読後充実度 84ppm のお話

“OCNブログ人”で2014年6月まで7年間書いた記事をこちらに移行した「保存版」です。  いまは“新・読後充実度 84ppm のお話”として更新しています。左サイドバーの入口からのお越しをお待ちしております(当ブログもたまに更新しています)。  背景の写真は「とうや水の駅」の「TSUDOU」のミニオムライス。(記事にはアフィリエイト広告が含まれています)

2014年6月21日以前の記事中にある過去記事へのリンクはすでに死んでます。

デジタル・インターネット

自称Antivirusという、本性はVirusなやつ♪シューマン/Sym2

4febf32e.jpg  金曜日の朝。

 いつものように早起きし、PCを起ち上げ、ブログ記事の最終手直しをしたあとアップ。そのあと登録しているランキングサイトに、これが記事繁栄につながりますようにと記事反映のPing代理送信処理を行なった。
 しつこいようだがいつものことで、どの一般的な家庭にもみられるのどかな光景だ。

 さらに、これもいつものようにポイントサイトに入って、今日のプレゼントに応募した。
 これとて、家族のために洗剤セットを当ててやろうという、ふつうの良心的な世帯主に見られる行為だ。

 そのあと新聞を取りに行き、新聞を読み、ひげを剃り、シャワーを浴び、食事をし、歯を磨き、スーツに着替え、さてもう一度PCに向かってシャットダウンしようとしたら、見かけぬものが表示されている。

 英語のメッセージが現れたり、ウイルスチェックをしている画面がうるさく、かつせわしなく表示されているのだ。

 なんじゃこれ?

 変なものをダウンロードしちゃっただろうか?
 いや、どう考えても、ブログをアップした後に行なったことはひげを剃ったり、シャワーで肌に磨きをかけたり、目玉焼きを食べたりしただけで、新たなプログラムをダウンロードした記憶はない。一般的には“変な”と言われるサイトを訪問してもいない。

 デスクトップには立派と言えば立派、気持ち悪いと言えば気持ち悪いショートカットが作られているし、画面下部のメッセージセンターの旗マークのアイコンには赤い×印が表示され、そこをクリックすると、不正だか危険なプログラムがなんとかいう警告メッセージが私に警告を発していると同時に恐怖感を与える。

 やばい。
 もしやこれってウイルスか?
 ウィルス対策ソフトは機能しなかったのか?(昨日(事件が起こった翌日)になって、このPCに入っているウィルス対策ソフトから新たなウィルス・パターンを更新というメッセージが表示された。こいつにも対処できるようになったのだろうか?)

 けっこう動転したし、仕事に出かけるまであと20分しか残っていない。かといって、このままシャットダウンして出かけるのも義理人情に欠ける。

 「お客様、落ち着いてください」という、飛行機が操縦不能に陥った時に客室乗務員が発するセリフのことを思い出し(ただしドラマ)、まずは再起動してみる。

 同じようにスキャンしている画面。警告メッセージ。
 そしてさらに、“このウィルススキャン・ソフトを買え”みたいな画面に切り替わる。お値段99.99ドルのこのソフト。その名もSystem Care Antivirus。
 どうやら、このソフトを購入すると、あなたが困惑しているこの現象が治りますよと言いたいらしい。英語はよくわからないが、感情というものはなんとなく通じるものである。

 話は一挙に先に飛ぶが、その日の夕方(職場で)ネットで調べたら、ウィルスに感染したと見せかけ、そのソフトを買わせようとするウィルスプログラムらしい。

 話を一挙に戻す。

 そして画面には他にも英語のメッセージが表示され、×をクリックして消しても次々襲ってくるやぶ蚊のようにすぐに再表示される。

 まずはショートカットをゴミ箱に捨てる。もちろんこれでは病状は変わらない。

 “すべてのプログラム”を表示させると、System Care Antivurusの名のフォルダが勝手に出来上がっていたので、これも削除する。病状にまったく変化なし。

 コントロールパネルを開き、“プログラムの追加と削除”を実行。ところがこの名のプログラムは表示されない。つまりアンインストールのしようがない。

 同じくコントロールパネルで“システムとセキュリティ”→“アクションセンター”でセキュリティを調べる。ウィンドウズ・ディフェンダーが無効化されている。が、有効化しようにもいうことをきかない。システムの復元を試みるが、これまた実行できない。

 ネットで調べようとするが、インターネット・エクスプローラー(IE)も動かない。
 これでは手の施しようがないではないか!
 まいった……

 ここまで15分ほどだったが、私にはとてもとても長く感じた。

 何度も出てくるメッセージやスキャン中の画面を×をクリックして消し、そしてまた現われというまさにイタチごっこをしているとき、時折見かける“このなんたらをマイクロソフトに報告しますか?”という、マイクロソフトのメッセージが表示された。
 そこで“送信”をクリックしたら、すぐにこいつらは初めから何もなかったかのように消えた。
 早く出てきてよ~

 インターネットも使えるようになったし、システムの復元もできるようになった。
 そこで3日前の復元ポイントを使ってシステムを復元。
 出勤時間ぎりぎりで、厄介者を駆除することができたのだった。

 帰宅してからウイルス対策ソフトでスキャン。
 果たしてインストールしているソフトがあのSystem Care Antivirusにすでに対応しているかどうかはわからないが、スキャンの結果は問題なし。私の肝臓とは違うものだ。あっ、あれはスキャンじゃなくてエコー検査か……
 上のサイトの説明に従ってレジストリを確認したが、これも問題なかった。

 それにしても、消しても消しても執拗に表示されるウィルスソフトの画面は、まるでシューマン(Robert Schmann 1810-56 ドイツ)の交響曲第2番ハ長調Op.61(1845-46)の第2楽章のようなしつこさと、また私の焦りとイライラ感も、この曲の第2楽章のような感じであった。
 この曲については前に詳しく書いているので内容については触れないが、とにかく私はこの第2楽章を聴いていると居心地が悪くなる。

 ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で。
 ハイティンクの演奏は、聴き手を高揚させるようなことはしないが、スケール感があって安定している。安心して聴いていられる演奏とでもいうのだろうか?
 1984録音。フィリップス。

 私の場合は、上記サイトにあるようなセーフモードで起動し処理するという必要はなく終わることができた(そのような事態に陥った場合、まずはショートカットを削除した私の行動は軽率だったことになる)。
 が、マイクロソフトに状況を“送信”した直後に、少なくとも見た目には跡形もなくなったのはある意味不思議である。

 回復後、あらためてWindows Updateを行なったが、IEのヴァージョンが10に更新された。
 すると、今度はこの、ブログの編集画面の表示が微妙に変化した。気に食わないが進歩についていくしかない。

キャバレー“黒猫”、ゴミステーションの黒猫、サティ/猫の歌

 NTTコミュニケーションズがサービスを提供していた人気ブログランキングの“TREview”が6月末をもって終了した。
 事前の通知はあったが、それでも突然終わったという印象は否めない。
 まっ、あまり盛り上がらなかったということだろうな……

 私にとっての問題は、これまで1つ1つの記事に貼っていたこのTREviewのバナーが表示されなくなることだ。いや表示されなくたってまったく構わない。それが無色透明ならば。
 しかしそれらは死骸として残る。赤いバッテン印として。
 死骸と言うのは言い過ぎだと言うなら(“言”が多いな)、“ゴミ”が残ったままだ。
 すべての記事からこのゴミを消去するなんて、作業的にとても不可能だ。掃除できない。

 記事を書くことだけで精一杯なのに、過去記事を1つ1つ修正していくなんてできない。こういうのって何かいい方法は無いのだろうか?

