限り、レストランや宮殿なfe3e1e71.jpg どの見学先の小便器すべてがこの形。便器を製造している会社が1社なのか、実はたくさんあるがみな形を揃えているのかわからないが、日本のようないくつかの形はなかった。
 写真はコンツェルト・ハウス前の夕食をとったレストランのトイレ。便器と便器の間に仕切りがあるが、これは実は珍しい。ほとんどの場合、隣との仕切りはない。
 仕切りがないということは、この形状だから見ようと思えば丸見え。
 うぅ、ドイツ人にはとてもかなわない。
 フランクフ……
 ……ドイツ人がみな大きいとは限らないか……
 餌を待っているひな鳥[E:chick]の口みたいな形である。

9b7ba859.jpg  ドイツに出張するにあたって何冊か本を持って行ったが、そのうち2冊は日本の新興宗教に関する本。海外に出かけるときに読むにはふさわしくないような気もするが、選挙で幸福実現党が急に出てきたり、すっかりおなじみの公明党が必死になっていたり、あるいは村上春樹の「1Q84」ではオウム真理教とエホバの証人をモデルにしている団体が書かれていて、このところ宗教に関する話題が多かった。私に直接じゃないけど。だから、飛行機でじっくり読書の時間がもてるこの機会に読んでみることにしたのだ。
 幻冬舎新書の「日本の10大新宗教」、「平成宗教20年史」。著者はいずれも島田裕巳。

 聞いたことあるようなないような、あるいは知っているようで知らない新興宗教について成立の過程から性格までをわかりやすく解説してくれている。さらに、時代のニーズとその団体の存在意義についても(今回の衆院選の公明党の議席激減をみると、創価学会にも何かが起こっているようなきがしてならない)。
 それにしても、神様っていうのはこんなにあっちこっちに降りていくもんなのかいな[E:sign02]。私は宗教を信じる人に文句をつける気はまったくないけど、でもどの新興宗教も相当うさん臭いと思ってしまう。そして分派……。同じ神を信じるのに、なぜか分派していく不思議さ。そこには利害が発生するからだが……。
 島田氏は平易にこのあたりを教えてくれる。
 興味のある人にはお薦め。「日本の~」の方は2007年発行でけっこう売れたらしいから、いまさら私が読んでるのが遅れているのかもしれないけど。

C.P.E.バッハ縁の場所へ……

1e5b28e7.jpg  さて、ポツダムに向かいそこで昼食。“Wiener Restaurant & Cafe”という店名だかジャンルだか曖昧な名の店。メニューは言ってみれば「ソーセージ定食」。美味しかったがちょいとしょっぱめ。当然のごとくマスタードも出てきたが、ソーセージといえば粒マスタードだと思い込んでいたのに、ふつうの辛子。ドイツ滞在中はついぞ粒マスタードには出会わなかった。どういうこっちゃろう……
 この店でのデザートは大量のアイスクリームにたっぷりと生クリームをかけたもの。半分まで食べないうちに私は「ごめんなさい」状態。
 そしてサンスーシー宮殿に向かったのであった。

 サンスーシ宮殿……。C.P.E.バッハが仕えたフリードリヒ2世の夏の離宮である。

 ほら、入口にはフルートを吹く国王が……って、ちょいとブッキー。

 さらに私はこのとき、徐々に体の不調を感じていた……

快適なANAのフライト。そして逆立ちベアに迎られ……

be39cdaa.jpg  21日から昨日25日の日程でドイツに行ってきた。
 ヨーロッパへの出張は2度目、6年ぶりである。

 前回はJALでアムステルダムに入り、現地にある取引先のアムス駐在の方にアテンドしてもらい、ベルギー、ドイツ(ブレーメンとハンブルグ)、パリをあわただしく回った。観光する時間はあまりなく、ブレーメンに行ったにも関わらずブレーメンの音楽隊の記念碑すら見てこなかった。
 ということで、今回は暇を見つけては観光もしようという意気込み(ってほどじゃないけど)で行ってきた。