 TREviewの場合は記事ごとのランク付けだったので、記事ごとにバナーを貼りつけなきゃならなかったが、他のランキングのサイトについては記事単位ではない。となると、縁起でもないが将来これらのサービスが終了したときに備えて、バナーの貼り付けはサイドバーだけにとどめておいた方がいいのかもしれない。

 そしてまたNTTコミュニケーションズである。
 ここがサービスを提供しているアフィリエイトの“My Affiliate”が9月26日をもって終了するらしい。

 ん~、エヌコミズに何があったんだ?

 もっとも、私もMy Affiliateを利用してのバナーはほとんど貼っていないのでこちらの影響は少ない。他のアフィリエイト・サービスと違い、私にはMy Affiliateはいろいろな点で使いにくかった。
 NTTコミュニケーションズに対し私は好感を持っているが、それでもマイアフィリのページは、たとえば自らブログをやっているタレントのノウハウ記事なんかもずっとずっと更新されなかったりして、やる気が感じられないというか、役所的というか、利用者にやる気を起こさせるような作りではなかった。バリューコマースとはえらい違いだ。
 ということなんかで、ダメになったんじゃないかと思う。

 ここのアフィリエイトの報酬は、ほかもだいたいそうだが1000円以上でないと振り込まれないが、サービス終了時には1000円未満でも振り込まれるという。
 やったぁ。1000円に達しなくてずっと貯められたままだったわが報酬の8円が振り込まれるぅ~!
 って、振り込んでもらうのが気の毒です。辞退しても構いません。

 ゴミと言えば、先日ゴミステーションにゴミを出しに行ったら(まさか鑑賞のためにゴミステーションに行く人はいないだろう)、四方がコンクリートで囲まれ、上部はネットがかけられているにもかかわらず、いくつかのごみ袋が引き裂かれ中身が散乱していた。

 おかしい。

 どう考えてもカラスが侵入したとは思えない。もし入れたとしても、あのネットの張り方なら脱出することが不可能になるだろう。

 そう思いつつも忘れかけた数日後。
 たまたまゴミステーションの前を通りかかったら、いたのである。黒いものが。
 過去、ゴミステーションの中に人がいたことも経験している私としては驚きはしなかったが、意外ではあった。

 それは1匹の黒猫だった。
 品が良さそうに見えたが、そいつはごみ袋を破き、漁っていた。まさか野良猫ではないだろうが、飼い主は我が家のかわいい猫ちゃんが外では不良さながらにゴミ漁りをしているなんて夢にも思わないだろう。
 きっと家では高級ペットフードなんぞを与えられているんだろうにな。それでも、やっぱり人様と同じようなものの方が美味しいのかな?どうなの猫ちゃん?

3dee4cb6.jpg  サティ(Erik Satie 1866-1925 フランス)の「猫の歌(Chanson du Chat)」。
 5曲から成る歌曲集「潜水人形(Ludions)」(1923)の第5曲である。
 ほかの4曲は、1.ねずみの歌/2.憂うつ/3.アメリカの蛙/4.詩人の歌。詞はL.-P.ファルゲによる。

 私は歌詞の内容をよく知らないが、この曲は楽しい。
 各曲とも1分もない短いものだが、斜に構えたようなサティのスタンスがそのまま音楽になっている感じ。
 ピアノ曲でしかサティに接していない方には、彼の歌曲も聴くことを、私は僭越にもお勧めしたい。
 
 私が聴いているCDはメスプレのソプラノ独唱、チッコリーニのピアノ演奏によるもの。
 1969録音。サティのピアノ作品&歌曲集。EMI。

 ご存知のようにサティは変わり者のピアニスト兼作曲家だったが、ドビュッシーの数少ない親友の1人だった。
 サティはキャバレー“黒猫”で客引きのためにピアノを弾いていたが、フランス芸術界に抜きん出た位置をも占めていた。
 ドビュッシーがサティと初めて会ったのもキャバレー“黒猫”でであった。

 それにしてもあのゴミ捨てならぬゴミステーションにいた黒猫、見事な体捌きで逃げて行った。たいしたもんだと感心した。

マメに参加していたTREviewが終わることについて

66190265.jpg  こんなメールが来た。

 いやいや、今回はスパムメールではない。

 TREview事務局からだ。

 平素よりTREviewをご利用いただき、ありがとうございます。

 この度2012年6月29日をもちまして、TREviewのサービスを
  終了させていただく事になりました。
  長きに渡りご利用いただき、誠にありがとうございました。

 ■サービス終了に伴う注意事項

  ・ ブログの登録は2012年3月31日で終了させていただきました。

  ・ サービス終了日以降は評価バナーが表示されなくなりますので、
     評価バナーをお取り外し下さいますようお願いいたします。    

  ・ サービス終了日以降はトラックバックは受信不能となりますので、
     トラックバックを送信しないでください。


 はい、わかりました。

 ところで、TREviewってなぁにと、いまさらながらに私をがっくりさせてしまうような疑問を持つ人も少なくないだろう。
 いつも当ブログの一番下に載せているバナーがそれだ。
 「クラシック音楽のレビュー記事ランキングは↓からご覧いただけます」って書いているやつ。

 「へぇ、どれどれ」と純粋な感覚の人がこれをクリックしてくれると(こういう人はオレオレ詐欺とかに注意した方がいいかもしれない)、同時にに私の記事への投票も行なわれるというものだ。
 そのわりに私のランクが上昇しないのは、間違いなくこれをクリックしてくれるような純粋な人は、私の記事の読者層にはあまりいないという証拠だろう。

 で、終了するんだそうだ。

 TREviewといえば、過去(2008年夏)に一度、その方法が変わってけっこう直すのに面倒な思いをしたのだが、今回はいさぎよく終了宣言だ。
 それについて私は何の非難の言葉も称賛の言葉もないが、とはいえ、「評価バナーをお取り外し下さいますよう」お願いされても、それは無理だ。
 毎回毎回載せているバナーを、取り外すのは無理だ。
 終了後、バナーを載せてあったところはどんな風になるのか知らないが、無理な以上、「もう終わったよ、この愚か者!」みたいな表示が出るようなことだけは勘弁してほしい。

 「愚か者のアントレ(Entre du fol)」という曲がある。“アントレ”であって“アンタ”じゃないから、勝手に勘違いして怒らないでほしい。

 作曲者は不詳(作曲者不詳を欧文ではAnonと書く)。
 1543年に楽譜出版社を興し、楽譜出版のみならず器楽編曲や作曲も行なったスザート(Tylman Susato 1500頃-61⇔64頃 フランドル)の出版楽譜のなかに含まれている器楽作品(スザートが編曲)である。

 アントレというのはヴェルサイユ楽派(17~18世紀にパリ近郊のヴェルサイユ宮殿で活躍した音楽家たちの一群。リュリ、F.クープランラモーも属していた)の歌劇などでの、登場人物の行進曲。または、それと性格が似た器楽曲。
 ということは、「愚か者のアントレ」とは「愚か者の入場行進」って感じになる。

 んっ?スザートとヴェルサイユ楽派との年代が合わない?
 そうだね…………

 とにかく、前にも紹介したコンヴィヴィウム・ムジクム・イェーテボリの演奏のCDを。
 アルバム名は「『スザートの音楽帳」から フランドル地方の歌曲と舞曲集」

 1997録音。ナクソス。

129円の「不滅」……Nielsen/Sym4

1379eed0.jpg  1か月ほど前に購入したパソコン(Windows7)。

 土曜日に、よく使うNotePad(メモ帳)のショートカットをデスクトップに置こうと、「すべてのプログラム」→「アクセサリ」からNotePadクリックしデスクトップへドラッグした。

 その結果、デスクトップにはNotePadのショートカット・アイコンが表示されるようになった。といっても、ショートカットを作成することは、類人猿ならば誰でもできると言っては過言すぎるほど簡単なことだ。

 ところがである。
 そのNotePad、「すべてのプログラム」→「アクセサリ」の中から消えてしまった。

 もちろん、NotePadのプログラムそのものが削除されたわけではない。プログラム自体は、この程度“ちょした”ところで、もちろん不滅だ。実際、ショートカットをクリックすれば、NotePadが起動するわけで、プログラム自体は生きている(【ちょす】いじる(北海道弁))。

 しかし、本来あるべき「すべてのプログラム」→「アクセサリ」のなかに表示されないのは、なんとも落ち着かず、気持ちがよくない。スペアキーだけあって、マスターキーがないような感じだ。
 困ったニ……

 ということで、昨夜はズッキーニさんと食事った(【食事った】しょくじった。食事をすること by mukipedia)。

 正しく言うと、ズッキーニさんはあくまでもビジネスで私のいる支社を夕方に訪れたのだ。
 しかし、ビジネス・トークの果てに、そのあと彼と私が夜の街でしっぽりと豚丼の肉だけを食べながら、ビールを飲んじゃうことは事前に容易に想像できた。

 その報告はまたとして、消えてしまったものを復活させる方法は意外とネットにも書かれていなく(XPやVistaについてはあるが)、自力であーだこーだやった末、なんとか元に戻すことができたが、2時間も費やしてしまった。

 みなさん。
 私がやったような方法でショートカットを作る場合は、必ずctrlキーを押しながらドラッグしましょう。これだとコピーになりますので、「すべてのプログラム」の一覧から消えてしまうことはありません。ただドラッグするだけでは、(shiftを押していないのにもかかわらず)移動扱いになってしまいます。私が異動したからといって、こんなことでよいのでしょうか?

 それに、1つでも消えてしまったら「すべての」ではなく、「大半のプログラム」と称さなくてはならないと思うのですが、そのへんの表示変更の自動化はWindows7といえども、サポートしておりません。

 あと、もっと安全な方法は、「すべてのプログラム」→「アクセサリ」でNotePadを右クリックし、「送る」を選択。デスクトップ(ショートカットの作成)を選ぶことです。

 で、不滅ということについて。

 10枚セットのボックスが1,290円。

 ほんとかいな?

 確かに輸入盤CDは、時として激安になったりするが、これは安い!
 先日タワレコに行ったときに偶然見つけたCDセットである。
 ニールセン(Carl August Nielsen 1865-1931 デンマーク)の作品集である。

 じゃあ、このボックスに書かれている人は誰か?
 はい、ニールセンです。

 でも、安かろう、悪かろうじゃ困る。

 ということで、まずは彼の作品でいちばん有名な交響曲第4番Op.29「不滅(Det uudslukkelige,英:The inextinguishable)」(1914-16)を聴いてみた。
 演奏はBostock指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル。2000録音。

 いや、なかなかいいんです、この演奏。
 ちょいとあっさり味だが、しっかりとした、そしてきれいな演奏だ。
 特に第3部(実質の第3楽章)の郷愁あふれる箇所は、じーんと来る歌い回し。
 買ってよかった。

 このセット、井上和男の「クラシック音楽作品名辞典 第3版」に載っていない曲もいくつか収録されている。ちゃんと調べなくては、ネットで。

 なお、箱の中のディスクはもちろん1枚ずつ紙のスリーヴに収められているが、すべて外箱と同じニールセンの肖像写真。

 ということは、裏っかえして神経衰弱をやっても、かならず当たる!

 にしても、ご丁寧に「デンマークの交響曲作家」って書かれているところは、まだまだニールセンってそれほどは知られていないのかもしれない。

 その交響曲第4番だが、「不滅」というタイトルがついているし、私もこのタイトルになじみがあるのだが、最近は「滅ぼし得ざるもの」とか「消し難きもの」と訳されることが多いようだ。
 単一楽章ながら4つの部分に分かれており、第1次大戦の中で、生命の不滅を書き綴っている。

 にしても、写真のこの顔、どこかで会ったことがある人のように思える。誰だったっけかなぁ?

 このCDセット、私にとって未知なる作品がたくさん。
 各曲の感想については、順次ご報告申し上げる。

プロバイダー&回線乗り換え検討会が出した結論は?

492dee12.jpg  もう3週間ほど前のことになるだろうか。

 土曜日の昼間、家の中でただ独り番犬のようにソファに寝そべっていたら、電話が鳴った。

 発信者の番号は見たことのないもの。
 だからすっごく無愛想に出ると、カナリア、の店員のような声で「生地は最低50cm単位でしか切り売りできません」という怖い言い方ではなく、うがいしたてのウグイスのような美しい声で、「こちら〇〇でございます」と某大手通信会社の名を語った(正確には、某通信会社の代理店と言った。それとカナリアっていうのは札幌の老舗の手芸店)。

 皆さんも経験があるだろうが、こういう人って芸術的なリズムの持続によって、こちらに口をはさむ隙や、電話を切るタイミングを与えない。いくらこちらで「ストップ!」とばかりに、受話器を持っている反対側の手で指揮棒を横に振ったところで通用しない。

 で、何とか「い、い、いえ、結構です」と言うタイミングを見計らっていたのだが、シャワートークを耳に入場させているうちに、なんとなく興味がわいてきてしまった。
 そういえば爪に、いや、妻に「最近はインターネットの料金が下がってきているというのに、うちは見直す気はないのでしょうか?」とレンホウのように言われていたことも思い出した。

 でも、アドレスが変わるのは面倒だし、だいいち自分のブログに多大な影響を及ぼす。過去の偉大なる粗大遺産が失われる危機に直面することになるだろう。
 とはいえ、けっこう安くなりそうだし、スピードも速く、回線端末機器の利用料もかからないという。
 どうやら救いの手があるようで、ブログにしても、メルアドにしても月額262円で現在のOCNのを継続利用できるという。