 Airは全日空。ふだんから国内出張でも全日空を使っているせいもあって、なんとなく落ち着く。前回はJALであったが、JALが悪いというのではないが、どうも利用したいという気持ちにならない。
 どうしてか?
 それが今回の出張中でわかった。ほんのささいな出来事が根っこにあった。

 私は新婚旅行でグァムに行った。別に定山渓温泉でも構わないじゃないか、と提案したが、却下されてしまったのだ。そのとき利用したのはJALであった。

 グァムからの帰りの便。明け方。
 私はシートでうつらうつらしかけていたのだが、そのときに客室乗務員呼び出しのボタンにズボンを引っ掛けてしまったようだ。やって来たキャビン・アテンダント(スチュワーデスさんだ)の、「いったい何なの?」というような、機嫌悪そうな、面倒くさそうな表情。

 今回、飛行機に乗っていて、私はふとその一瞬の出来事を思い出した。
 考えてみればそれからだ。就航していない路線はともかく、すべてAirを利用するときはANAに替えたのだった。恐るべし、些細な出来事による潜在意識、顧客不満足度の執念深さ。

 考えてみれば、前回の成田→アムステルダム、パリ→成田もJAL利用であったが、そのときの私も何か居心地が悪さを感じた。乗っている間に何があった、というわけではないのに……
 思い込みかも知れないが、JALの客室乗務員にはプライドの高さのようなものが感じられる。被害妄想かも知れないが「この人、旅慣れてないみたい」という目線で見られているように感じるのだ(言っておくが、私は旅慣れている方だ)。

 新婚旅行の帰り、早朝に成田に着いた後、夕方の羽田→千歳のJAL便で戻ったが、そのときの客室乗務員はとても親切(というよりも、ふつうの応対)だった。感じがよかった。
 でも、ほんのちょっとしたことで、私のJAL苦手意識は心の底に根づいてしまったようだ。
 ANAのフランクフルト便に乗って、そのことがふと理解できた次第。

36c38059.jpg  アムスに行ったときも思ったけど、ロシアの上空をずっと飛んでいるのって、すごく嫌な感じ。ミグ戦闘機がやって来ないか、とか、もし撃たれて落ちてもこんな場所じゃ発見されるまで恐ろしく時間がかかるだろうな、などといらんことを考えてしまう。モニターの地図を眺めながら、速く進めと思う。

 ところで私の席のすぐ近くには小さな女の子連れの夫婦が乗っていた。着陸が近くなると、女の子はぐずって大騒ぎ。気圧の関係で耳が痛いのだろうか?「かゆい、かゆい」とも叫んでいる。
 小さな子供がぐずるのはある程度仕方ないと思う。でも、この夫婦、ほとんど騒いでいる子供をほったらかし。何を言ってもどうせ聞かないんだから、というような態度である。
 どーしようもない。
 日本の恥……

0e32c489.jpg  フランクフルトに近づくと、雲間から地面が見えた。
 おお、ヤマ!ハタケ!
 ああ、ヨーロッパ!
 本州から北海道に旅行に来た人は、北海道の景色を見てヨーロッパ的と感じると言うが、確かにわかる。私は窓からのこの景色を、長沼あたりの畑のものと区別できなかった(千歳に着陸する便は、風向きによっては長沼の上空から回り込んで着陸するのだ)。そういえば、高校のときに同じクラスだった山畠さんは元気だろうか……

 フランクフルトからはルフトハンザでベルリンへ。今回はベルリンにずっと滞在。
 フランクフルトからベルリン行きの際のセキュリティ・チェックは厳しかった。
 最初からベルト、腕時計ははずすように指示される。私はパスしたが、一緒に行ったメンバーのほとんどがそれでも引っ掛かった。そのうちの1人は靴まで脱がされ、さらにおちゃらけで、ごっつい体格の男性係員に足の裏をくすぐられていた。