 彼女の言葉の間に八分休符が挟まったとき、私は勇気を奮って言葉をはさんだ。

 「詳しいパンフ、送ってください」

 こうして、私は住所まで彼女に教えてしまった。

 その4日後くらいだったろうか。
 封書が届いた。
 中身は“bvひかり”(仮称)のパンフレットであった。

 さて、詳しく現在契約中の“OCN光 with フレッツ”と“bvひかり”の月額を比較してみた。

 光回線とプロバイダー料は、OCNが5,565円。bvひかりは5,460円。
 現在かかっている屋内配線と回線終端機器の利用料と、無線LANのカードとひかり電話対応機器使用料が1,755円が、bvひかりではゼロ。
 ひかり電話の基本料とナンバーディスプレイはどちらも同額なので、ここまでで1,860円下がることになる。

 一方、増高要因はOCNのメルアドやブログ人を継続するためのバリュープランに加入するために、月262.5円かかる。263円としてその分を加味しても、月1,597円下がる。

 ただし、bvひかりでインターネットを無線LANで利用するには、市販品の無線LAN機器を購入しなくてはならい(一時的な支出で収まるけど)。
 bvひかりの方が速度が速く、費用も安い。
 いろいろな移行がめんどくさいけど、悩むところだ。いや、私の気持ちはbvに傾きつつあった。

 パンフが届いてから3日後。曜日はまたも土。
 私は前回とまったく同じように番犬ごっこをしていたところに電話が来た。

 彼女だ!

 相変わらず丁寧かつ美しい声。この人が美人じゃないなんてありえないという印象だ。
 彼女は言う。
 「パンフレットは届きましたでしょうか?」
 「ウゥ~ッ、ワンッ!」 ←「はい」の意。
 「先日MUU様は無線LANのことを心配しておられましたが、その後、今月にご契約していただいた方に限り、無線LAN機器を無償で提供するキャンペーンを実施することになりました」
 「無償で提供……ですか?」
 「ええ。つまり、ただであげちゃうってことです。今月限りですが」
 私が時間的ストレスに弱いということを知っているかのような攻め方だ。今月中か……。

 でも、これは美味しい話だ。昼寝から目覚めたら極太の骨が目の前にあったようなものだ。
 「きゃん、ウウウ~、キャイン、ワン!」
 つまり、もう一度詳しく検討して明日私から電話すると彼女に伝え、電話を切った。彼女の名前がサカガミさんだということも知った。

 その夜、妻にこのことを報告すると、「月1,500円も下がるのはどでかすぎる。変えるしかない!」と叱咤激励された。さすが、近所のスーパーよりも50円安い洗剤を、遠くの店にガソリンを1リッター使って買いに行くだけある。

 しかしである。
 ここで私はある報告をした。

 現在ひかりTVも契約している(基本コース)。私はTVを観ることがほとんどないが、妻はファイターズのファンでGAORAを非常によく見ているのだ。
 しかし、bvひかりの映像サービスではGAORAはサポートされていない。
 ファイターズを優先的に中継するチャンネルもない。

 OCNひかりTVの月額は2,625円。チューナーはTVに最初から内臓されているので必要ない。
 一方、bvひかりの映像サービスは基本コースで1,539円。しかしこれに機器レンタル料が毎月525円かかるので、合計2,064円。差は561円。

 先ほどの分と合わせると、bvの方が2,158円も下がる計算になる。
 が、なんせGAORAを観ることができなくなる。

 では、GAORAだけスカパーと契約したらどうなるか?
 スカパーの利用料で1,500円くらいになる。この1チャンネル狙い撃ちでも。
 となると、現在の契約とbvひかり+スカパーとの差は600円くらいまで縮まってしまう。
 しかも、さらにスカパーを契約するのも面倒だ。

 ということで、今回は見送ることにした。
 検討会座長の妻としては英断ともいえる判断だった。

 次の日、私は「嫌だなぁ。かけたくないなぁ」と思いながらも、サカガミさんに電話をかけた。

 別に私は悪いことをしたわけじゃないが、とっても申し訳ありません、はい、GAORAが、ええ、妻がファイターズが好きで、いえスカパーも考えたんですが、御社のはたいへん安くて魅力的なのはよく理解できました、はい、でも、今回は見送るということで、という言い訳に終始した。

 丁寧さは失わなかったサカガミさんだが、最後はタテガミが怒りで立ったんじゃないかと思われるような冷たい声色に変わっていた。
 そして、蜜月のころはあんなに電話を切るのが惜しそうにしてたのに、今回はあっさりと切られた。「またよろしくおねがいします」という儀礼的な挨拶とともに。

 でも、正直なところ私はほっとした。
 いくら継続使用できるとはいえ、ブログがらみでいろいろ手続するのは面倒だし、なんかかんだ言ってOCNがこれだけのシェアを維持しているのはそれなりの理由があるからだろう。

 それに、Bフレッツ+OCNの料金とbvひかりの料金自体は100円程度しか変わらないことを今回知った。高くついているのはNTTサイドの回線終末機器とかひかり電話の機器の使用料によるもの。NTTがこれを下げてくれればよいのですが……。他社に追い抜かれないためにも、NTTさん、下げてみません?

 じゃあ今日はJ.シュトラウス2世(Johann Strauss Ⅱ 1825-99 オーストリア)のポルカ「雷鳴と稲妻(Unter Donner und Blitzen)」Op.324(1868)。「雷鳴と電光」と呼ばれることもある。

 理論値だけを観ると、Bフレッツとbvひかりでは、bvひかりの方が10倍速い。
 つまり、ろうそくの灯の光と稲妻の光の違いぐらいありそうだ(*1)。
 とはいえ、PCの性能や、それ以上に無線LANでの使用という速度へのマイナス要素によって、果たしてどこまで速くなるのかは疑問が残る。

 それはともかく、「雷鳴と稲妻」はシュトラウスの数あるポルカの中でも最も有名なもの。雷鳴を表す大太鼓、稲妻を表すシンバルが、ドカドカ、ジャンジャン鳴り響き、実に楽しい。

 今日はスウィトナー指揮シュターツカペレ・ドレスデンによる演奏を。
 なんだか軽快感が足りず、今一つノリの良くない感じの演奏だが、逆に「J.シュトラウスの曲ってしっかりしてて、音楽性が高いんじゃん」ということを気づかせてくれる。
 1979録音。ドイツ・シャルプラッテン。

  *1) とはいえ、光速度自体には違いがないことはもちろんである。

 

東の地でパソコンが昇天し、トゥビンを聴く

b0d7241d.jpg  今月の初めに中標津に出張したこと、そしてそのついでに開陽台神の子池に視察のために立ち寄ったことはすでに書いた。

 観光、いや視察のあと、ちゃんと重要な業務をこなし、17時過ぎにホテルにチェック・イン。
 ふだんなら、この時点で“腹ぺこブッチ”のように、すぐに食事に行くのだが、これもすでにご報告申し上げたように、昼のカツ・スパの胃袋滞留感により、19:30から食事をすることとした。

 その間、みなさんのために“神の子家”、おっと宗教じゃあるまいし訂正ていせい、“神の子池”についての報告を書くべく、重たい思いをしてわざわざ持参したhpのノートパソコンを立ち上げた。

 いつものようにウィンドウズが起動し、ネットにもすんなりつながり(今回はネットができるよう、回線設備のあるホテルにしたのだ)、白魚のような指で私がキーボードを打ち始めた途端、「ヒュゥ」という音にならない音とともに、電源が落ちた。

 おや?
 もともとバッテリーはかなり衰弱していたので、コンセントだけ停電したか(ありえない!)、ACコードがきちんと接続されておらず、電源不足で落ちてしまったのだろうと思った。

 ACアダプタの接続を再確認し、ちゃんとパイロット・ランプがブルーに光っているのを確認し(やっぱ、コンセントだけが停電になってるってことはなかった)、電源ON。

 さっきは突然落ちたので、最初にセーフモードにするか通常モードにするかのメッセージが画面に表示されたが、通常モードを選択。
 やがてウィンドウズの起動画面が表示され……ヒュゥ。
 また落ちた。
 私の大学受験のときを思い出させる落ち方だ。

 おんや?