 ルフトハンザ機での機内食では、いまやすっかり流行のカレー・ヴルスト、つまりカレーソースをかけたウィンナーが出た。おお、いきなり名物が食べられるなんて!冷めていたけどなかなかおいしかった。

 ベルリンに着くころにはどしゃ降り。
 それよりも、またあの子連れ夫婦と同じ便。
 子供は出発から到着まで、「耳が痛い」だの「かゆい」だの大ぐずり。時折、母親の「静かにして」だの「ちゃんと座ってなきゃ危ないでしょ」という声が聞こえるが、例えば耳の痛みのために飲み物とか飴を用意しておくとか、なぜしないのだろう?しかも、一緒にいるオヤジはオヤジで何をやっているんだ。
 体罰を下せとは言っていない。それは逆効果だし、外国なら虐待と思われてしまう。
 でも、あまりにもお粗末!
 ああ、日本の大恥。

 ルフトハンザの客室乗務員は、なんというか、豪快な感じ。
 以前、ハンブルク→ブレーメンで乗った、エール・フランスのスチュワーデスほどではなかったが、それでも救命胴衣の付け方のデモンストレーションはなかなか。獅子舞状態で楽しめた。

e8264cea.jpg  ホテルはヒルトン。
 ホテルの玄関には逆立ちしたBearが置いてある。
 人の話をよく聞いてなかったのでいい加減なことしか書けないが、BerlinのBerとBearを引っ掛けているらしい。ベルリンを象徴するのが熊であり、街のいたるところに熊の置物がある。ホテルの玄関前にあったような逆立ちしたものもけっこう見かけた。
 ホテル内にも、あるいは来る時のルフトハンザ機もそうだったが、日本人の姿が多い。世界陸上が開催されているせいだろう。

 ヒルトンのすぐ近くにはコンツェルト・ハウス(Konzerthaus)があった。
 その話は次回以降に書くとして(といっても、外観を見ただけだが)、初日の夕食はホテル内のレストランで。その名も「マーク・ブランデンブルク」。おぉ、ブランデンブルク、である。
 ここのステーキは美味だった。
 1枚というよりは1個という感じの、背の低い円柱。底面積は小ぶりのハンバーグ程度だが、厚みというか、高さが5cmほどある。日本では底面積(大きさ)が広いが暑さは1cm程度のことが多い。その違いが面白い。
 ミディアムで頼んだが、中までちゃんと火が通っている。日本でミディアムというと、中はけっこうな生で、食べているうちに血が滴ってくる(実際には血ではなくミオグロビンらしい)。あれはいただけない。生が嫌だからミディアムを頼むのだし、さらに赤い液体が皿にたまるのは気持ちの良いものではない。
 この地で、ミディアムの焼き方で中までちゃんと火が通っているということは(しかも表面が焦げて固くなったりもしていない)、日本のミディアムの概念って、ちょっと勘違いしてるんじゃないかな、と疑ってしまう。
 もちろんビールも飲む。でも、時差ぼけで意識は希薄。量も飲めなかったし、銘柄も覚えていない。やれやれである……

 今日の記事は、ANAを讃える記事とも言えるので、一応はレビュー記事扱いにしておきたい。

 

「天使の蝶」とははたして何のことか?