 もう一度トライ。
 また確認メッセージが表示され、た途端に、ヒュゥ。

 4度目の挑戦。
 今度はまったく反応しない。ハードディスクのランプは2度ほど瞬きしたふだけで、その後は点灯しない。ハードディスクが回っていないのだ。
 ファンの音がむなしく響くだけ。
 私は転倒しそうになったね。

 こんなことをしているうちに19:30になったので、食事へ出かける。
 食欲があまりなかったのは、昼のカツ・スパの影響もあったが、この瀕死のヒューレッド・パッカード社のノートPCのことが気になっていたせいかもしれない。

 ホテルに戻り、もしかするとあれはほんの気まぐれだったのではと、電源ON。
 起動しない。

 だんだん腹が立ってきて、振ってみた。ノートPCで良かった。デスクトップだったら持つのが大変だっただろう。
 軽く床に落としてもみた(床上3cmのところから)。
 適度の運動は、機械にとっても心地よいに違いない。

 再び電源ON。
 だが、毒リンゴを食べた白雪姫のように眠ったままだ。

 昔のラジオやテレビの方が、まだ融通がきいたものだ。
 叩いたり振ったりしたら、復活することが少なからずあったから。

 出張から戻ったあと、自宅で何度かトライしたがまったく解決せず。
 熱暴走でも、中標津の交流電源と相性が悪かったわけでもなかった。
 ハードディスクを外してみたが、外したところで外観を眺めるしかなく、そのままもとに戻した。
 「リカバリ・ディスクを使ってみたら?」と思われるかもしれないが、そもそもとっくに光学ドライヴは故障していて、CDなどを読み込めない状態になっていた。

 つまり、一言で言えば「ご臨終」です。
 硬粉砕。ハード・クラッシュってやつみたい。

 こっそりとビックカメラの修理コーナーに足を運び、修理代の目安の表を見たが、どう考えても安いコンピュータを買った方が合理的かつ経済的だ。しかも、このノートPCはhpの通販で直接買ったもので、量販店では扱ってないモデルだ。
 なんでそんなものを買ったのかというと、一見、安かったから。
 けど、購入を決断した後、やれオフィスを入れるだの、メモリを増設するなどしたら、ケーズデンキのチラシに載っているFMVだのVAIOだのよりも高いものについてしまった。

f6e1402e.jpg  ということで、悩みに悩んだ末、ネットブックを購入した。
 安いやつでいい。でも、そこそこ操作性がよくなきゃ。hp機はもううんざりだ。聞いたことのない海外の新興メーカーも嫌だ。

 ということで、ONKYOの製品を購入。
 3万弱。
 こう見えても私、大学~社会人になったころは、ONKYOのプリメイン・アンプを使っていた。関係ないけど。
 見てごらん!神の子ならぬ亀の子のようなノート機上の小型機を!

 ということで、トゥビン(Eduard Tubin 1905-1982 エストニア)の「斃れた兵士のためのレクイエム(Requiem for Fallen Soldiers)」(1979)。

 買ってからまだ4年しか経っていないのにろくな働きをしなかったこのパソコン(大学生の長男が使うために買ったのだ。彼は購入直後から「調子が良くない」と言っていたが、「オレが選んだ製品がおかしいわけがない」と、私は父親らしくムチャクチャを言っていた)に情は移っていないが、fallenは間違いない。だからこの曲を選んだ、今日は。

 トゥビンという作曲家について私は詳しいことは知らないが(前にシンフォニエッタを紹介している)、間違いないのはエストニア出身の作曲家であり指揮者だったということ。エストニアが1944年にソヴィエトに占領されたときにスウェーデンに亡命している。
 指揮者としてはヤルヴィやドラティなどと交流があったという。 

 「斃(たお)れた兵士のためのレクイエム」は5つの楽章から成る35分ほどの作品。
 歌詞はエストニアの詩による。
 この音楽はしばしばなじみにくい表情を見せるが、人間の心を揺さぶるような箇所も多々ある。
 私は第4楽章のメロディーに特に惹かれる。

 CDはヤルヴィ指揮ルンド大学合唱団のものを。
 独唱はルンディン(A)とルイデル(Br)。器楽はシタールのティンパニ、ヴァッリーンの小太鼓、ハーデンベルガーのトランペット、そしてラーションのオルガン。
 1985録音。BIS。

 

つぶやき仲間に入り切れず不満をつぶやく

 ツイッターを始めて1カ月になる。

 私がツイッターを始めたのは、まったくの偶然からだった。
 年末に何とはなしに、私のブログに登場してきた人物の名をネットで検索してみたら、ある♂の名前がヒットし、それが彼のツイッターのページ(という言い方が正しいかどうかは知らないけど)だったのだ。

 ふふふ、これはおもしろいぞ、と私も新規登録。
 さっそく彼をフォローし、言葉によるいたぶりをしてみたのだった。

 でも、いまだによくわからないところがある、ツイッターには。
 あまり私にはなじめない感じもする。
 フォローした人のツイート(さえずり、つぶやき)がどんどん入ってくるわけだが、まさにつぶやきだから、何の話だかよくわからないところが多々あり、私はもやが漂う森の奥深くに放し飼いされた山羊のような気になるのだ。

 つぶやきだからね、何といっても。

 たとえばあなたがタクシーに乗ったとする。
 走り始めてすぐに運転手さんがぶつぶつと呟きはじめ、それは終わることなく延々と続いたとしたら、あなたはあまり気持ちよくはないだろう。いや、あなたはそうかもしれないが、私なら相当気持ち悪く感じ、すぐにでも降りたくなるに違いない。

 あるいは、たとえばあなたが昼にそば屋に行ったとする。
 店は混んでいて相席という最悪な展開になってしまい、あとから向かいの席に着いたオヤジのもりそばが先に出てきて、おやじはぶつぶつと言いながらそれををすすっていたとする。そのあとに先客だったあなたの天せいろが出てくる。高級品だから時間がかかったのだ。
 おやじは何を呟いてるかわからないが、何となく「いいよなぁ、天ぷら」と言っているように聞こえる。としたら、2カ月ぶりに奮発して天せいろを頼んだんだ。いつもこんな王様のような食生活をしているのではない、という個人的事情があったとしても、あなたはいてもたってもいられなくなるだろう。