3e82b065.jpg  この出張中、久しぶりに小説を読んだ。
 プリーモ・レーヴィの「天使の蝶」である(関口英子訳。光文社古典新訳文庫)。
 表題作のほか、全部で15の短編小説が収められている。

 私は、昨年の秋にこの本が出版されたときにすぐに購入したのだが、なんとなくそのままほったらかしにしていて、やっと今回読むこととなった。

 この作家の名前を私は知らなかった。1919年生まれ、1987年没のイタリアの化学者・作家だという。ユダヤ系の家庭に生まれたため、アウシュヴィッツ強制収容所に送られたこともあったのだそうだ。
 本書のについて書かれている光文社の出版案内の内容は、
 《アウシュヴィッツ体験を核に問題作を書き続け、ついに自死に至った作家の、「本当に描きたかったもうひとつの世界」。科学的知識と豊かな空想力が横溢する「ケンタウロス論」「転換剤」「完全雇用」など、奇怪で優しい不思議なテイストの傑作短編集!》
 というもの。

 読んでいて、自分が引き込まれていくのがわかった。
 こういう着眼点をどうして持つことができるのか新鮮だったし、化学者だったために、空想ごとがものすごくリアルに(そしてしばしばかなり無感情な科学論文のような表現で)、まるでどこかですでに現実に起こっているのではないか、というように描かれているのだ。

 “匂い”の記憶をテーマにした「記憶喚起剤」なんて、実際に何かの治療に使えそうである(たとえばアルツハイマーになんかはどうだろう?)。

 訳の関口英子は、同じ光文社古典新訳文庫にある、ブッツァーティの「神を見た犬」やロダーリの「猫とともに去りぬ」も訳している。そのなかでも、このレーヴィの小説は、韻をふんだりするものがあって、「よく訳したなぁ」って思わせる。
1e89cad8.jpg
 ちょうど本を読み終えたときに、飛行機は新千歳空港に到着。
 さすがに今朝は疲れが残っているです。

 それにしても、やっぱり名古屋のセンスって……である。
 市役所だか県庁だかよくわからないけど、城を模しているんだもん……。外人なら(あるいは日本人でも)名古屋城と間違える可能性もあるな……

ハブとマングースは何をするのか?

a960de9d.jpg  沖縄での2日目。
 眠れぬ夜を過ごし、その割には食欲は旺盛で朝食はたっぷりとり、せっかく来たのだからせめてビーチぐらいは歩こうと、すぐそばのビーチに行ってみたが靴が砂だらけになっただけに終わってしまった。
 ホテルの前に、何やら見覚えのある実をつけた木があったので、名前のプレートを見ると「タコノキ」と書いてある。タコノキは写真で知っていたが、こんな実をつけるのかぁ。
 これに似た実は、昨年奄美大島に行ったときにずいぶん見かけた。まるで奄美の象徴のように、いろいろなものにこれが絵とか看板などに描かれてもいた。でも、「タコノキ」とは呼んe056a26f.jpgでなかった。なんて呼んでいたか忘れたけど。この「タコノキ」が、奄美大島でみたものと同じ種類のものなのか別なものなのかわからないが(タコノキには600種ぐらいの品種があるらしい)、何といってもトロピカルな雰囲気の植物である。

 ホテルの中庭には「トックリヤシ」とプレートがつけられた木が何本も植えられていたが、それも実をつけていた。小さな実をたくさん。
 へぇ、トックリヤシってこんな実をつけるんだ。

 いまではバラ栽培にほぼ特化している私であるが、昔は観葉植物や多肉植物が好きで、鉢植えで栽培していたことがある。
 タコノキは育てたことはないが、トックリヤシは育てたことがある。北海道では遅々として成長しない。それが、こんなふうに当たり前のように育ち、当たり前のように実をつけてるのが、なんとも不思議。
 昨年末にパパイヤ(矮性種)の苗を注文し、夏前には届く予定だが、それも、昨年奄美に行 った時に、当たり前のように民家の庭先で実をつけていたのを見て刺激を受けたからである。パパイヤが実をつけている姿って、けっこうワンダーでおもしろいと思ったのだ。北海道でうまく育てられるかどうかわからないが……
2f156b80.jpg  今回、沖縄でもパパイヤを何箇所かで見かけたが、奄美に行ったときほどの頻度ではなかった。

 視察しなければならないところがあって、国頭村をあとにし、南下して屋我地島(やがじじま)に行く。さらに長い橋を通って、その先の古宇利島(こうりじま)へ。
 はい。島でした……