 その上、打ちひしがれてそば屋を出て、気晴らしにデパートの屋上のわんぱく広場みたいな名の遊園地に行って、子供を連れてきている若いお母さんたちの姿を見て幸せな気分になろうと、エレベーターに乗ったとする。
 ところが満員のエレベータのドアが閉まった直後に、あなた以外の全員が各々勝手にチュンチュン、チョメチョメとさえずり始めたとしたら、あなたは叫びたくなるに違いない。「とんがり焼き!」とでも……

 ツイッターにはそんな居心地の悪さがある。私には。

 でも、私はいまのところツイッターをやめる気はない。
 日常の出来事に関する部分でブログ記事の補助手段として使えそうな気もしないでもないからだ。

 そうそう、先日会社の私のアドレスに、2年ほど前まで関係、いや付き合いがあった取引先の部長(今は北海道の都会とは言い難い町で支店長をやっている。私より年上の、もちろん男性である)からメールが来た。このお方が転勤してから音沙汰なしだったので、驚いた。
 こういう突然の久しぶり連絡って、たいていの場合、当方にとってはあまり歓迎すべき内容でないことが多い。

 そのメールは、しかし、「格安のものを手配できるので、タラバガニを買わないか?」といったような内容ではなかった。が、だからといって歓迎すべきものとも言い難いものだった。

 メールのタイトルは「フェイスブックで一緒にあの頃の思い出を語ろう」というもの。

 本文は、「お元気でお過ごしですか。〇田〇太です。現在、〇〇町におります。 最近のニュースで、世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)という、このfacebook を知りました。 相手の写真を見ながらメールを送信でき、話している気分に近くなります。動画などもすぐ添付できます。私も始めました。よろしかったら、ご登録いただき、のぞいてみてください」というもの。

 え~っ……

 そりゃお世話になったし、立派な人だけど、どーして私がこのお方の写真を見ながら話をしている気分になってメールを送らなきゃならないの?なんか、禁断の臭いがする。どんな動画を送れっていうの?まだ、肌を見せるほど親しくないわ。
 ってことで、ほったらかしにしてある。
 すまないが、ちょっと怖さを感じる私なのだ(だってSNSをわざわざソーシャル・ネットワーク・サービスって書いてくれているんですよ。この優しさが恐いの)。

 さて、こんな内容の文を書いていると、ちょっとクラシック音楽に詳しい人なら、今日紹介する曲はラモーの「鳥のさえずり」に違いないと思うだろう。

 ブ、ブーッ!
 残念でした。
 私はそんな単純な人間ではない。いや、正直に白状すると、そうしようと思ったのだが、この曲前に取り上げているし、何回も取り上げる曲でもないから断念した。

5115d922.jpg  そこでシューベルト(Franz Peter Schubert 1797-1828 オーストリア)の歌曲集「白鳥の歌(Schwanengegesang)」D.957,965A(1828)。
 
 全部で14曲から成るこの歌曲集は、作曲者の死後に出版業者のハズリンガーがまとめて「白鳥の歌」という名の曲集で出版したもの。
 ただ、第1~13曲は、シューベルトの生前に「レルシュタープとハイネの詩による13の歌」として出版される予定になっていた。そのため第14曲にはD.965Aの作品番号が付けられている。

 各曲のタイトルは、

 1. 愛の使い Liebesbotschaft
 2. 戦士の予感 kriegers Ahnung
 3. 春の憧れ Fruhlingssehnsucht
 4. セレナード Standchen
 5. わが家 Aufenthalt 
 6. 遠い地にて In der Ferne
 7. 別れ Abschied
 8. アトラス Der Atlas
 9. 彼女の肖像 Ihr Bild
 10. 漁師の娘 Das Fischermadchen
 11. 都会 Die Stadt
 12. 海辺にて Am Meer
 13. 影法師 Der Doppelganger (以上D.957)
 14. 鳩の便り Die Taubenpost (D.957A)

 詩は第1~7曲がレルシュタープ。第8~13曲がハイネ。第14曲がザイドルである。

 ほら、見て欲しい。
 第14曲のタイトルを。

 「鳩の便り」である。

 鳥(のさえずり=ツイート)と便り(〇田〇太氏からの)の両方をカバーしているではないか!
 もっとも、鳩はポッポと鳴くからさえずりというイメージではないが……

 私が持っているCDは、F=ディースカウのバリトン、ブレンデルのピアノの演奏によるもの。
 1982録音。フィリップス。

  なお、ご存知のとおり、「白鳥の歌」には“告別”という意味がある。
 「白鳥は死ぬときに一度だけ美しく鳴く」という言い伝えがあるからだ。

 うん。
 文章の流れに反して、実にシリアスな曲を選んでしまったものなのよ~。

 ヤッホー、ホートラララン、ヤホ、ホートーラーラーラ、ヤホホッ! ←歌手はフェード・アウトするように。

ヴェルディ in 「飛行機 ―あるいは彼は~」

4ffe1776.jpg  村上春樹の「飛行機 ―あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」

 この小説は「TVピープル」(文春文庫)の中に収められている。

 この文庫も作品集で、表題の「TVピープル」やこの「飛行機 ―~」のほか、「我らの時代のフォークロア ―高度資本主義前史」、「加納クレタ」、「ゾンビ」、「眠り」の6編から成る。

 「TVピープル」に登場する“TVピープル”は、「1Q84」に出てくる“リトル・ピープル”の存在によく似ている。ネット上では“リトル・ピープル”と“TVピープル”の関連を指摘しているものもあるが、私にはよくわからない。
 ただ、「1Q84」で“リトル・ピープル”なるものの登場が唐突というか、いかに不思議な1Q84年の世界といえども妙に浮いた感じがするが、それ以上に「TVピープル」における“TVピープル”の登場は子供じみた感じさえする。何の象徴なのだろう?
 私、家庭にテレビがあるのが当たり前でなかった時代、街の電器屋のトラックが横付けされ(ナショナルとかビクターとか描かれた派手な軽トラックだ)、「ウチも買ったのよ」みたいに、これみよがしにテレビが搬入されていく、そのときうやうやしく箱を両側から抱えていた小柄なアンチャンたちを想像してしまう。
 
 そして、この作品でも主人公の“僕”の前から女性―ここでは妻―がいなくなる。

 《「奥さんは帰ってこないよ」と画面の外にいるTVピープルが僕に言った。
  僕は彼の顔を見た。彼が何を言っているのかうまくキャッチできなかった。僕は真っ白なブラウン管をのぞきこむみたいに彼の顔をじっと見た。
 「奥さんはもう帰ってこないよ」とTVピープルは同じ口調で言った。
 「何故?」と僕は訊いた。
 「何故って、もう駄目だからだよ」とTVピープルは言った。》