 昼過ぎに名護市に着けばよいスケジュールだったので、ちょっと観光。

 まずは「やんばる亜熱帯園」へ。
 北海道なら、亜熱帯植物を見るなら温室施設でなきゃならないが、ここでは当然、ただの森。
 そこにアンスリウムだの、ランだのが当たり前のように咲いている。ヘゴの枝元にランが根を張ったり垂らしている様子を見て、「これが本来のランの生態なのね」と納得。でも、一緒に行った同僚はつまらなかったみたい。私も「こんなもんか」と思ったけど。
 昨年奄美の帰りに乗り継ぎで寄った那覇空港で、私はミニパインの苗を買ったが、その苗は今でもほんの成長した程度の状態で家に置かれている。ところが、ここでは写真のような状態でお元気お元気。まるでミドリガメが草の先で休んでいるかのような光景だ。

29753893.jpg  昼食は「亜熱帯園」の近くにある「そばの“よしこ”」というところで食べる(というよりも、観光マップで「よしこ」を知り、その目的でこのあたりに来て、時間つぶしに「亜熱帯園」に寄ったというのが正しい)。ソーキそばと「じゅーしぃー」という沖縄の炊き込みごはんを注文。ソーキそばは「小」を頼んだが(600円)、食べた感じでは「小」が普通盛りのようだ。店名にちょっと「ひく」感じがあるし、店もまったくこじゃれていないが、味はとても良かった。芸能人の色紙も何枚か店内に貼られていて、観光地名物料理店風の雰囲気は完備されていた。

 そのあとは今帰仁城跡へ。場末のスナックのような「亜熱帯園」のあとここへ来ると、「あぁ、ここに来て良かった」という高い満足感が得られた(亜熱帯園さん、すいません)。さすが世界遺産だけある。
36f53990.jpg  そうだよな。北海道で言えば、〇〇クマ牧場と知床を比較するようなもんだかなぁ。そういう比較をしちゃだめだよね。ねっ、よしこ?
 途中「ハブ&マングース ショー」という看板を見て、「本当にハブとマングースが戦うのかねぇ」「動物虐待だって、騒がれたことあるよなぁ」「そういえば、戦うなんて一言も書いてないなぁ」「実物がいるかどうかもわからないよなぁ」と、会話しながら、結局パス。

 そんなこんなで名護に向かった。
 名護ではこの日、日本ハムファイターズが千葉ロッテマリーンズと試合をして、負けた。私が名護に足を踏み入れたために勝てなかったような気がして申し訳なく思ってしまった(自意識過剰)。
 名護のホテルのフロントで聞いた、創食家「縁」という店で夕食を食べる(沖縄料理店ではない)。
f8f742ce.jpg  17:30から飲み始めたが、まだひどく明るい。札幌ならもう暗くなっている時間なのに。
 それはそうとして、頼んだ料理のどれもが実においしかった。特に、鶏肉のトマトソースのソテーはもう一度食べたいと思うくらい。地元の方が集まる洋食系居酒屋みたいな感じで、この店、すごくお薦め!

 そして、クソ暑かった沖縄の2日目も終わったのであった。

「南の島で南極1号のことを想ふ」の巻き

31366116.jpg  さて、すでにご案内のとおり、私は一昨日から南の島に来ている。
 私の人間性を正しく把握している人ならば、すでにお気づきだと思うが、その島というのは沖縄本島である。本当である。
 何しに来たかというと、繰り返して書くが「仕事」である。

 水曜日に、その前の出張先である甲府――あぁ、冷たい雨が降る甲府――から、特急「かいじ」で東京に戻り、羽田から那覇空港へ飛んだ。
 それにしても、特急「かいじ」って変な名前だ。音的に。でも意味は「甲斐路」なんだから、そう考えるとおかしくない。でも、カイジって、特急列車の名前にしては語呂が悪い。まだ、気象衛星 「ひまわり」の方が、口にしやすかった。どうしようもなく強引な観点からの比較だが……