 これは「ねじまき鳥クロニクル」のクミコの失踪を思わせる。
 このあとTVピープルが「もうすぐここに電話がかかってくるよ」と言ったり、その言葉を聞いた“僕”が、電話機を見ながら『どこまでもどこまでも繋がっている電話機のコード。そのおそろしい回線迷路のどこかの端末に妻がいるのだ』と思うところも、「ねじまき鳥」と通じるところがある(電話の予言は「羊をめぐる冒険」をも思い出させる)。

 ついでに言うと「加納クレタ」というタイトルになっている加納クレタその人は、「ねじまき鳥」にも出てくる不思議な女である。「ねじまき鳥」の中で彼女は、クミコの兄にそれまで経験したことのない性の興奮を感じさせられ愉悦の絶叫をあげるが、それは彼女にとって辱めを受けたということになっている。
 この作品での加納クレタは「ねじめき鳥」ほど神がかり的な変人ではない。ただ、最後は殺される設定になっている。

 今から何年も前であるが、電車の中吊り広告で「いま、ヴェルディから目が離せない!」と大きく書かれたものがあった。
 それを見た私は、「へぇ、いったいなんで急にヴェルディの人気が上がっているのだろう」と真剣に不思議に思った。明日、会社の女の子に「ねえ、いまヴェルディが注目されているようだけど、どういうきっかけからなの?曲は何がいちばん人気なの?」と聞かなきゃと思った。
 しかし、その下の小さな文字の文を読むと、それが川崎ヴェルディのことだとわかった。
 あー、危なかった……
 大見出ししか見ないまま、翌日「ねえ、ヴェルディが人気らしいけど、どういうのが好き?僕は『運命の力』とか『アイーダ』かな」なんて言ったら、大恥っかき中年男に即認定されるところだった。
 あのころは川崎ヴェルディ、人気があったんだなぁ。

  さて、「飛行機 ―~」のなかには、ヴェルディ、プッチーニ、ドニゼッティなんかの名前が出てくる。
 主人公である20歳の“僕”が、結婚していて子供もいる27歳の彼女の家に行ったとき、それらのレコードを目にするのだ。彼女の夫はオペラが好きだという。

 で、一歩間違えたら世間から身をひくことになりかねなかったヴェルディ(Giuseppe Verdi 1813-1901)の話。
5e730fd5.jpg  ヴェルディはイタリア・ロマン派歌劇の最大の作曲家で、有名なオペラとしては「椿姫」や「オテロ」、「アイーダ」などがある。
 そんななか、ここでは「アイーダ(Aida)」をご紹介。

 このオペラは4幕7場からなり、スエズ運河開通を記念してエジプトのイスマーイール・パシャがカイロに建てたオペラ劇場のこけら落としのために依頼されて書かれたもの。初演は1871年。
 架空の古代エジプトが舞台。衛兵隊長ラダメスと囚われの身になったエチオピアの娘アイーダの恋物語で、最後には2人は神殿の地下牢で永遠の愛を誓いながら死んでいく。

 このオペラのなかで最も広く知られている曲が第2幕の「凱旋行進の場」の行進曲。Jリーグではこの旋律に歌詞をつけて応援歌にしている(もしかしてコンサドーレ札幌だけ?)。凱旋ということでこの曲を遣う意味合いは正しい。けど、このメロディーががなりたてられているのを耳にするのは、どーも居心地が悪い。私には。私だけの問題だけど。

 今日はCDではなく、DVDを。
 レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団、同合唱団、アプリーレ・ミッロ(S,アイーダ役)、プラシド・ドミンゴ(T,ラダメス役)ほかによる演奏。1989年10月にメトロポリタン歌劇場で行なわれた公演のライヴ。
 私はオペラには全然詳しくないので、演奏や演出がどうこう言えないが、豪華な舞台を楽しめる映像であるのは間違いない。
 私はスペシャル価格の限定販売盤を購入したのだったが、現在はレギュラー盤しか出ていないよう(お値段がレギュラーということです)。すいません。私が謝るべき問題じゃないけど。


 

高校時代の友人T君は改宗したのだろうか?

 デジタル・オーディオ・プレーヤーをSONYのWALKMANに替えた。
 1年ほど前に喜び勇んでZEN-STONEというプレーヤーを買ったことを書いた。これは2GBの容量で5,000円しなかったが、致命的な欠陥は冬に駅まで歩いていると、日によっては寒さで冬眠状態に入ってしまうことだった。体が弱い私が一生懸命歩みを進めているというのに、デジタル機器のくせして怠慢である。
 もう1つ、これは欠陥というよりも、私が必要ないと思ってディスプレイのついていない最安値のモデルを買ったせいだが、はじめて聴くアルバム(作品集)の時には今聴いているのがなんつー曲なのかわからなくなり、まるで吹雪のなかで進路を見失ったような気分になる。やはり表示機能はあった方がいいと、人に言えないまま痛感していた。

1a1a39e7.jpg  さらに、これをクリップで衣服につけるには、本体を白く濁った色合いの合成樹脂のカバーに入れなくてはならない。その様相はすっごくHだ、見ようによっては。
 皆さんは写真をご覧になって、そんなふうに思わないだろうか?私の考えすぎだろうか?

 そんなこんなでウォークマンにした。容量は8GB。こんなに容量が必要なのだろうかと思うくらいである。重さはこちらの方がZEN-STONEより重い。いろんな機能がついているせいだろう。だって、ZEN-STONEには音質コントロールさえなかったのだ。

 これを聴きながら歩くにはどうしたらいいのか?
 百均で携帯のネック・ストラップを買ってきて、つけてみた。このネック・ストラップがDAISOでは「釣り具用品」に位置付けられているのが納得できない面もあるが、それより何より、100円のストラップでその何十倍もの値段がするWALKMANを保持し続けられるだろうかという不安は残る。
 さらに、これを首にかけて歩いたとき、道行く人、電車で乗り合わせた人が、私のことをかわいらしすぎると思わないだろうか、と心配である。世間を騒がせるのは私の本意ではない。
 あるいは、すっげーダサイと思われないだろうか(こちらの可能性の方が高い)。でも、もっとダサイ、コンドームをかぶったスケキヨの頭のような得体の知れない塊をこれまで胸につけていたのだ。それよりはマシだろう。それにネック・ストラップも、迷った挙句、キラキラ・ストラップじゃなく、黒い地味なものにした。意外と謙虚なのだ、私は。
 世間の目をごまかすことに、ある程度の自信はある。
 さっ、今日からトライだ!

 まだ、音についてはコメントできないが、パソコンから本体に転送する機能などはさすがSONYという感じ。機能が豊富すぎる感もあるが……

§

 新型インフルエンザの流行傾向に伴い、わが社でも数週間前から各フロアの入口に殺菌剤が入ったボトルが置かれている。手だけを消毒することが果たしてどの程度効果があるのか知らないが、この製造メーカーは特需でウハウハだろう。
 私は朝、比較的早くに出勤している。で、そのあとに出勤してくる人たちを見るとはなしに見ていると、オフィスに入って来てすぐにきちんと手を消毒する人はあまり多くない。しかも、驚いたことに、消毒励行者のほとんどは、およそ新型インフルエンザにかかりもしないような顔色の良い、でもちょっぴりアンニュイな中年世代オーバーの顔ぶれである。逆にいえば、インフルエンザのウィルスも謎の抗体でやっつけられてしまうような体質をもっていそうな顔ぶれである。
 心がけはたいへんよろしい。さらに、その姿勢を仕事に向けるともっとよろしい。
 そういう私は、意地で消毒組に加わらないようにしている。

§

 T君はどうしたのだろう。
 なぜ、電話がこなかったのだろう。
 T君は高校時代の同級生だ。
 ふだんは一切接触がない。
 けど、何年かに一度電話が来る。「元気だったか?子供も大きくなったろう」などとまったく心にもないことを言う。最初から「選挙では公明党に入れてくれ」と言えばいいのに。
 改宗したのだろうか?