 その「かいじ」だが、行きの「スーパーあずさ」の所要時間が約90分だったのに対し、20分ほど余計に時間がかかる。停車駅が多いせいなのはわかるが、ずいぶんと差があるものだ。
 近くの席で、乗るのに飽きた子供が、「おかあさん、まだ着かないのぉ~?」とぐずっていた42ebc185.jpg が、その気持ちはわかる。私も、「お、お、奥さん、まだ着かないのぉ~?もう、ボク、座ってられな~い。抱っこ!」と声をかけたくなったくらいだ。

 羽田空港では乗り継ぎの時間があまりなかったので、ANA-FESTAで初めて見かけた「豚しょうが焼き弁当」なる空弁を食べた。
 う~ん、ご飯はおいしいし、肝心のしょうが焼きの味も悪くないが、これって“焼き”なのかねぇ。底に脂もたんまりたまっている。780円もするし……。崎陽軒のシウマイ弁当にすりゃあよかった(売り切れてたけど)。

 那覇空港に着いたあと、最初の用務のため国頭村(くにがみそん)へ。
 レンタカーで約2時間の距離。
 いやいや、沖縄は「わ」ナンバーの車が実に多い。つまりレンタカーだ。それだけ観光客が多いということだ。
 それから、沖縄のドライバーはなぜか総じてウィンカーを出すのが遅い。まあ、沖縄以外から来たと思われるレンタカー運転者も同じような傾向にあるが……

 国頭村では、リーズナブルな「宿」が満室だったためfb580e45.jpg 、「JALプライベートリゾート・オクマ」に泊まる。

 あぁ、リゾート!
 イタリアのおかゆはリゾット!……すまん。

 コッテージに泊まる。
 あぁ、立派!素敵!

 ビジネスの出張で泊まるには悲しすぎる(ビジネスでない出張っていうのは、たぶんないのだろうが)。1人でここに滞在すると(同僚も一緒だが、もちろん彼とは別な部屋)、まるでそこのリゾート的時空の流れに完全に取り残された人間になったような気がする。
 
 広い部屋に1人たたずんでいると、「こんなことなら、寂しさを紛らわす相手として、空気で膨らませる人形を持ってくればよかった」と思ってしまう(冗談ですってばぁ)。

 リゾート地としては、すばらしい。
 スタッフの感じも良い。
 でも、仕事で利用するには酷だ。

 先日書いたように、この慣れない雰囲気の中、結局私はほとんど寝つけないまま朝を迎えた。
 2日目も「やれやれ」的な暑さになったが、その話は明日にでも……

 ※ 写真上:泊まったコッテージ
    写真中:こういう部屋をシングルユースで1人ぽっちで泊まるなんて……
    写真下:そして眠れぬ夜が明けてゆく

寝つけないベッドからのメッセージ

 「南の島」に、昨日の午後、着いた。
 私の想定範囲を超えた暑さだ。

 あぁ、ニューカレドニア!

 で、暑くて汗ばんで全然寝つけない。冷房を入れたら、今度は涼しすぎるし、身体にも悪いだろう。こりゃ、朝まで寝られないな。おまけに、いつの間にか腕を虫に刺された痕跡もある。北国育ちの私には、南国は無理のようだ。

 それにしても日本は広い。おとといの朝、家を出るときにつけた耳あてが、いまもカバンに入っているが、気ちがいじみるくらい、この場にはアンマッチだ。

 えっ?「日本は広いってなんだ?ニューカレドニアにいるんだろ?」って?
 いいえ、私は先ほど不必要に「あぁ、ニューカレドニア」と、恋する乙女のようにつぶやいただけです。ニューカレドニアに着いたなんて言ってません。

 あぁ、暑い。病人のように汗ばんでいる私である。

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