§

 意外といけるのは、セイコーマート(北海道を中心として展開しているコンビニ)の鶏竜田揚げである。下手なスーパーの総菜よりも美味しい。美味しいというのは、味そのものよりも、衣ばっかりで肉片が小さいということがないからだ。衣の具として鶏肉があるのではなく、鶏肉に衣がかかっている。
 あと、100円総菜シリーズの塩サバ焼きもいける。これで100円は安い。思わず単身赴任したくなってしまう。

§

 今朝、家の冷蔵庫に半分ほど残って入っていた「キリン午後の紅茶 レモンティー」を飲んだ。1.5リットルのペットボトルだが、なぜかキャップには「爽健美茶」と書いてあった。
 それを誰も非日常的と思わない家族なわけだが、こういうつけ間違いがどういうプロセスで発生するのか、私には皆目見当がつかない。

§

 先日、居酒屋で牛タンの塩焼きを食べていたら、自分のタンを噛んでしまった。
 歳を召すと、咀嚼制御機能まで狂ってしまうようだ。
 でも、痛さは若いもんと変わらないくらい感じた。

足かせだった話と、息切れ風Windows起動音のその後

 メモリーメディアを挿すだけでVistaが高速になる夢のような話。
 それがReady Boostである。

 私はいくつかの雑誌でそれを読み、1年前にパソコンを買い替えあと、ほどなくしてUSBメモリを買い(高速用というやつだ)、この機能の恩恵にあずかってきた。
 でも、恩恵に預かるも何も、比較対象がないから、速くなっているに違いないと自己満足していた。最初は2GBのUSBメモリを使ったが、もっと割り当て容量が多い方がいいような気がして4GBのものをさらに購入。でも、もっともっとという欲望の塊と化した私はさらに8GBのUSBメモリを購入。Vistaの推奨どおり4GB近くをReady Boostに割り当てた。このころ、頻繁にUSBメモリを購入する私は、ビックカメラのお兄さんにUSBメモリコレクターと誤解されていたかもしれない。
 あの頃のことを思うと、心が疼く……

 そして1年弱が経った。
 最近どうもソフトの起動が遅くなったような気がする。
 その理由として、
  ウィルスソフトが悪さをしている。
  あの本で読んだ、「Ready Boostはボトルネックだ」という記事のせいでそう感じる。
 の2つが考えられる。

 そこで10日ほど前にReady Boostをやめてみた。

 なんということでしょう!
 速くなった……
 というか、ふつうになった。
 エクセルの起動も、ワードの起動も、インターネット・エクスプローラーの起動も速くなった。

 あぁ、私の1年を返せぇ〜

 あの本、すなわち、橋本和則著「バリバリチューン Windows Vista 倍速カスタマイズ 究極技163」(技術評論社。それにしても短歌なみに長い書籍名ではある)によると、《Windows Ready Boost は単にアプリケーションの起動を高速化するためのキャッシュであり、Windows Vista そのものに対して、特に手助けになっている機能ではない。むしろ、比較的高速なマシンを利用している場合には遅いUSBメモリーに対してプログラムをキャッシングする操作そのものがボトルネックになり、デスクトップの動作が遅くなる》と書いてある(速いマシンというのは、今の普通のマシン、ということだそうだ)。
 別なページでも、《Core2以上のCPUと2GB以上のメモリーを持つのであれば、停止すべきだ》と書いてある。

 あ〜あ、ちょっとシクシクだなぁ。
 私は、いい加減なPC雑誌の記事にだまされていたようだ。

 心なしか、ホント、軽くなった気がする。

 ところで、技術評論社って私には何となく愛着のある会社である。
 パソコン誕生期、まだマイコンという言葉とパソコンという言葉が混在していたころ、この会社の出していた“The BASIC”という雑誌を毎月買っていたのだ。なかなか専門的な内容で、私には理解できない記事もあったが、とても充実した内容の雑誌だった。
 パソコン誌って、今と違ってある種の格式があったのだ。当時は。
 いま売られているPC雑誌のような垂れ流し記事、行ったことも食ったこともないラーメン屋のラーメンを「激うま」と平気で書くような体質ではなかったと思う。
 雑誌名とイコールなのかどうかはわからないが、その頃は、プログラミング言語としてBASICが主流だった。雑誌に載っているプログラムを一生懸命入力したりしたものだ。
 あ〜あ、いただいやだ、じじいのノスタルジーは。

 そうそう、Windows Vistaの起動音が、死にかけたカセットテープのように途切れる話(私の実話)を書いたことがある。その原因がウィルス・セキュリティZEROのせいであることはほぼ断定できている。大規模なアップデート後に発生し始めたからだ。ソースネクストもその現象を認めている。
 ところがここ数日、音切れがなくなったことに気づいた。解決するZEROのアップデートが行なわれたのだろうか?しかし、ソースネクストのサイトでは「解決しました」とは、いまのところ発表されていない。

 私がReady Boostを停止してパソコンが速くなったと感じた時期と、起動音が途切れなくなった時期はとても近い。もしかすると、Ready Boostをやめたから速くなったのではなく、ZEROの関係による負荷が軽くなり速くなったことも考えられる。

 でも、もうこんなワケのわからないこと考えるのやめたい。
 家にある電化製品で、パソコンがいちばん人的保守が必要だというのも、なんだかおかしな話である(ウィルス起動音の途切れについては、富士通から次のようなケースも紹介されたので、私と同じような悩める子羊さんにもご紹介しておく→ お使いのパソコンでは、起動時のアプリケーション、ドライバなどの読み込み動作により、起動音に途切れなどが発生する場合がございますが、異常ではございません。ご安心ください)。

意味はないが励みになるかも
最新とは言い難いコメント
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

お暇ならメッセージでも

名前
メール
本文
このブログの浮き沈み状況
本日もようこそ!
ご来訪、まことにありがとうございます。

PVアクセスランキング にほんブログ村
サイト内検索
楽天市場(広告)
月別アーカイブ
タグクラウド
タグ絞り込み検索
読者登録
LINE読者登録QRコード
QRコード
QRコード
ささやかなお願い
 当ブログの記事へのリンクはフリーです。 なお、当ブログの記事の一部を別のブログで引用する場合には出典元を記していただくようお願いいたします。 また、MUUSANの許可なく記事内のコンテンツ(写真・本文)を転載・複製することはかたくお断り申し上げます。

 © 2007 「読後充実度 84ppm のお話」
  • ライブドアブログ